蓮池透氏の発言について
※以下は昨日(4月15日)発信した調査会NEWS 618号に書いたものです。
日本テレビの衛星放送「日テレNEWS24」に13日、蓮池薫さんの兄である蓮池透さんが出演して「環境が整えば北朝鮮に行って拉致問題の真相を問いただしたい」と語りました。
透さんの発言を要約すれば、拉致問題は膠着状態にある。制裁は効いていない。制裁を続けるだけでは事態が打開できないので、北朝鮮の動きに応じて解除するなどして話し合いをするべきではないかといったようなことでしょうか。
「制裁を続けるだけでは進展しない」という点に限っては私も意見は同じです。私も可能であれば北朝鮮に乗り込みたいと思いますし、電波だろうがビラだろうがファックスだろうが、北朝鮮の中に手を突っ込めることはなんでもすべきと思います。塹壕に入っているだけでは負けることはなくても勝つことはできません。その点、私の意見は家族会や救う会の方針とは多少異なるかも知れません。
ただ、違うのは、「制裁を続けるだけでは進展しない」ので、「制裁以外のこともやる」か、「制裁をやめる」かの違いでしょう。蓮池さんは「制裁は効いていない。かえって末端が困っている」と言っていましたが、何か根拠があるのでしょうか。かえって、蓮池薫さんの兄がテレビで「制裁に効果はない。やめるべきだ」と言ったということは、北朝鮮への制裁が効果を上げていることの証拠だと思うのですが。
「労働新聞」などでも日本への攻撃の中でたびたび「経済制裁」の話が出てきます。総聯の国会前座り込みや申し入れなどもありました。20年前ならともかく、もはや実組織人員は5万人を切ったとも言われる朝鮮総聯にとって、工作活動ならともかく、日本の世論に逆らって大衆運動をやるのは楽なことではありません。経済制裁に効果がないならこんなことをする必要はありません。
また、蓮池透さんの条件が整えば北朝鮮に行きたいという発言ですが、すでに家族会の役員でもなく、副代表を辞任する前から家族会の活動にほとんど参加していない透さんが被害者家族の代表として行けるはずもありません。「真相を明らかに」と言っても、「どうなっているのか」と聞いて「実はこういうことです」と話でもすると思っているのでしょうか。北朝鮮がそういう相手かどうかは薫さんに聞いてみるといいでしょう。
もちろん、日本は北朝鮮や中国とは異なり民主主義の国ですから、透さん自身の思っていることをどんどん発言することは認められるべきですが、透さんが拉致問題の解決に役割を果たせるのは、薫さんに北朝鮮で見たことをもっと話させることではないかと思います。
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