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2006年9月 4日

フィールド・オブ・ドリームズ

If you built it, he will come.(それを作れば、彼はやってくる)

 ケビン・コスナー主演の映画「フィールド・オブ・ドリームズ」(1989)で、ケビン・コスナーに聞こえる「天の声」である。
 私はこの映画が好きで、ビデオも何度も見ている。先日観た「UDON」もこれに影響を受けた部分が見受けられた。両方とも父親と息子の葛藤の映画である。ちなみに、「UDON」でユースケ・サンタマリアの父親の役をやっている木場勝己さんは、かつて私がたびたび行っていた新宿のスナックで歌を歌っていた。映画の最後の方で、小学生たちがうどんを美味しそうに食べているのを見て(実は幽霊だが)微笑むときの何とも言えない笑顔は、昔のままだった。「フィールド・オブ・ドリームズ」のラストで、ケビン・コスナーが父親(これも幽霊)に「パパ、キャッチボールしない?」と呼びかけ、父親が「いいね」と言ってキャッチボールをするシーンとだぶるものがあった。

 そういえば、何年も前のことだが、20代半ばで死んだ 中学・高校の同級生が、夢に出てきたことがあった。生きていたときは喧嘩友達のようなもので、殴り合いまではしなかったものの、「この野郎」と思ったことが何度もあったのだが、夢に出たときは無性に懐かしかった。夢の中でも死んでいることは意識していたのだが、「幽霊でもいいから会って語り合いたい」と思った。
 彼は私と同じ鉄道マニアで、あるとき一緒に帰宅する途中、次に来る電車の形式を当てようということでホットドッグを掛けた。彼の方が当たったのだが、面白半分で何年も逃げ回っていた(別にホットドッグが買えないという程の経済情態ではなかったのだが)。やがて高校を卒業しておごる機会を逸し、「どこかでおごらないといけないな」と思っているうちに彼は死んでしまった。まあ、映画に比べればあまり絵になる話ではないが、そのうちふと彼が現れて「もう40年近く経ったんだから、いい加減おごれよ」と言いそうな気がしている。

 「それを買えば、彼はやってくる」のだろうか。

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