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2005年4月29日

北朝鮮サンオ級潜水艦(韓国江陵市・統一公園)

 写真は平成16(2004)年11月15日に撮影したものです。写っているのは8年前に付近で座礁し、鹵獲された北朝鮮のサンオ(鮫)級潜水艦です。公開されているものなのであらためてブログに載せてもそう意味はないのですが、意外と知らない方が多いので掲示してみました。

この事件の概要は次の通りです。

 1996(平成8)年9月18日早朝、東海岸に面した江原道江陵市の海岸線を走っていたタクシーの運転手が、座礁した黒色の潜水艦を発見した件。韓国の軍・警察・郷土予備軍は、合同で逃走路周辺を全面封鎖し、潜水艦操舵手である李光洙(イ・グァンス)を逮捕し、また、座礁地点近くで集団殺害された11名の死体を発見した。その後逃走勧告を無視して逃亡を続けていた偵察組長・潜水艦長等13名を発見、射殺し、潜水艦の中からはRPG-7対戦車ロケット、M-16・AK小銃等の武器類、偵察地図、望遠カメラ等の遺留品を鹵獲した。

 しかし、韓国軍も掃討作戦の過程において11名が戦死し、民間人6名が殺害されている。乗組員のうち1人は結局発見されず、韓国軍の厳戒態勢をかいくぐって陸路北朝鮮に帰還したとされている。

 逮捕された李光洙の自供により次のようなことが明らかになった。潜水艦は咸鏡南道楽園(昔の退潮)にある潜水艦基地から9月14日午前5時頃、人民武力部の偵察局海上処長(大佐)、偵察要員3名と案内員ら26名を乗せて出港し、15日午後8時頃、江陵市安仁津里近隣の海上に到着、偵察組3名を浸透させた後、海上偵察を行い、偵察組の復帰を待っていた。

 17日午後9時頃、復帰途中の偵察組長から「波が高いので海岸近くまで接近せよ」との無線指示を受け後進で海岸に接近していたところ、波に押し流されて座礁した。航行不可能と判断されたため艦内の主要器物を焼却・破損した後、海岸に上陸、近隣の山野に逃走した。

 潜水艦は江陵のバスターミナルから車で20分程南に行った海岸線にある「統一公園」に展示されており、内部も自由に見学できます。同公園内には韓国海軍の退役駆逐艦(米軍から1972年に譲渡されたもの)も展示されています。江陵まではソウルから高速バスで3時間、景色の良いところで、近くには「砂時計」というドラマで一躍観光地化した正東津(チョンドンジン)という海岸もありますから、韓国旅行で1日余裕がある方は足を運んで損はないと思います。

 全長35メートルの小型潜水艦も全体を見ると思いの外大きく、こういうのが出入りをしているのかと思うと平和とか安全という言葉の意味も違って感じられます。もっとも、最近の平和ボケした韓国ではあまり関心を持たれていないようですが。
 写真は順に左舷側全景(見学用に開けた入口が見える)、艦内から見た工作員脱出口、右舷側全景(魚雷発射管の位置に工作員脱出口が見える)、内部の機器(日本製)、座礁した船尾部分の順になっています。
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2005年4月28日

ブログ開設にあたって

何となく興味をもってブログの開設をしてみました。まだ分からないことが多く、続くかどうかも分かりませんが、しばらく試行錯誤してみようと思います。よろしくお願いします。

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田中実さんの拉致認定について

(これは17.4.28付特定失踪者問題調査会メールニュースに書いたものです)

 一昨日の警察発表に引き続き、昨日(27日)正式に田中実さんの拉致が認定されました。
 とにかく、これ自体が一歩前進であることには間違いありませんが、全体の流れからすればおよそ評価に値するものとは思えません。

 政府は明らかに現在の認定者より多くの拉致被害者がいることを認識しています。そして、認定者以外は一部の例外を除き北朝鮮側に安否確認をすることすらしていません。今回は9.17以降2年半を経てやっと田中さん1人の認定をしたに過ぎないのです。

 私たちは平成9年、救出運動が始まったときから、警察の幹部には「警察は法と証拠に基づいて厳正に捜査している」と聞かされてきました。しかし、昨日の警察庁の発表では「平成14年9月、金正日国防委員長が、日朝首脳会談の席上で、日本人拉致を認め、謝罪して以降、拉致容疑事案に対し国民が高い関心を示すようになったほか、報道においても、拉致被害者やその可能性が指摘される失踪者について、大きく報じられるなど、捜査を取り巻く環境に大きな変化が生じた」とされています。これは結局世論が高まったから動けるようになったということではないのでしょうか。それなら「これまでは世論が高まらないので捜査が思うに任せなかった」と正直に言うべきだと思います。

 田中さんの拉致など、とうの昔に明白なことであり、今直ぐに政府がやらなければならないのは、それより遥か先にある「全被害者の救出」です。もし警察が、そして政府が国民にその責任を果たす気があるのなら、なすべきは「一所懸命やっています」というアリバイ作りではなく、現実としての救出にどうつなげるかということです。

 何度も言っていることですが、現在政府の拉致被害者救出に向けた動きは警察の捜査→政府認定→外務省の交渉という流れが大部分です。これで進める限り、それぞれの段階で極めて高いハードルがあるため、事実上ほとんどの被害者は見捨てられることになります。もはやこのシステム自体を変えなければ本格的な進展を見ることは不可能です。

 日本には警察以外にも情報機関は存在します。また、「認定」にこだわらなくても救出は十分可能です。そして、単なる話し合いではなく、様々な段階の圧力をかけてこそ、北朝鮮を動かすこととなります。郵政民営化など、やってもやらなくても人の命が失われるわけではありません。総理がそこにかけている執念の一部でも割いてくれれば拉致問題は完全解決に向けて間違いなく前進します。トップの決断、そして関係各方面の、問題の本質を見据えた任務の遂行を切に期待するものです。

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