拉致認定
以下は11月16日付の調査会NEWS 435号に書いたものです
■松本京子さん拉致認定の件
荒木和博
昨日夕方、いっとき「漆間警察庁長官が官邸で記者の質問に答えて松本京子さんの拉致認定をした」との情報が流れました。しばらく情報が錯綜し混乱しましたが、長官は「今週中の認定手続きはない」という趣旨のことを言ったようです。官邸には未確認ながら松本さんについて警察としての意志を固めたことを伝えに行ったと言われています。様々な情報からすると認定は来週週明け早々に行われるようです。
それにしても、先週金曜日に「松本さんを拉致認定の方向」との報道が流れてからまもなく1週間になります。こちらとしては「後がつかえているんだから、早いところやってくれ」というのが正直なところです。松本さんの事件を発掘した地元米子の妹原仁・調査会常務理事は「子供の出生を待っているような、そんな感じが長く続いている」と表現していますが、松本さんの件は4年前のクアラルンプールでの日朝協議でも出ているのであり、とっくに拉致間違いなしと認識されていたケースです。今更もったいぶっても仕方ないでしょう。
政府の方では色々な手続きがあるというのでしょうが、認定というのは、あくまで日本政府がどう考えるかであって、認定しようとしまいと拉致被害者は被害者ですし、認定したから拉致被害者が帰ってくるというものではありません。こんなにもったいつけられると、私たちも報道関係の皆さんも、もちろん一般の皆さんも、逆に認定というのがいかに大変なことで、それが大きな山であるかのように感じてしまいます。
必要なことは救出であって、認定はそのためのステップの一つでしかありません。私たちは何が本当に大事なのか、しっかり見極める必要があるのではないでしょうか。もし、松本京子さんのことだけに見せかけておいて、実は50人位まとめて拉致認定する準備をしているというのであれば話は別ですが。
ともかく、後がつかえています。1週間に1人ずつ認定できたとしても、拉致被害者が仮にあと100人とすれば全部認定するのに2年、200人なら4年もかかるのです。9.17以降これまでの2年に1人のペースだと400年です。やり方を変えるか別のやり方を並行させるかしないと大部分の人は見捨てられ、北朝鮮で亡くなってしまいます。本質をもう一度見つめ直し、早く次のステップに進みましょう。
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