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2008年6月29日

西海海戦

 6年前の今日、平成14(2002)年6月29日、韓国西海岸の延坪島近くの海上で南北海軍の艦艇が交戦し、韓国海軍の高速艇「チャムスリ357」が撃沈され6人が戦死しました。

 あの事件を報じた韓国の新聞を見たとき、いまでも目に焼き付いているのは「5名戦死」(当初は1人行方不明だった)という大きな活字でした。「ああ、朝鮮半島というのはまだ戦争が続いているんだ」と実感したのです。実際に、朝鮮戦争は未だ休戦状態であり、終戦にはなっていません。

 韓国政府はこれまで宥和政策のため、北朝鮮を刺激することを嫌い戦死者の追悼行事を国家主催にしてきませんでした。戦死者の家族の中にはこのような状況に憤り韓国を出て行った人もいました。しかし、李明博政権になって初めて政府主催行事になり、本日総理参席のもと追悼式が行われたのでした。

 死んでいった若者達が親日だったか反日だったかはわかりません。ただ、あのとき思ったのは、「靖国神社の英霊と本当に思いが通じるのは私より彼らだろうな」ということです。彼らの御霊が靖国神社にやってきて英霊と語り合うときがあったなら「国の行事にしてもらってよかったなあ」と歓迎されるかもしれません。

 引き上げられた「チャムスリ357」には258カ所の弾痕が残っていたそうです。その現実を隠し続けた金大中・盧武鉉政権の罪は大きいと言わざるをえません。もっとも、日本の政府も現実を隠し続けているのですから、人のことは言えませんが。

 ともかくあらためて戦死者6人の御霊に敬意を表したいと思います。

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2008年6月27日

今後の活動

本日(6月27日)の記者会見で下記の文書を発表しました。
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米国のテロ支援国家指定解除決定をふまえ、今後の活動について

 米国ブッシュ政権によるテロ支援国指定解除決定と議会への通告は、ある意味で「他人頼み」だった日本政府の拉致問題への取り組みの問題点を浮き彫りにするものであった。さらにこれは私たちも含め国民自身に自らの姿勢を問うているとも言える。その視点に立って次のような活動を進めていく。

<基本方針>
1、日本政府に対しては建設的緊張関係の維持を基本に、政府の方針を「返すように求めていく」から「救い出す」へと変えさせる。「救い出す」の中には「返すように求めていく」が入るのは当然だが、政府の責任はあくまで「救い出す」ことにある。

2、米国に対してはテロ支援国家指定解除が拉致問題のみならず他の北朝鮮における人権問題についても、また日米同盟の視点においても裏切りであるとの認識を伝える。

3、国民自身も政府に求め、批判するだけでなく、さらに主体的な行動を繰り広げていく。

<具体策>
1については別紙のような政府の方針変更を求める署名用紙を作り、またこの趣旨を国会の質疑等を通じ政府の決断を求めていく。志ある国家・地方公務員及びそれに準じる人々とはより連携を強める。

2についてはこの趣旨にそったアピール文書を作り、しおかぜネットワークの中で賛同する組織の代表者連名で発表し、ブッシュ大統領や議会関係者、マケイン、オバマ両候補などに送る。また、今後米国政府が誤った判断をしないよう、米国におけるロビー活動も進める。

3については短波放送「しおかぜ」やバルーンプロジェクトに加え、FAX、葉書、emailによる北朝鮮への直接的なアクセスを行う。7月11日に市ヶ谷の友愛ゼンセン会館で拉致問題と国交正常化利権の問題、他の北朝鮮人権問題をひとまとめにした集会(仮称「国交正常化より北朝鮮と日本の正常化を!」集会)開催する。

  平成20年6月27日
特定失踪者問題調査会代表 荒木和博
 

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訓練

 米国のテロ支援国家指定解除問題が大詰めを迎えていた20日から24日まで、朝霞駐屯地での予備自衛官訓練に出頭しました。前には訓練にパソコンを持って行って夜メールチェックをしたこともあったのですが、暗いところでいじくってコンクリートの上に落としハードディスクをだめにした(私はなぜかこういうドジが多い)ので、今は駐屯地の厚生課のパソコンを借りています。ただし事務所の中にあるパソコンですから土日は使えませんし、今回は月曜に練馬駐屯地に移動しての市街戦訓練もあり、ほぼ3日メールが見られませんでした。

