高度な倫理観
西村眞悟代議士の弁護士法違反にかかわる裁判がはじまった。
これにあわせて自民党と公明党は西村議員の辞職勧告決議案を提出、古巣の民主党も同調の方向という。自民党の方は慎重だったようだが、公明党がねじ込んだ形のようだ。民主主義の国だから、その範囲内であればどうこう言うべきではないかも知れないが、これで辞職勧告をするなら自民党も公明党も民主党も、弁護士出身で同様のことをやっている議員は全員自分から辞表を出すべきだろう。まさか、他の弁護士出身国会議員が全て、議員の仕事ををやりながら、弁護士の仕事もちゃんとやっているわけはないのだから。
そう言えば、一昨日、某マスコミの記者から電話取材を受けた。西村議員のことについて、裁判となって本人への批判はないかとか、色々聞かれたが、要はこれまで西村議員を支持してきた人たちから離反者が出ていると聞き出したかったようだ。
誇張でも何でもなく、昨年の逮捕以来、旧来の西村議員支持者で「支持をやめる」と言った人は、少なくとも私の周囲では皆無だった。それどころか、全く見も知らない多数の人から(しかも、西村さんのタイプからすると苦手と思われた若い女性も含め)、「西村議員を支持します」との言葉をいただいたのには、正直こちらが驚いてしまったほどだ。
ところで、その記者は期待した答えが返ってこなかったせいか「国会議員とか弁護士というのは高度の倫理観が求められるでしょう」と言ってきた。
「高度な倫理観」--実に良い言葉だ。しかし、国会議員や弁護士にそれが求められるなら、第4権とも言われるマスコミの人間にも求められて当然だろう。リーク情報をろくに検証もしないで特ダネのごとくに報じるような記者も、録音しないと言っておいて録音したり、ルールに反する取材をする記者も、皆辞職すべきだろう。捏造記事など掲載したら、それだけで新聞社一つ廃業してもいいのではないか。
私は一応本職は大学の教員だ。 教育者なら当然「高度な倫理観」を求められるはずだろうが、少なくとも私は「高度な倫理観」など持ち合せていないし、今後も持つつもりはない。そもそもそんなものを振りかざす人間にろくな人間はいない。マスコミの人間で、「いや、そんなことはない」というなら、西村眞悟以外の弁護士出身の国会議員の同様の問題について、徹底的に調べて根絶する努力でもしたらどうか。
西村議員は裁判のことがあり、周囲に迷惑をかけたくないという気持ちから、ある程度活動は控えていると思うが、拉致問題については遠からず一戦(相手が北朝鮮なのか日本政府なのかはともかく)交えなければならないときが来る。したがって表芸よりも、実質的な救出につながる活動をやってもらいたいし、ご本人もそれは望むところであろう。「高度な倫理観」より「救出」を優先する方向で、今後も西村議員と共に活動していくつもりである。
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