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2007年2月17日

佐々江団長からの報告

以下は調査会NEWS 472(19.2.16)に書いたものです。

 本日午前、6者協議に参加した日本代表団の佐々江団長(外務省アジア大洋州局長)らからの報告がありました。家族会、救う会の代表とともに調査会から私と真鍋専務理事が参加しました。

 内容については報道等もされていますし、救う会のメールニュースにも出ていますので、ここでは印象だけ述べておきます。結論から言えば昨日発表した内容の決断は間違っていないと確信しました。

 もっとも、私はこの席で議論をふっかけたわけではありません。この席は基本的に家族会に報告をし、意見を聞く席であり、私たちの立場は政府の報告を特定失踪者の家族に伝えることにあるからです。私は佐々江局長にただ一言、現場でのご苦労に文句を言うつもりはないが、皆さんとは別の次元での判断については納得できないと伝えました。その上で、配られた文書に「『懸案事項』には、拉致も含まれる」と書いてあるが、北朝鮮は本当にこう認識しているのかと質しました。佐々江局長はそうであると答えましたが、どういう場でどう認識しているのかについては語りませんでした。

 ベルリンでの米朝の協議、そして今回の6者協議、金桂冠の顔を見ていれば、北朝鮮が追い詰められてあの合意に至ったのではないことは明らかでしょう。もちろん、北朝鮮の中もがたがたですから、向こうが今後ヘマをすることは考えられますし、そう追い込んでいかなければなりませんが、少なくとも今回の合意、そしてそれに日本が加わったことは失敗であるとの認識だけは持つべきだと思います。その上で次の対応を考えないと、とんでもない過ちを犯すことになるでしょう。戦略の過ちは戦術で補うことはできません。

 どのみち6者協議というのは、北朝鮮を追い詰めるための環境作りの意味しかありません。米国も中国も核保有国であり、北朝鮮の核は痛くも痒くもない、他国に渡るのが怖いだけです。それさえできない約束があれば、面倒なことをするより核を認め、金正日体制を認めてしまった方がはるかに楽です。

 6者で外堀を埋めておいて、日本の手で金正日体制を一気に攻め落とす(別に武力は使わないにしても)やり方でいかなければ、核も拉致も解決しません。そして、それは官僚のやる範囲ではなく、政治の決断が何より必要です。総理にはその点をあらためて理解していただきたいと思います。

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