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2006年10月 5日

歴史認識

 訪中・訪韓にあたって、安倍総理は従来の政権の歴史認識を基本的には踏襲するとのこと。
 実際にどういうやりとりになるかは終わってみないと分からないが、やはり、壁は厚いと思わざるを得ない。おそらく、中韓も日本との関係改善を求めており、「一言『悪い事をした』と言ってくれれば、後は言いませんから」とでも外交当局者が伝えているのだろう。特に中国はここで関係改善できなければ胡錦濤政権の今後にすら悪影響を及ぼすという認識があるのではないか。
 しかし、韓国の場合、来年12月には次の大統領が選ばれ、再来年2月に就任してしまう。韓国の政治はそこでリセットされるから、盧武鉉と「未来」は語れない。
 外交が書生論でいかないことは分かる。しかし、歴史認識の問題は、誰か(それも民間人ではなく、政府の責任ある立場の人)が轟々たる非難の中で、地位を失うことを覚悟してやらなければ将来へも禍根を残す。そして、中韓両国自体の歴史認識にも(両者に若干の性格の違いはあるが)ひずみをもたらすのである。東京裁判史観を日本が公式に認めている限りは、韓国の保守派が脱皮することもできないし、中国共産党の支配も正当化され続ける。
 個々人の意見の違いはあっていいし、逆に一つの歴史認識しか語れなくなったらおしまいだろうが、政府としての基盤はしっかりさせておくべきである。あるいは安倍さんなら、と思ったが、やはり難しいということなら、私たちもそれなりの覚悟をして臨まなければならないのではないか。

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