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2006年11月 6日

しおかぜについての見解

前にも同様のものを流していますが、本日の記者会見であらためて以下の見解を発表しました。少なくとも言えることは、今回の動きは、「政治のレベルで積極的に拉致問題をやろうとしているのに官僚やNHKが抵抗している」というものではなく、現場を分からない人たちのリップサービスのために、かえって話がややこしくなっているというのが本質です。その点をご理解いただきたいと思います。

          「しおかぜ」への政府の対応について

 去る10月11日の総務大臣国会答弁以来、北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」への政府の支援の話がたびたび報道されている。それ自体は大変ありがたいことだし、実際拉致対策本部の調整室や総務省、NHKなどの現場が真摯に対応して下さっていることに感謝したい。
 しかし、一方で現在に至るまで、「しおかぜ」を運営しているわたしたち調査会に対して具体的に「このような形で対応できる」との話はなく、逆に「命令放送」という言葉だけが一人歩きし、誤解と混乱がみられる。この際私たちの認識を明らかにしておきたい。

 現在、「しおかぜ」に対する政府の支援として言われているのは①NHK国際放送の「命令放送」の利用、②茨城にあるKDDIの送信施設の利用、の二つである。

 まず、①については、物理的に不可能だと考える。現在の「命令放送」は「○○の問題について重点的に放送して欲しい」と、政府からNHKに対し口頭で伝えるだけのものであり、一般の放送の中に渾然一体となっている。番組の中に拉致問題の取り扱いを増やすかどうかは別次元の問題であり、少なくともこれを利用して「しおかぜ」の内容を流すのは不可能であると考える。なお、NHK国際放送ではこれまでも「しおかぜ」について番組の中で何度か取り上げていただいている。
 ②については、現在総務省からの回答を待っているところである。しかし、施設利用が可能になったとしても、手続きに相当の時間がかかることが予想され、作成したプログラムを送る方法などの技術的な問題、資金的保証の問題等、クリアしなければならない問題は少なくない。

 以上のような現状からして、わたしたちが希望するのは以下の通りである。

1、現在の英国VT社経由の送信に関わる費用の負担
2、前記②が可能であれば、手続き、技術面、資金面での具体的かつ早急な対応

 なお、現在のNHK国際放送については内容はそのままでも送信時間や周波数などの工夫(例えば中波でのNHK第二放送の活用)により、北朝鮮にいる日本人拉致被害者のみならず、在日朝鮮人帰国者及びその日本人家族などにきわめて有益な放送が可能である。これについては調査会として専門家などと議論の上、再度提言を行いたいと考えている。

    平成18年11月 6日
                                                    特定失踪者問題調査会代表 荒木和博

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