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2008年12月16日

6団体共同集会の御礼

※12月26日付の調査会NEWS 726号に書いたものです。

 12月14日に明治大学で開催した6団体共同集会につきましては多数の方がご参加下さり、成功裏に終えることができました。ご協力いただいた皆様に主催者の一人として心より御礼申し上げます。

 今回のことをきっかけにさらに各団体が連携を深めて共通の目標を目指して努力して参ります。今後ともご支援よろしくお願い致します。

 なお、最後のセッションの宋允復・守る会及びNO FENCE事務局長の「外国では日本は拉致しかやらないように思われている。十分に理解していない人が少なくないのでもっとしっかりと知らせていくべきではないか」という趣旨の発言は、自分としても非常に頷けるものでした。

 北朝鮮は言うまでもなく「日本は拉致問題を取り上げるが、自分たちも戦前多数の朝鮮人を強制連行しているではないか」と言い続けています。拉致はでっち上げと言えなくなった今ではなおのことそれを強調します。そして、最近ではヒル国務次官補も同様のことを言ったとか。今後6者協議の他の参加国でも日本が拉致問題を取り上げるのを押さえようとすればこの論理を使ってくるでしょう。

 そのときに、「これはこういう事実があって北朝鮮の主張は嘘である」という反論も必要ですが、いくらでも嘘はつけるのですから、延々とそれに対する反論をやっていればモグラたたきのようになってしまってこちらが消耗するだけです。

 これを乗り越えるのは「日本は単に自国民を助けようとするだけではなく、普遍的人権問題に積極的に取り組むのである」という姿勢を国際的にアピールすることだと思います。その意味で政治犯収容所の問題や脱北者の問題に日本人の関心が高まることは、回り回って拉致問題の解決に大きな効果を挙げるものと思います。

 さらにこの活動を続けていくことは拉致被害者に関わる情報を収集することにもつながり、もちろん北朝鮮の体制を弱め、民主化にもっていくことによって拉致被害者救出への糸口を作っていくことができます。「日本は拉致問題ばかり出して北朝鮮を敵視する」というのは日本の中の数少ない親北分子の常套句ですが、「いや、北朝鮮の民衆も救う視点からもこの活動が必要なのだ。お前は北朝鮮の人々を苦しめている金正日独裁体制を擁護するのか」と言うことができます。北朝鮮に対しても逃げ道を塞ぐことになるでしょう。

 保守系の人の中には拉致問題に熱心な余り、北朝鮮の人すべてが拉致の犯人であるかのような物言いをしたり、収容所や脱北者の問題には一切関わらないという人がいますが、それこそ「八紘一宇」の精神にもとるものではないでしょうか。もちろん、主権侵害という意味で言えば拉致は特別な問題です。しかし、それは本来日本がその国力をもって取り返すべきことであり、人権問題という観点から考えたとき、拉致だけをやるというのは芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のようになりかねません。

 思想の如何を問わず、そこに苦しんでいる人がいれば助けるべきであり、その行動があってこそ他国の国民も日本を信頼し、協力しようとするのではないかと思います。今後も私たちは北朝鮮の人権問題の改善のための活動を続けて参ります。ご理解とご協力をお願い申し上げます。

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