田母神空幕長更迭
田母神俊雄航空幕僚長が本日更迭 されました。理由はAPAグループの懸賞論文で「日本は侵略国家であったのか」として過去の歴史を評価したのが1995年の村山談話を逸脱するというのが理由だそうです。
空幕長はおそらくそのような処分が下されることを承知の上で書いたのだと思いますが、それにしても、こういうことを堂々と論じられる人は本来自衛隊にとって宝であるはずであり、首を切るとは何事か、と思わざるを得ません。そもそも、村山談話が間違いなのであり、それを直すことが政府の責任のはずです。「王様は裸だ!」と言った子供の口を慌てて塞いで「いえ、王様は素晴らしいお召し物を着ていらっしゃいます」というような行いは容認できません。
私は予備自衛官・自衛官OBで作る「予備役ブルーリボンの会」の一員ですが、田母神空幕長はこの発足にあたって素晴らしいメッセージを送って下さいました。以下ご紹介します。私ではご迷惑かも知れませんが、できるだけのご支援をしたいと思っています。
【予備役ブルーリボンの会発足お祝い文】
予備役ブルーリボンの会、発足おめでとうございます。
皆さんご存知のとおり、各国の軍事力・防衛力は現役兵力ばかりでなく、予備役の能力も含めて評価されます。日本においては、予備自衛官等の方々の力がそれにあたるわけで、皆さんの存在をたいへん頼もしく思っています。
さて、私は常々、自衛隊は日本の武士道の精神を受け継ぐ素晴らしい組織であると内外で主張しておりますが、謡曲などで次のような話が伝えられています。鎌倉時代に、佐野源左衛門尉常世(さのげんざえもんのじょうつねよ)という武士がいました。彼は貧しい生活をしていましたが、執権であった身分を隠して旅の僧として全国廻向していた北条時頼に宿を貸し、大切にしていた鉢の木を焚いて暖をとらせる等精一杯もてなし、「自分は貧しい生活をしているが『いざ鎌倉』となれば直ちに駆けつけるつもりだ。」との決意を語りました。そして、実際に「いざ鎌倉」という場面が訪れると、真っ先に駆けつけその心意気を示したのです。予備自衛官等の方々は、平素は民間でそれぞれご活躍されながら、地道に訓練も重ね、一朝有事にはいち早く駆けつけようとする心構えを持たれ、まさにこの佐野源左衛門尉常世の武士道精神を体現されているものと、心から敬意を表します。
自衛官は、事に臨んでは危険を顧みず、我が国の平和と独立を守る使命を完遂していかなければなりませんが、その使命感の根源は我々の身の回りの人々、顔の見える一人一人の国民を守る、という気概であると考えます。そして、それが強ければ強いほど、自衛隊は精強となります。この度予備役ブルーリボンの会に入会された方々は、北朝鮮に拉致された国民の方々及びそのご家族の悲しみ、苦労、憤りに思いを致し、救出を応援しようとする姿勢を示されたのであり、それはまさにこの気概を体現したものです。その心意気は自衛隊の精強性を内外に示すものです。どうぞこれからもその気概を持って、我々現役とともに我が国の平和と独立を守る自衛隊の崇高な使命を果たすべく、ますます精進していきましょう。
予備役ブルーリボンの会のご発展を祈念しております。
平成20年8月2日
航空幕僚長 空将 田母神 俊雄
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