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2008年12月29日

なぜ北朝鮮は拉致をしたのか

※本日(12月29日)付調査会NEWS 730に書いたものです。

 「そもそも、なんで北朝鮮は拉致をしたのですか」

 どこに行っても聞かれる質問です。私は「北朝鮮にとって拉致をするのが『通常』であり、拉致をしないことの方が不自然だった」と答えています。

 もちろん、それぞれの拉致には「侵入した証明」や「侵入するときに遭遇してしまった」という理由も含め、それぞれの理由があることは事実です。私たちが「マッピングリスト」として発表しているものもその一つです(昨日付で産経新聞のWebニュースの以下のアドレスにも記事が掲載されています)。

http://sankei.jp.msn.com/world/korea/081228/kor0812282116004-n1.htm

 しかし、これらを突き詰めていくと、逆に「初めに拉致ありき」といった発想がみえてきます。北朝鮮側は拉致に対抗(?)しようと日本が戦前強制連行をしたとか何とか言いますが、拉致をしているのは日本人だけではなく、救う会の調べでは現時点で合計12カ国の人を拉致していることが分かっています。別にタイやルーマニアが朝鮮人の強制連行を行った訳ではなく、したがって歴史的な問題は単なる言い逃れに過ぎません。

 また、北朝鮮は帰国した在日朝鮮人やその日本人家族を、帰国前の約束を破り返しませんでした。これも拉致に近い行為です。韓国人の場合は朝鮮戦争中(開戦から休戦までの3年間)に8万3000人を超える拉致被害者の氏名が確認されており、その発想は「足りなければ持ってくれば良い」という、極めて安直なものです。自力でものを作ろうとせず、何でも外から持ってきたり、連れてきて作らせようとするのは今も変わっていません。

 そこから、何が考えられるかと言えば、直近でも拉致は考えられるし、今後もやるだろうということです。「拉致問題は、すでに事件は終わっており、今やることは向こうに捕らわれている人を救い出すこと」という考え方は転換すべきだと思います。

 しかしまだこの点は実感として掴めない方が多く、調査会としては今後もできるだけ情報を積極的に明らかにしていきます。機会がありましたらこれまでの記者会見等もご覧いただければ幸いです(下記の(株)ネットライブのホームページでご覧になれます)

http://www.netlive.ne.jp

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