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2009年2月14日

アメリカに経済制裁を

※2月14日付調査会NEWS 749号に書いたものです。

 来日するヒラリー・クリントン米国務長官に家族会の皆さんが会うことになったようです。お骨折りいただいた関係者の皆さんには敬意を表し、また成果があることを祈っていますが、何かいま一つしっくりこないものがあるのも事実です。

 それが何なのか、考えてみたのですが、つきつめてみると「せっかく『日本の問題だから、自力でやるしかない』という雰囲気になりつつあるのに、またアメリカ頼みか」ということだと思います。

 何度も言っているように、この問題は本来日本が自力で解決すべきことですし、アジアの安全保障に関わる問題という意味では他の国の拉致被害者や、北朝鮮の人権問題についても日本が本来積極的に関与すべき責任を負っているはずです。それをせず、政府自身が日本人拉致被害者だけの「帰国を求める」などという姿勢でいて、あとは米国頼みというのでは、アメリカ政府も含めて外国で誰も本気にすることはないでしょう(そうでなくても誰も本気になるとは思えませんが)。

 そもそも、国務長官の旦那の対北政策が間違ったことも今日の状況を作っているのですし、前任者のテロ支援国指定解除や六者協議でのごまかしは当然非難されてしかるべきだと思います。家族会の皆さんは国務長官には「お願い」するのではなく、アメリカの対北政策の変更によって拉致も核も解決が遠ざかっていることを厳しく質していただきたいと思います。総理外相はじめ政府の皆さんは「これ以上拉致問題解決にマイナスになるようなことをやったら日本はアメリカに経済制裁する」とぐらい言ってもいいのではないでしょうか。

 そうしないと、単に国務長官に会ったという、派手で中身のない「成果」だけが残り、また政府も国民も他人任せの状態が続くように思えてならないのです。これは私たち自身の問題です。そのことは絶対に忘れてはなりません。

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