 もっとも、普段メール中毒のようになっていますので、先日の硫黄島もそうですが、メールが見られない環境というのは実に爽快(?)です。なんだかんだ言っても大体の用事は後でも済みます。事務所のメンバーには迷惑を掛けるものの、訓練中は睡眠時間は普段よりはるかに長いですし、色々な知り合いもでき、不謹慎ながらリフレッシュには悪くありません。もっとも今回の市街地戦闘訓練は、本当に入口の入口だったのですが、担任部隊が練馬の第1普通科連隊第1中隊で、市街地戦闘に重点を置く部隊だったのできちっと教えていただき、そのため結構腰に来ました。私が小銃を持って市街地戦闘に出るようになったときにはこの国も終わりでしょうが、身体で勉強させてもらうのは貴重な体験です。

 私は平成15年9月任官ですので、予備自衛官も今年で足かけ6年。訓練の最終日に勤続5年の表彰(東京地方協力本部長表彰)をしていただきました。まあ、見よう見まねでやっているうちに少しは慣れてきたかな、という感じです。

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2008年6月24日

テロ支援国指定の解除について

※以下は本日(6月24日付)調査会NEWS 651号に書いたものです。

 米国の北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除の問題が注目を集めていますが、ブッシュ政権は日本の反応を見ながら(逆に言えば福田政権が事実上黙認すると認識して)テロ支援国家指定解除に踏み切る方針を明示しました。

 これをやれば追い詰められていた北朝鮮、というより金正日体制はまた息を吹き返す可能性があります。しかも、14年前のジュネーブ合意と同様、結果的に北朝鮮に時間稼ぎをされるだけなのは言うまでもありません。米国の外交は緻密なようで実はかなり杜撰なものだと思いますが、これもその一例でしょう。 もっとも、本来なら1年以上前に解除しているはずだったのですから、ブッシュ政権としては日本の顔を立てたと言えないこともありません。

 軍事用語で「遅滞行動」というのがあります。戦闘行動でこちらが不利な場合、小規模の戦闘を続けながら敵の前進を遅滞し、時間の余裕を獲得することです。テロ支援国家指定解除を行わせない努力というのは、結局この遅滞行動であり、これで時間を稼いでいるうちに、日本政府がその責任によって拉致被害者を救出(これはもちろん、話し合いも含めてですが)する主体的努力を行わなければならなかったはずです。

 ところが、政府は昨年11月28日付の文書(調査会からの要請への回答)でも「北朝鮮自身が拉致問題の解決に向けて具体的な行動を取るよう求めていく」と述べられているように、日本政府はもともと主体的な救出への努力はしないことにしています。

 米国を初めとする諸外国への協力依頼も、本来は補助的なものであって中心的なものではないはずです。安倍総理の当時、鳴り物入りでスタートした拉致対策本部の事務局で、拉致被害者の情報などを収集する担当者が1割もいないことも、先日ご紹介した広報アイデアの募集も、政府の姿勢を象徴しています。そんななかでかろうじて日本が主体的にやっていた制裁すら解除の方向というのでは、米国に足下を見られても仕方ないでしょう。

 こういうときですから、最も重要なのは何なのかという点をもう一度見直す必要があります。私はそれは上記のようなあなた任せの政府の姿勢を「政治の責任として国民を救出する」というものに変えさせることだと思います。

 政府の姿勢が変わったのではなく、政府の姿勢が変わらないからこそこういう結果になったのです。その点をしっかりと見極めなければなりません。

 27日の記者会見ではちょうど良い時期ですので、この問題に関する見解についても発表できると思います。

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2008年6月20日

広報活動?

