麻生政権
※本日9月26日付の調査会NEWS 691号に書いたものです。
「麻生政権になって拉致はどうなりますか」とよく聞かれます。何とも答えようがないというのが正直なところですが、漆間官房副長官という人事が拉致問題の実質的な進展を目指すものであれば歓迎すべきものでしょう。ただし警察庁長官当時の漆間氏が拉致問題について発言していた内容と実質的に進んだことにはかなり落差があったのではないか、という思いもあり、とりあえずは様子眺めという感じです。
私自身は麻生さんとは全く面識がありません。豪邸の写真を見ても「あの家では掃除機をかけるのにもずいぶん時間がかかるだろうなあ」と思う位で別世界の人という感じですが、ともかく誰がなっても拉致問題を進めざるを得ないようにしなければならないのであって、その意味では一喜一憂している暇はありません。
ただ、一つだけ、麻生内閣に期待していることがあります。ちょうど一年ほど前に発行された『奪還を命ず』(曙機関著・宝島社)は自衛隊が拉致被害者を救出する漫画ですが、ここに出てくる総理大臣は多分に漫画好きの麻生総理を意識したべらんめえ調のキャラクターになっています。その総理が救出のために新編された部隊の編成完結式で「1億2000万の日本人を代表して君たちにお願いする。どうか日本人を助けてくれ。この国の自由と主権を守ってくれ」というシーンがあるのですが、これを何とか実現してもらいたいということです。
ちなみに本書には私も前書き的な文章(漫画ではなく)を寄稿していますが、本編のストーリーは金正日が死亡して、それを軍が隠すところから始まります。現実にも金正日の「無能力化」が進んでいると想定される状況で、今もっとも大事なのは政治のリーダーシップです。総理に限りませんが、政治家は政治が本当にしなければならないことが何なのかをしっかりと持ってやっていっていただきたいと、切に希望する次第です。
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