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2007年8月30日

国際会議

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 「北朝鮮難民と人権問題に関する国際議員連盟」の会合がソウルであり、NGO代表の一人として参加しました。国会議員は日本からは民主党の6人が参加しました。自民党は参加者がいませんでしたが、これは内閣改造があり、またこの議連に一番熱心だった小林温参議院議員が今回の参院選の選挙違反(正直なところ、本人にはほとんど責任はないと思うのですが)問題などもあったためと思われます。これまでは両党とも参加していましたので、次は自民党からも出てもらいたいと思います。
 写真は北朝鮮難民救援基金の加藤博事務局長がスピーチしているところです。一番右は中井洽衆議院議員、その左は議員連盟の共同議長でもある中川正春衆議院議員。日本のNGOは難民救援基金の他守る会、家族会、救う会と調査会が参加。
 会議の報告は救う会神奈川の川添会長か誰かがしてくれると思いますが、会議では「韓国政府に問題がある」という意見が多く、10月に延期された南北頂上会談についても、「北朝鮮の人権問題を取り上げるように」との発言があちこちからなされました。
 ちなみに私も一言スピーチしましたが、私は「盧大統領は頂上会談をやるなら北朝鮮の人権問題で前進があるまでソウルに帰ってくるべきではない。いっそ金正日から国防委員長の椅子を奪って北朝鮮の民主化をやったらどうか」と発言しました。
 この後は発言の中にはありませんが、盧武鉉大統領が韓国からいなくなれば韓国の国民は喜び、金正日がいるよりは盧武鉉が指導者になった方が北朝鮮の人は喜ぶでしょうから、一石二鳥だと思うのですが。

 それにしても発言では北朝鮮の体制論に言及したのは日本からの参加者がほとんどでした。韓国の議員は共同議長の黄ウヨ議員や総会の全体をカバーした宋ヨンソン議員など、極めてしっかりした人たちなのですが、体制論に言及できないのは韓国が抱えた根本的な問題でもあると思いました。

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2007年8月28日

ソウルにて

 ソウルで内閣改造のニュースを見ました。まあ、人事というのはどうやったところで文句を言われるのだから、後は総理がやりたいようにやればいいと思います。ただし、安倍総理が総理になっていくにあたっては、拉致問題をはじめとする安全保障上の問題など、各種の国家基本問題に取り組むという期待があったからなのだから、それを一気に進めてもらうことが安倍政権の業績を高めるには極めて重要だということでしょう。

 ところで、 こちら韓国では先日の野党ハンナラ党の大統領選挙候補選で元ソウル市長の李明博氏が選出されました。投票直前まで両陣営が個人攻撃を繰り返していたため、後遺症も少なくないようですが朴氏が結果を受け入れたことで、総体的には収束していくと思います。そうなればハンナラ党は圧倒的に有利です。

 与党・左翼陣営は分裂状態で、今のままでは候補者もまともに決まりそうにありません。ただ、彼らと北朝鮮は李明博当選を阻止するためにあらゆる手を使うでしょう。その一つは韓国の憲法を超越して南北の合意をし、連邦制に進めて後戻りできなくするという、一種の革命です。また、李氏の金銭スキャンダルが出るとも言われており、5年前も当初は盧氏が当選するとは誰も思っていなかったのですから、ひょっとしたらこの大統領選挙までの3ヶ月余は、今後の韓国の運命を左右する分岐点なのかも知れません。

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2007年8月21日

音声鑑定

本日(8月21日)、調査会の定例記者会見で発表した内容です。ともかく政府には一刻も早い対応を望みます。

 慎範アナウンサーと矢倉富康さんの音声鑑定について
                                                特定失踪者問題調査会

 調査会では特定失踪者矢倉富康さんのご家族と朝鮮中央放送委員会・慎範アナウンサーの音声について、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員である村岡輝雄・工学博士に鑑定を依頼した。

 村岡博士は慎範アナウンサー、矢倉さんのお父さん、比較のため他の2名(日本人)のサンプルをとって「線形予測分析」という手法で分析を行った。この手法は村岡先生によれば「人の発音器官のモデルがあり、それに当てはめて係数を決める分析法。その分析した結果の残りの成分が人の声帯の成分に近いものが出る」とのこと。簡単に言えば、収録した音声にフィルターをかけていって言葉になる前の声帯から出た音を作りだすということである。この声帯から出る音には遺伝があるとのことで、似ていれば親族関係が推定しうるということになる。

