※以下は今日(6月14日)発行の調査会ニュース647号に書いたものです。一部誤字を直してあります。
この結果で認めろと言う方が無理があるでしょう。
昨日19:00から内閣府で行われた斎木団長(外務省アジア大洋州局長)の日朝実務者協議の結果に関する説明の折、私は「斎木さんはできる限りの努力はされました。問題は道路を隔てた向こう側にあると思います」と言いました。斎木さん自身は「外交交渉ですから批判は甘んじて受けます」と言っていましたが、この問題は基本的に「初めに制裁解除ありき」という官邸、もっとはっきり言えば総理と官房長官と、あと、外務大臣あたりに問題があります。戦略の誤りは戦術では取り返せません。いわんや戦略が存在していないなら話にもなりません。これで日本国民が納得すると思ったのであれば、国民もずいぶん馬鹿にされたものだと思います。
斎木さんは「再調査」がこれまでのものと違うと言っていました。おそらくは何か出てくるのでしょう。自分で入った人とか、日本人妻とか。拉致被害者も出てくるかも知れません。しかしそれは政府が言っている「すべての拉致被害者の帰国」とはほど遠いもので、最初からそん な気のない官邸が考えることは「どうやったら助けられるか」ではなく「どうやったら進展しているように見せられるか」でしかありません。大部分の拉致被害者は政府認定であれ未認定であれ見捨てられることに
なるのは明らかです。
これを押し返すのは国民の意思によるしかないでしょう。「しおかぜネットワーク」の立ち上げがこの時期になったというのも、ある意味時代の要請なのかも知れません。
なお、増元照明・家族会事務局長夫妻は今日(14日土曜)日本テレビ系「ウェークアッ プ!ぷらす」に出演予定で、今回のことに対する思いの丈を述べるとのことです。このニュースを見ても朝起きられた方はご覧下さい。
以下は本日調査会として発表した声明です。
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日朝実務者協議の結果と政府の対応について
今回の合意は北朝鮮当局に再び時間稼ぎの口実を与えるだけのものであり到底認められない。
拉致をした北朝鮮が「調査」などということ自体が笑止千万であり、この「調査」と、「拉致問題は解決済み」と言わなかったことなどを理由に制裁解除をするのでは話にもならない。よど号グループの処置などは問題外である。特定失踪者の家族は今回の協議に大きな期待を寄せていただけに落胆も大きい。
また、逆に日本政府に対しては強い疑念も生まれている。それは北朝鮮側からすでに何人かの拉致被害者の名前が出ているのではないかということである。その上で世論の硬化を恐れて日本政府の方が政治的決断を避けて逆に名前を伏せているのではないか。
いずれにしても私たちはこのような内容で制裁を解除することに反対し、政府の方針を「北朝鮮に返していただく」から「北朝鮮から被害者を奪還する」に変えさせ、全員を取り返すために全力を尽くす。あらためて今回のような姑息なやり方ではなく、福田総理自身が日本国の総理大臣として本当の決断と指導力発揮をされることを求めたい。
平成20年6月13日
特定失踪者問題調査会代表 荒木和博