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2007年6月28日

慰安婦決議

 このニュースを聞いて、「もう絶対に引き下がってはいけない」と思った。

 1980年代、韓国で教科書騒ぎが起きたとき、私たち朝鮮屋の多くは「韓国も今急速に高度成長をしているし、アジア大会やオリンピックも開くのだから、余裕が出来れば反日も収まるだろう」と思った。しかし、韓国の反日は(本当に運動として動いている人間は僅かなのだが)ますます先鋭化した。

 日中国交正常化の頃、中国の人一般の対日感情は悪くなかった。もちろん対ソ防衛を意識した中国共産党の意向もあったろうが、当時は日支事変の経験者がまだ多かった時代である。もし日本が本当にひどいことをしたなら、当時の方が反日感情が強くてしかるべきだろう。しかし、それよりも、特に江沢民が国家主席・党総書記になってからの教育宣伝の影響で反日感情は増幅されている。

 今回の決議は、確かに政府の言うように単なる決議であり、拘束力がある訳ではない。しかし、放置しておけばそれを利用しようとする輩が世界中から出てくることを覚悟しなければならない。北朝鮮などはおそらく、これをもって「拉致などよりはるかに大きな問題だ」と、世界中にアピールしようとするだろう。米国政府も、対北宥和政策を続けようとするなら、日本が拉致問題でがんばっていることが邪魔になるはずだから(すでにそうなっているが)、この問題を持ち出してブレーキをかけようとするだろう。少しでも日本側が事実関係を明らかにしようとすれば「それでは米国民の世論の支持が得られない」と。

 しかし、ここで頭を低くして風が収まるのを待っていれば、そのツケは次の世代に回っていくのである。
 そして私たちの先輩は、全く覚えのない大虐殺だ、性奴隷だと、悪人にされ、逆に原爆や無差別爆撃で死んでいった人たちはまったく顧みることもされなくなるだろう。いや、やがて「日本はあんなにひどいことをしたのだから原爆を落とされたり、無差別爆撃されて当然だ」といわれるに違いない(今でも中国などではそう言っているようだが)。

 この問題は先人と、次の世代の名誉をかけた戦いである。今生きている私たちの世代はそのつなぎの役割をしているに過ぎない。自分たちが大過なく過ごすために、今声を挙げることのできない人々のために、絶対に後退してはならない。

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