 分析の結果は矢倉さんのお父さんと慎範アナウンサーの声には「共通のかん高い部分があり、似ている」ということであった。

 より詳しい分析をする場合にはこの声帯から出た音に声紋分析をかけるなどするということで、今後、お父さんの声など男性親族の声をより正確に録音し、部分部分を抜き出して詳細に分析を行っていただく予定であり、その場合には文書のレポートも作成される予定だが、村岡博士は「それよりも耳で聞いた質的なものが重要だと判断した」とのこと。

 すでに慎範アナウンサーの写真については、法人類学の権威である橋本正次・東京歯大教授が「同一人と考えてさしつかえない」との鑑定結果を出しており、今回の音声鑑定の結果もそれを否定するものではなかったことは重要な意味を持つと思われる。

 以上の前提で、本件についての政府の対応には疑義を呈さざるをえない。

 まず、情報の出方についていくつかの疑問がある。本件情報は写真の日付の3月15日以降、複数箇所に向けて提供されている。その一つは明らかに首相官邸である。しかし、その一方で、この問題についての情報は現在も政府の対策本部事務局ベースにはほとんど入っていないと思われる。また、私たちは7月31日に内閣府で安倍晋三・拉致問題対策本部長宛の要請文書を手交しているが、本日時点でそれに対する返答はない。

 さらに漆間巌・前警察庁長官は16日の退任記者会見で「当該人物を拉致された人物と認定する材料を持っていない。詳細は申し上げられないが、多少、間違いがあるだろうと思っている」と発言しているが、国民の生命にかかわることについて、かくも他人事のような発言をするのはどういうことか。在任中本気で拉致問題に取り組んでいたのか、疑義を持たざるを得ない。この情報が違うなら違うで納得のできる説明をすべきではないか。

 そして、なにより対策本部長である安倍総理自身がこの問題について明確な意思表示をすべきである。藤田進さん(埼玉)、加瀬テル子さんと推定される写真が出たときも外務省は北朝鮮に照会している。今回はその人物が北朝鮮にいることが分かっているのに何の動きもない(少なくとも見えてはいない)。一刻も早く国民の目に見える対応をしていただくよう、切にお願いするとともに、先に提出した要請書への一刻も早い回答をしていただくよう、この場をお借りして求める次第である。

                      以上

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2007年8月20日

8月15日の靖国参拝

 いつの間にか8月15日が過ぎた。

 今年は都合で14日に参拝した。人も多くなかったのでかえって落ち着いて参拝できた。折角なので三種(開襟シャツの陸自の制服)に略帽(制式の帽子ではなく、部隊名などの入った野球帽のようなもの)姿で行った。

 自分自身は意地になって15日に行くというのはあまり好きではないのだが、「8月15日参拝」がひとつの政治問題になってしまえば、公的な立場の人がするというのは当然である。特に総理大臣の場合はなおさらだ。それは個々人の信仰とか、慰霊の問題とは別次元のことである。本来なら春秋の例大祭の方が重要なのだろうが、「終戦記念日の参拝」というのが政治問題化している以上、総理が意志を示さないというのは本来許されるべきではない。クリスチャンであった大平正芳元総理も靖国神社は参拝した。おそらく個人としては抵抗があったろうが、内閣総理大臣としてそうするのが当然だと考えたからであろう。いわんや安倍総理においておや、である。

 安倍さんを支持した人、期待した人(私もその1人だが)は、こういうときに総理大臣として参拝をしてもらいたかったはずだ。不思議なことに保守系の人たちの中でもあまり大きな不満の声は聞こえていないが、次第に「安倍政権が成立して以後、この1年間は何だったのだ」という失望が高まってくるだろう。もし、私たちがとんでもない思い違いをしていたのだとすれば、1年間の空白はこれから大きなツケとして私たちにかえってくることになるはずだ。そうならないことを祈らずにはおられないが、危険回避のための準備は必要なのではないか。