以下は6月20日発行の調査会ニュース650号に載せたものです
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 政府の拉致問題対策本部が拉致問題での広報活動を民間に公募するという報道がしばらく前に出ました。正直なところ「他にすることはないのかいな」と、あきれていたのですが、その募集要項の文書を見て改めてため息が出ました。

 そこにある「審査の観点」という項目には
(1)政府・拉致問題対策本部の広報活動の基本的な方針と合致すること。
(2)政府が実施するのにふさわしい広報活動であること。
(2)外交交渉上、支障を来すおそれのないこと。
など5項目が書かれています。(2)が二つあるのはミスでしょうが、翻訳すると(1)と上の(2)は「政府を批判しないこと」、下の(2)は「北朝鮮の体制打倒などと言わないこと」という意味でしょう。

 それじゃあ、いったいどうするんだと突っ込みを入れたくもなります。しかも、アイデアが採択された場合、対策本部はそれを実施する業者(例えば印刷物なら印刷業者とか)に直接支払い、アイデアを出した団体には支払わないとのことです。つまり、アイデアは民間が出し、カネは税金を使い、成果を対策本部が得るということになります。

 皆さんは対策本部のスタッフのうち、拉致被害者がどこにいるかとか、どうやったら救出できるかということを担当している人が1割もいないという現状をご存じでしょうか。残りの人がこういうアイデア公募のようなことをしているのです。対策本部のスタッフに限らず、お役所でも拉致被害者を救おうと真剣に考えている人ほどこういう現状には失望しています。

 同じ募集するなら「拉致被害者を1人連れて帰ったら1億円」というのはどうでしょうか。金正日が「100人連れて行く」とか言い出すかも知れません。

 あと、今回の募集なら、当選間違いなしの秘策を伝授しましょう。
「『調査会は悪いやつらだ』ということを知らせるビデオや出版物を作る」です。

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2008年6月16日

政府は国民をだましてはならない

※以下は本日(6月16日付)調査会NEWS 648号に書いたものです。

 一昨日福岡で福岡救う会の街頭活動に参加し、講演会でお話しをしてきました。街頭での感触では今回の実務者協議合意に対する「国民の怒り」を感じました。

 その後石川県白山市の集会に参加して今帰京したところなので情報がよく分からないのですが、感触ではいわゆる「再調査」の経過として何人かが出てくるのは(ただし、今の状況が続けば)それほど遠くないのではないかと思います。これが実現すれば斎木さんが何度も「今回の再調査は前のそれと意味が異なる」と言っていたとおりと言うことになります。

 しかし、ここには極めて重要な問題点が隠されています。

 一つは、これから北朝鮮が名前を出してくるであろう何人かについては遅くとも昨年には北朝鮮側から何らかのルートで日本側に情報が提示されているということ。つまり北朝鮮側は「解決済み」と言い続けた一方で認定者以外の拉致を認め、返す用意があったということです。これは、情報を受けた政府(もちろんごく官邸や外務省のごく一部でしょうが)側に、出すことによって世論が再度噴き上がることを恐れて隠し続けたということを意味します。また、拉致の規模が政府の言っているものより遙かに多いことを国民に知らせたくない(つまり、「北朝鮮との話し合いだけで取り返せる」との幻想が壊れては困る)ということでしょう。

 もう一つは、北朝鮮が何人かを出すことを認める裏には、当然ながら日本政府に対して「拉致問題をこれで終わりにできるんだろうな」という要求があるはずだということです。したがって、「再調査」の過程で何人かが出てきたら、「ほら進展したではないか」と言って、後の人については延々と「再調査」を続けて事実上の棚上げを図る(そうしているうちに政権も、役人も代わる)というものだと思います。

 政府はこれまで隠してきているリスト、そして北朝鮮から言われなくても警察などの捜査で拉致の可能性が高いと分かっているリストをすべて公開すべきです。そして北朝鮮が既に出したリストについては直ちに帰国を求めるべきです。何人かでも帰国できれば、それが前進であることは間違いありませんが、その人たちを弾よけにして拉致の隠蔽を図ることは被害者や家族のみならず、国民に対する背信に他なりません。

 斎木さんは「行動対行動」と言っていました。日本政府の方針は変わらないとも言っていました。それなら北朝鮮の行動がないのにこちらから経済制裁を解除するのは欺瞞でしかありません。ここは国民の怒りが必要です。各位のご協力をよろしくお願いします。

