要請文
だいぶ更新が滞っていました。以下は先日の「しおかぜの集い」で採択された要請文です。これはセレモニー的に採択するのではなく、この要請文自体を武器にしようというものです。
特に、3項目目を見ていただければわかりますが、政府の方針は「北朝鮮自身が拉致問題の解決に向けて具体的な行動を取るよう求めていく」というものであって、主体的に奪還しようというものではありません。これは意外に盲点だったのではないでしょうか。小泉さんにせよ安倍さんにせよ福田さんにせよ、総理が「拉致問題を解決する」と言ったときには、当然「とりかえす」ということだと国民は思っているはずです。その方法には様々な違いもあるでしょうが、「返してもらう」ということだと認識している人はあまりいないと思います。
これについては絶対に変えさせなければなりません。ある意味、日本の戦後体制が集約されているとも言える政府のこの姿勢が変えられなければ、拉致被害者の救出は実現しないと思います。各位のご協力をお願いします。
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(要請文書)
内閣総理大臣・拉致問題対策本部長 福田康夫様
内閣官房長官・拉致問題担当大臣 町村信孝様
拝啓
平素多忙な国事の中で拉致問題に対するご尽力に心より敬意を表します。
さて、去る10月31日お届けした総理宛要請文書に対し、11月28日対策本部事務局名の回答
をいただきました。お忙しい中回答をまとめてくださったことには感謝しているものの、そ
の内容については到底納得できるものではありません。私たちは本日東京と大阪の集会の参
加者、そして同じ思いを持ってインターネットの中継を見ている全世界の人々の総意として、
あらためて次の3点について要請する次第です。どうか格段のご配慮をお願い申し上げます。
1、事務局ではなく、総理・担当大臣が直接特定失踪者の家族に会い、決意を述べてください。
回答書では「拉致問題に関する政府へのご要望につきましては、基本的には、内閣官房拉
致問題対策本部事務局を窓口としてお受け取りすることとしており、今回のご要望につき
ましても、同様に対応させて頂きます」となっています。しかし、特定失踪者の家族は常
に「取り残されるのではないか」という危機感にさいなまれており、文字通り「事務的」
な回答で納得できるものではありません。家族会への対応も10年前は今の特定失踪者の家
族と同じでした。しかし、それが変わっていったのは政治が動いたからです。あらためて、
総理・担当大臣が家族に会い、「認定未認定にかかわらず北朝鮮からすべての拉致被害者
を取り返す」との決意を明らかにしていただきたくお願いします。
2、果断に情報を公開してください。
11月28日の回答文には「具体的な手段・方法等を明らかにすることは、今後の情報収集活
動等を困難にするおそれがあることなどから、お答えを差し控えさせていただきます」と
書かれています。しかし本当にそうでしょうか。少しでも多くの情報を明らかにすること
が新たな情報をもたらし、拉致問題の解決につながるのではないでしょうか。政府が拉致
の可能性の高いと思われる、少なくとも数十人のリストを持っていることは10年近く前か
ら知られています。情報の隠蔽が、やがてとてつもない責任問題となることは最近の役所
をめぐる不祥事からも明らかです。現在失われつつある国民の政府への信頼を再び取り戻
すためにも、明確な対応をしていただきますようお願い申し上げます。
3、北朝鮮に拉致問題の解決を求めるのではなく、日本政府が奪還してください。
回答書には「政府は、すべての拉致被害者の一刻も早い帰国を実現すべく最大限努力をし
ています。10月3日の六者会合成果文書においても、日朝双方が精力的な協議を通じて具
体的行動を実施していくことが確認されたところであり、政府としては、北朝鮮自身が拉
致問題の解決に向けて具体的な行動を取るよう求めていく考えです」と書かれています。
しかし、「北朝鮮自身が拉致問題の解決に向けて具体的な行動を取る」などと思っている
人はほとんどいません。この認識を変えることなく「政府は、すべての拉致被害者の一刻
も早い帰国を実現すべく最大限努力をしています」と言い続けるのであれば、それは国民
に対する許しがたい背信であると言わざるをえません。総理・担当大臣の口から「日本国
政府の力をもって、独裁国家北朝鮮から国民を救い出す」と明言していただきたくお願い
申し上げます。
敬具
平成19年12月16日
しおかぜの集い実行委員長 大澤昭一
同大阪集会実行委員長 秋田正一郎
特定失踪者問題調査会代表 荒木和博
特定失踪者家族支援委員会委員長 真鍋貞樹
東京集会・大阪集会参加者一同
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