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2008年4月 2日

エイプリルフール

もう1日過ぎてしまいましたが昨日4月1日付「調査会NEWS」 614号に書いたものです。
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 質問「我が国の国民が拉致されて救出を待っているときに、我が国の政府が自分でできる、主体的にできるということを、いつまでに、どのように、何をするのか、具体的にお答えいただきたい」

答弁 「先方も政府で、彼らのこの領土の中においてはあらゆる人に対する権限を持っておりますので、これは我々が説得をして、そして彼らがついに、実は生きておりました、全員返しますと言うまで粘り強く交渉をすることが我々の今の方針でございます」

 細田官房長官(当時)はこのように答えました。要は拉致されたらあとは煮て食おうと焼いて食おうと北朝鮮の勝手という話ですーーーーーー。

 というのはエイプリルフールの冗談で、本当は官房長官は

 「拉致は重大な主権侵害でありますから、断固として国民を取り返すのが政府の使命であります。そのために政府としては拉致被害者の所在確認、救出のためあらゆる手段をもって取り組んでおり、絶対に実現することをお約束申し上げます。これは単に日本人拉致被害者を取り返すだけでなく、世界でも最も人権の蹂躙されている地域である北朝鮮において、そこに住む人々により人間らしい生活が営めるようにするためにも寄与するものであると考えます。政府としてはアジアにおける主導的国家として、国家主権及び普遍的人権を守るために努力をして参る所存です」

 と答えました。と、言いたいところですが、前に上げたのが事実で、平成17年6月、参議院内閣委員会における本当の答弁です。後の方がエイプリルフールの作り話です。

 ついでに言えば、質問をしているのは民主党の森ゆうこ参議院議員なのですが、森議員及び民主党も、この答弁をその後問題にするわけではありませんでした。政府の姿勢はこの後安倍政権になり、今は福田政権ですが、基本的には変わっていません。

 今、国会はガソリン税暫定税率の問題で延々と時間を浪費(としか思えない)していますが、ものには優先順位があるのではないでしょうか。拉致でなくても、例えばチベットでは多数のチベット人が虐殺されており、それをしている中国政府に多額の経済支援をしてきたのは我が国なのです。民主党も問題にするならそちらをすべきではないでしょうか。

 見ていると、1年のうち364日(今年は閏年だから365日)がエイプリルフールのようにすら見えてきます。それならせめて今日一日でも真面目な議論をしてもらいたいのですが。多くのまともな国会議員は与野党を含め、このままで良いとは誰も思っていないのですから。

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