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2008年6月14日

諸悪の根源は官邸にある

※以下は今日(6月14日)発行の調査会ニュース647号に書いたものです。一部誤字を直してあります。
 この結果で認めろと言う方が無理があるでしょう。

 昨日19:00から内閣府で行われた斎木団長(外務省アジア大洋州局長)の日朝実務者協議の結果に関する説明の折、私は「斎木さんはできる限りの努力はされました。問題は道路を隔てた向こう側にあると思います」と言いました。斎木さん自身は「外交交渉ですから批判は甘んじて受けます」と言っていましたが、この問題は基本的に「初めに制裁解除ありき」という官邸、もっとはっきり言えば総理と官房長官と、あと、外務大臣あたりに問題があります。戦略の誤りは戦術では取り返せません。いわんや戦略が存在していないなら話にもなりません。これで日本国民が納得すると思ったのであれば、国民もずいぶん馬鹿にされたものだと思います。

 斎木さんは「再調査」がこれまでのものと違うと言っていました。おそらくは何か出てくるのでしょう。自分で入った人とか、日本人妻とか。拉致被害者も出てくるかも知れません。しかしそれは政府が言っている「すべての拉致被害者の帰国」とはほど遠いもので、最初からそん な気のない官邸が考えることは「どうやったら助けられるか」ではなく「どうやったら進展しているように見せられるか」でしかありません。大部分の拉致被害者は政府認定であれ未認定であれ見捨てられることに
なるのは明らかです。

 これを押し返すのは国民の意思によるしかないでしょう。「しおかぜネットワーク」の立ち上げがこの時期になったというのも、ある意味時代の要請なのかも知れません。

 なお、増元照明・家族会事務局長夫妻は今日(14日土曜)日本テレビ系「ウェークアッ プ!ぷらす」に出演予定で、今回のことに対する思いの丈を述べるとのことです。このニュースを見ても朝起きられた方はご覧下さい。

以下は本日調査会として発表した声明です。
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日朝実務者協議の結果と政府の対応について

 今回の合意は北朝鮮当局に再び時間稼ぎの口実を与えるだけのものであり到底認められない。

 拉致をした北朝鮮が「調査」などということ自体が笑止千万であり、この「調査」と、「拉致問題は解決済み」と言わなかったことなどを理由に制裁解除をするのでは話にもならない。よど号グループの処置などは問題外である。特定失踪者の家族は今回の協議に大きな期待を寄せていただけに落胆も大きい。

 また、逆に日本政府に対しては強い疑念も生まれている。それは北朝鮮側からすでに何人かの拉致被害者の名前が出ているのではないかということである。その上で世論の硬化を恐れて日本政府の方が政治的決断を避けて逆に名前を伏せているのではないか。

 いずれにしても私たちはこのような内容で制裁を解除することに反対し、政府の方針を「北朝鮮に返していただく」から「北朝鮮から被害者を奪還する」に変えさせ、全員を取り返すために全力を尽くす。あらためて今回のような姑息なやり方ではなく、福田総理自身が日本国の総理大臣として本当の決断と指導力発揮をされることを求めたい。
 
平成20年6月13日
特定失踪者問題調査会代表   荒木和博

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2008年6月12日

専守防衛

 調査会ができてそれほど経たないうちだったと思うが、護身用に特殊警棒を持っていたことがある。

 まあ、私のような小物では北朝鮮も襲ってくるわけでもないし、重いので面倒になってやめてしまったのだが、一度これを持って飛行機に乗ろうとして羽田でひっかかったことがある。もちろん、機内持ち込みは無理だろうと思ったので預ける荷物に入れてだったのだが、それでもだめだそうで、警察官によれば「持ち帰るか所有権を放棄(つまり捨てろということ)しなければならない」とのこと。「なぜこれを持っているのですか」と聞かれて「拉致問題をやっていて、北朝鮮のテロに備えるため」と言ってみたが、「?」という感じで全く通じなかった。要は特殊警棒が凶器に準ずるものとみなされるということだった。

 仕方ないので特殊警棒は宅急便で事務所に送った。そのときは「じゃあ、私が襲われたら守ってくれるのですか」と聞きたかったのだが、警備しているお巡りさんに言っても仕方ないので従順に従った。

