「再調査」はどうなったのか
本日3日付の調査会NEWS 666号に書いたものです。
今日の「産経」には元山から最近脱北した人が「北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」など外国放送を90%の市民が聞いている」との記事が掲載されていました。この情報は前にも聞いていましたが、あらためてその責任の重さを痛感しています。
同時にふと思ったのは、「しおかぜ」の、特に朝鮮語放送では北朝鮮の体制転換についてことあるごとに放送の中で取り上げているのですが、多くの人が聞いているということが明らかになったら日本政府の「ふるさとの風」が「日本政府は北朝鮮の体制を変えようなどと思っていません。『しおかぜ』の内容はでっち上げです」とか言わないかな、ということです。もっとも、そう政府がいってくれればくれるほど北朝鮮当局は「きっとそうに違いない」と思いこむでしょうが。
それは冗談として、ところで6月の実務者協議の「再調査」はどうなったのでしょう。もうふた月近くになります。
私は前のニュースでも書いたように、北朝鮮側は何人かの拉致被害者(これまで「死亡」「未入境」などの発表をしていない人)の名前を色々なルートを使って官邸に伝えていると思っているのですが、六者協議の報告のときにも斎木さんはその説を明確に否定していました。
もしそれが本当なら、6月の実務者協議で我が国は北朝鮮の口約束に乗せられただけということになります。それで一時は制裁一部解除を直ぐに実行しようとしていたのですから、政府の言ったことを信じるなら政府は国民を裏切ったことになります。もし名前が出ていて(北朝鮮は拉致のことに蓋ができるなら数人出しても構わないような状況にあると思います)、それを前提にした「再調査」、つまり形だけ調査したことにして出してくるというのであればもうとっくに出てこなければいけないはずです。
政府はあの「再調査」が何だったのか、何時までに北朝鮮は答えを出すのか(これから再調査の仕方を北朝鮮と話し合うなどというのは問題外です)テロ支援国指定解除の問題や、中山拉致担当相就任に目を奪われることなく、冷静に全体を見渡すことが必要でしょう。
次の「しおかぜ」収録のときにはこの「再調査」のことに触れてみようと思います。
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