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2008年4月24日

小銃

 予備自衛官は年間5日の訓練参加が義務づけられています。私たち語学や衛生などの技能予備の場合は独自の訓練もありますが、射撃はかならずやります。医官や薬剤官の場合は将校ですからピストルですが、私たち下士官は小銃の射撃で、普段使うのは64式という古い型のもの。この銃は精巧にできていて、下手でもよく当たるのですが、最大の欠点は精巧すぎて壊れやすいということ。つまり狙撃銃としては有効でも突撃銃には使えないということです。突撃銃で使うのは旧ソ連のAK47が非常に使いやすいと聞いたことがありますが、多少制度が悪くても頑丈で、乱暴に使ってもともかく前に弾が飛べば良いということが要求されます。

 今順次64式からの置き換えが進んでいる新式の89式小銃は大分改良されて軽くなり使いやすくなっているようですが、私たちはまだ訓練のとき「こういうのがあります」とさわらせてもらうか、市街戦訓練(といっても初歩の初歩ですが)のとき持たせてもらう程度です(このあたりの状況は他の方面隊ではそれぞれ違うと思いますが)。

 しかし、いずれにしても小銃から大砲、ミサイルまで、軍隊の使う武器というのは敵を制圧するために使うもので、もちろん軍隊は敵と戦って勝つのが目的です。当たり前の話です。敵が攻めてきたときに見守っているために軍隊を(もちろん自衛隊も含め)持っているわけではなく、また、警察のように法律の適用される地域でその法秩序を守るために使うものでもありません(治安出動のときは別ですが)。

 憲法のない国でも軍隊はあり、軍隊はないけれど憲法があるという国は寡聞にして知りません。また、それが自由主義国家であれ共産主義国家であれ、軍人は国家のために命を捧げるから尊敬されるのであり、それ故他国の軍人も敬意をもって遇されるのだと思います。したがって、これは憲法云々で決められるものではなく、それ以前の常識、大森勝久さんの言葉を借りれば「法」ということだと思います。もしそれが憲法判断で9条に違反するとかいうことになるなら、それは今の憲法が間違っているだけのことで、解釈を変えるか条文を変えれば良いだけの話です。

 逆に言えば、左翼の皆さんが「9条を守ろう」と言ってくれればくれるほど、その現実との乖離は明確になり、世論は「それなら変えればいいじゃないか」となるでしょう。保守系の皆さんもそろそろ「憲法を変えなければ何もできない」という呪縛を解く努力をすべきだと思います。

 今年は5月3日に愛媛の日本会議の憲法講演会でお話しします。もともと法律は専門外ですし、憲法のことでお話しするのは初めてですが、憲法記念日を機会にこのあたりのことをもう一度整理してみたいと思っています。

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