 特殊警棒というのは、持った方は分かるだろうが、確かに訓練を積んだ人間がこれを仕えばかなりのダメージを与えられるとは思うが、一撃で人を殺害するのは無理である。その意図があるなら秋葉原の事件ではないがナイフを使った方が遙かに効率的だ。従って基本的には護身用のものである。

 ナイフや銃器を持って襲ってくる人間を事前にチェックすることはできないのに、護身用の警棒は持っていることも許されないというのはどういうことなのか。別に米国のように護身用に銃を持っても良くしなさいというのではないのである。秋葉原の事件でも、一般の人が護身用の器具を持っているかも知れないという意識が犯人にあったら多少は抑止することができたかも知れない。

 ちょっと話が飛躍するが、陸自の幹部の方で、かつてインドに駐在武官としていた方の話である。インド軍が自衛隊の使っている物資投下用のパラシュートに注目し、購入したいとの意向を示したことがあった。インドとの協力は日本の国益にとっても当然プラスなので、その方はやってみたが、「武器輸出にあたる」とのことで実現しなかったそうだ。後でカウンターパートのインド軍将校は「確かにパラシュートでも持って叩けば怪我はしますね」と笑っていたとのこと。

 もう一つ別の話。先日首相はクラスター爆弾の廃止を「決断」した。拉致被害者救出は決断しないのに、こういうことは決断してしまうのが何ともちぐはぐだが、中国もロシアも北朝鮮もそのままなのに、日本だけが勝手にやめてしまうというのは何を考えているのだろう。ある程度は上陸を抑止できる対人地雷も使わず、面を制圧できるクラスター爆弾も使わずに25万の自衛隊で国土を守るというのはドアも窓も鍵を掛けずにきた日本が、さらにそのドアや窓を開けっ放しにするのと同じことではないか。

 もっとも、個人に正当防衛・緊急避難が許されるように、国家にも国民を守るという当然の義務が存在する(もちろん、それは憲法以前の問題として)のだから、クラスター爆弾の廃止というのは、専守防衛という、これまでの国民を欺いてきた原則が崩壊したことをも意味するのだろう。

 守るということは戦う意志、能力と表裏一体である。多くの国民は体感的にそれに気づいていると思う。秋葉原の事件で犠牲になった方々やご家族には申し上げる言葉もないが、「命の大切さを知らせる」などという陳腐な言葉でごまかすのではなく、いわれなき暴力には力をもって対するという覚悟が絶対に必要である。個人でも、国家でも。

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2008年6月11日

北朝鮮の「反テロ宣言」

※以下、昨日10日に発行した調査会ニュース643号に載せたものです。北朝鮮の「反テロ宣言」というのは、月間賞ものです。そう言えば昔話題になった論文で「本当の人権を擁護して」というのがありました。

 報道によれば北朝鮮外務省は10日、朝鮮中央通信を通じて「今後もあらゆる形態のテロと、いかなるテロ支援にも反対する立場を堅持する」との声明を発表したそうです。また、核物質や設備・技術がテロ組織に流出しないよう「国際的な努力に積極的に参加する」と言っているとのこと。

 そういえば北朝鮮によると朝鮮戦争は韓国がしかけたことになっていますし、ラングーン事件も大韓機事件も知らぬ存ぜぬを通しています。6年前の9.17小泉訪朝までは「拉致は右翼反動のでっち上げ」と言っていました。つまりこの声明は「今後もあらゆる形態のテロと、いかなるテロ支援も実行する立場を堅持する」「核物質や設備・技術をテロ組織に流出させるため孤立しても積極的に行う」ということなのでしょう。

 ひょっとしたら日本の政治家や一部ジャーナリストなどでもこれをもって「北朝鮮に変化の兆し」などと言う人間がいるかも知れません。そういうのが出てきたら北朝鮮の意を受けた輩と思った方が良いでしょう。

 それにしても日本政府も大変ですね。こういう人たちの言葉を、とりあえず真に受けて交渉しなければならないわけですから。本当は「アホか」という一言でおしまいのはずなのですが。やはり体制を変えなければ話にならないのではないでしょうか。

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