病状
最近あう人ごとに「金正日はどうなっているんでしょうねえ?」と聞かれる。「もう死んでいるんですか」とも聞かれるが正直なところよく分からない。おそらく核の無能力化の前に金正日の無能力化は実現しているようには思うが。
それにしても、この21世紀に国家の最高指導者が生きているのか死んでいるのかも分からないというのはどういうことだろう。北朝鮮だけがタイムマシンにのって中世に戻っているのではないかという錯覚さえ覚えさせられる。
考えてみれば餓死者300万というのも、とてつもない数である。人口の15パーセント。日本なら2000万人近くが餓死したことになる。
日本でそんな数の餓死者は想像できないが、もしいっときに200人餓死したら政権が吹っ飛ぶだろう。日本と言わず、発展途上国でも大差ないとは思う。それが北朝鮮になると「300万人」(この数には諸説あるが、少なくとも200人などというものでないことは誰も否定しないだろう)でも「へえー」ということで終わってしまう。
日本で核廃絶を叫び、核武装など論議もまかりならんという人たちも北朝鮮の核には通り一遍の批判しかしていない。彼らの肩を持つならば、それほど北朝鮮というところは現実から乖離した社会だということだ。
しかし、現実に朝鮮民主主義人民共和国は存在し、そこには餓死も拉致もミサイルも核も収容所も存在する。私たちはもっとリアリズムをもってこの国を見なければならない。これは自戒の念を込めての言葉である。
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