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2007年8月14日

安倍「逆」効果

 最近切実に感じているのですが、安倍政権ができてから、拉致問題に関してかえって逆効果になった部分があるのではないでしょうか。

 「拉致を一所懸命やってきた安倍さんが総理になり、就任早々対策本部を立ち上げて自ら本部長になったのだから一気に解決に向かうだろう」という安心感、期待感が少なくとも当初はありました。

 その結果どうなったかというと、「安倍さんに任せておけば大丈夫だ」という安心感が民間の関心の低下につながり、運動自体の盛り上がりに欠けるようになってきてしまいました。最近、全国で活動している皆さんから、「集会の動員、署名やカンパが集まりにくくなった」との話を聞きます。お恥ずかしい話ですが先日調査会の財政状況についてSOSを出したのも、自らの不徳を棚に上げて言えばこのような状況がある程度影響していると思います。もちろん数の問題ではないのですが、関心を計る上で一定のバロメーターにはなっているでしょう。

 選挙の最終盤になって、宣伝カーのウグイス嬢が「あと一歩、あと少しです」というのは、聞いた方が「そうか。それなら俺もあいつに入れれば票が生きるな」と思わせるためです。「もう当選確実です」と言われたら、投票する気はなくなるでしょう。これと同じような心理状態になっているのではないかと懸念しています。

 全国で一所懸命に活動してくださっている方々には、「こういうときこそ運動に関わっている者がふんばるときです。がんばりましょう」と言っているのですが、私たちも新たな情報を出して、一般に知らしめ事態を進展させるようにしていかなければならないと思っています。21日には調査会の定例記者会見がありますが、今日産経と読売に出た矢倉さんの件など、何とか前に進めていくつもりです。

 この10年間、拉致問題を前進させてきたのは国民の皆さんの声、拉致を許さないという思いです。政府が先頭に立ってやってきたわけではなく、その国民の声があったから、政府の中で意志ある人たちが動けるようになったのです。その点は安倍総理も同様であり、「初めに安倍ありき」ではなく、激励し、叱咤し、ときには批判をしていくことが、結果的に拉致問題を進展させることになるのだと思います。安倍さんが本当に拉致問題を解決しようと決意しているなら、運動をする側は建設的な緊張関係を持ってこそ本当の意味の支援になるはずです。

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2007年8月 9日

安倍政権千載一遇のチャンス

 外野席からの極めて無責任な意見だが、参院選に負けて、党内から批判が噴出している今こそ、安倍総理にとっては千載一遇のチャンスではないか。政権発足時のような総主流派体制で、誰が本当の見方で誰が本当の敵か分からないような状態が払拭され、誰がどう考えているかが極めて判別しやすくなっているからである。ここで安倍総理が一気に自分のカラーを打ち出して行けば、1年前よりはるかにやりたいことができるはずだ。

 自民党内で安倍総理に批判的な発言をしている人たちも、「それでは私が代わりに」というほど根性が座っているわけではない。小沢代表からお席のかかるのを待っているのかも知れないが、どのみち戦意には欠けているのだから、ここは喧嘩をする気がある方の勝ちである。しかも今の総理は戦前戦後を通じ、憲政史上最大の権力を持っているのである。

 問題は、その安倍総理自身が戦わなかった場合である。河野談話の否定とか、非核三原則の見直しとか、靖国神社の参拝とか、国民が安倍さんに期待したことをやらなければ(当然それはさらに敵を作り、左翼マスコミからも集中砲火を浴びるだろうが)、未来はないと思う。

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2007年8月 8日

海外記者を招聘?

※以下は調査会ニュース542号(8月8日付)に書いたものです。

 今朝NHKのニュースを見ていたら、拉致対策本部が海外のジャーナリストを呼んで家族と会ってもらい、拉致問題に関する国際的圧力を高めようとしているとの報道がなされていました。思わず頭を抱えてしまいました。

 何で日本の中枢にいる高級官僚が集まってそういう程度の低いアイデアしか出せないのでしょうか。政府の短波放送「ふるさとの風」の内容もそうなのですが、もう少しましな金の使い方をしてもらいたいものです。

