旦那の夢
※本日15日付調査会NEWS 750号に書いたものです。
平成12(2000)年10月、平壌を訪れたのはオルブライト国務長官、あのハリウッ
ド映画の魔女のようなオバサンでした。金正日はべったりとくっついて、その前
から来ていた中国の遅浩田国防相をほっぽらかしてご満悦の様子でした。オルブ
ライトの方も平壌からソウルに着いたときは大変興奮していたとのこと。
お二人の仲がどうであろうと関知するところではありませんが、あのときアメ
リカ政府の対北朝鮮前のめりは相当なもので、ヒラリー現国務長官の旦那である
ビル・クリントン大統領は今にも平壌に乗り込もうという意欲満々でした。直後
の大統領選挙で共和党が勝っても未練が残っていたことはまだ記憶に新しいとこ
ろです。
クリントン国務長官のこのところの発言は、どう考えても核も含めて懸案を実
質棚上げし、米朝国交正常化をしたいと思えてなりません。クリントン政権時代
、ジュネーブ合意が有名無実化していたのに、北朝鮮の核開発情報を得ながら隠
し続けてきたことは忘れるべきではないと思います。さらに、今のアメリカ政府
の北朝鮮核問題についての関心は拡散であり保持ではありません。つまり、アメ
リカやイスラエルに敵対する国や勢力に核兵器や技術を移転しなければ、持って
いてもかまわないというのが現在の米国の姿勢です。
核でさえその調子なのに、外国人の拉致問題で本気になるか、そんなことは絶
対にありえません。逆に、家族会の人たちに会うことも、おそらく米朝国交正常
化のための障害除去のパフォーマンスに使おうとするのではないか、正直なとこ
ろ非常に懸念を感じます。17日の会見が旦那の夢を実現するための拉致棚上げパ
フォーマンスに使われないことを切に希望する次第です。
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