 アゴ足付きで外国のジャーナリストにものを書かせるのでは、昔北朝鮮がやっていたことと変わらないのであって、かえって誤解を生むことにもなりかねません。しかも、連れてきて家族に会わせる
というのは、結局自分たちが仲介役をするというだけのことです。そんなことは旅行代理店がやればいい。政府がしなければならないことは何なのか、もう少しまじめに考えてくれないものでしょうか。これでは予算消化のために差し障りのないことだけやっていると言われても仕方ないでしょう。

 自民党が参院選で大敗した中で、中山恭子補佐官が高位で通ったというのは、どういう意味があるのか。国民は拉致問題の解決を望んでいるということであり、それは外国に言いつけるような姑息なやり方ではなく(少なくともそれは補完的な活動であるべきです)、正面から取り返す努力をしなければなりません。アゴ足付きで外国の記者を呼ぶなら北朝鮮に対して朝鮮中央放送委員会の慎範アナウンサーを招請してもらいたいと思います。

 このニュースを書いているときに28日から30日まで南北頂上会談開催とのニュースが入ってきました。それまで金正日が無事かどうか分かりませんが、これで盧武鉉大統領及び韓国内の親北勢力は一気に流れを作り大統領選挙に親北候補を当選させようとするでしょう。憲法を停止して連邦制などということもぶちあげるかもしれません。様々な要素が同時に動いているので、そう簡単にいくとは思えませんが、我が国にとって、拉致被害者を取り返すことはもちろん、核問題の解決にも長期的な安全保障にとっても勝負所です。ここは政治の判断が必要であり、勝ち馬に乗るということだけで安倍総理を支持した勢力が離反している今こそ、安倍さんにとってはチャンスのはずです。そのチャンスを活かせるかどうかは決断と覚悟にかかっているはすですし、その決断と覚悟が浸透すれば、今日のニュースのような頓珍漢な行動にはつながらないと思います。

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2007年8月 4日

100式鉄道牽引車

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写真は陸軍100式鉄道牽引車。レールの上も、道路も走れるトラックです。大戦中外地で活躍したものですが、これが現存する唯一の実物だそうです。朝霞駐屯地にある陸自輸送学校の前に展示してあります。輸送学校は奥の方にあるので普通の人は許可を得ない限り見られません。これは朝霞での訓練の合間に写したもの。
 昔の陸軍には鉄道聯隊というのがあり、現在の新京成電鉄は同聯隊の演習線の名残です(そのため、平らなところを走る割には線路が変に曲がりくねっています)。最近は輸送手段が増えたため、役割が低下しましたが、昔は鉄道と戦争は切っても切れないものでした。
 本当はこういう貴重な遺産は一般の人が見られる広報センターに置いておくのがいいのでしょうが、残念ながら旧軍と自衛隊はかなり意図的にその歴史を断絶させられています。広報センターにも旧軍のものはおろか、年表も昭和25年から始まっています。やがてはどうにかした方がいいのでしょうが、とりあえず臨時雇いではあっても一応軍人のはしくれとして「建軍以来136年の歴史」をしっかりと認識していきたいと思っています。

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2007年8月 2日

単位

 大学で講義の第1日目に必ず学生に言っていることがある。「単位の計算間違いがないか確認しておけ」ということである。
 実はこれは「経験者は語る」であって、私自身が大学4年の卒業直前になって計算間違いに気づき、おかげて卒業が2か月遅れたことによる。私は4年生の秋、9月末から12月末までソウルの延世大学間国語学堂に韓国語の勉強に行っていたが、向こうで会う人ごとに「4年生の在学中に3か月も外国に行っていて大丈夫なんですか」と聞かれた。「いやあ、卒業できればいいんですけどねえ」と言っていたのだが、帰国してみて気づいたら2単位足りなかったのである。
 自分の苦手だった「政治理論」の分野なので、何となく「取ったことにしておこう」と思いこんでいたのかも知れない。いずれにしても卒業発表にはしっかり自分の学籍番号のところが抜けており、追試で5月31日付(だったと思う)の卒業とあいなった。
 まあ、こういうマヌケな学生はそうはいないと思いますが、お近くに大学生がいたら注意してあげてください。今でもときどき単位が足りないことに気づいて慌てる夢を見ることがあるので、結構トラウマになっているのかも知れません。

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