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2009年3月29日

民間国土保全隊?

 全国の自衛隊駐屯地に失業者を集めて職業訓練する「民間国土保全隊」と名づけた雇用対策案が、自民党内で浮上しているとのこと。職を失った人やニートらが駐屯地に半年間住み、生活費を支給されながら職業訓練を受けるのだそうな。これを提唱しているのが加藤紘一、青木幹雄、古賀誠といった面々であることからしてもいかがわしい構想であることは分かる。

 そもそも何で駐屯地に集めなければならないのか全く理由が分からない。自衛隊にそんな余裕はないし、軍事施設の中に民間人を住まわせるという発想自体がまともではない。自衛隊の戦闘能力を弱めようという意図でもあるのだろうか。こんな話が出れば実現はしなくても余計な時間を使う人が出てくる。この際無責任な提言をする皆さんにはお引き取りいただけないものだろうか。

 それより、こういうときは自衛隊の任期制隊員(いわゆる兵隊さん)の定員を増やして対応するべきである。1任期2年だから、2年、4年という区切りで退職させれば(もちろんその後の就職援護はしなければならないが)、社会全体の雇用情勢にも弾力的に対応できる。退職した自衛官はできるだけ予備自衛官にして、有事の際に動員すれば良い。軍隊経験の全くない国民が大部分という現状を変えていかなければ今後本当の意味で平和を守ることはできない。その意味では一時的な自衛官の定員増は一石二鳥にも三鳥にもなる。

 加藤センセイの案が転じて国防力の強化につながれば、元防衛庁長官としての面目躍如とも言えるだろう。

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2009年3月24日

卒業式

 昨日は大学(拓大)の卒業式でした。といっても体育館で2回に分けて行うもので、私達教員は役職者を別にすれば後ろの方にいるだけなので、事実上ただいるだけです。もちろん、国歌や校歌は一緒に歌いますが。

 私は大学の卒業式には出ていません。というのは単位の取り間違いで卒業が2か月遅れたからで、卒業証書をどうもらったか記憶がないので、おそらく大学の窓口で事務的にもらったのでしょう。したがって卒業の感慨のようなものは思い出しても出てきません。卒業式の後の記念パーティーだけ代金を払っていた(といっても親に出してもらったのですが)ので参加し、こっちが卒業できなかったことを知っているゼミの同期生に「お前、何しに来たんだ」とからかわれたことだけ覚えています。まあ、あえてそういう声をかけてくれる仲間ができたことが大学4年間の収穫の一つではありました。

 その卒業式に向かう途中で高校の同期生から電話があり、「同期のSが昨日クモ膜下出血で急死した」とのこと。野球部で、元気な男でした。まさかと思っても現実は受け入れざるを得ません。人生の色々な節目を、年度替わりに考えさせられています。

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2009年3月18日

拉致認定の問題について

※本日(3月18日)付調査会NEWS 762号に書いたものです。

 昨日の拉致議連総会、そしてその後参加ご家族と調査会役員で行った懇談の場でもいろいろ議論があったのですが、現在の拉致被害者認定において問題を複雑化させている理由のひとつに、認定が支援法によって行われていることがあります。

 もう6年以上経っているので経過をご存じない方の方が多いと思いますが、9.17小泉訪朝のひと月後に5人の拉致被害者が帰国したさらにふた月後の平成14(2002)年12月10日、「北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律」(通称支援法)が制定されました。条文は官邸のホームページから見ることができます。

http://www.rachi.go.jp/jp/shisei/hourei.html

 この法律は帰国した被害者を支援することを目的とした法律です。帰国した被害者の支援は当然のことであり、あのときのどたばたの中で関係者の皆さんはかなり苦労をして作られたのでしょう(議連総会でも当時官房副長官として支援法制定に努力された安倍元総理が当時のことを語っておられました)。しかし、問題は帰国した被害者を支援するための法律による「認定」が、まだ北朝鮮にとらわれている拉致被害者の救出の基準になっていることにあります。

 現在政府が北朝鮮から帰国(救出ではない)させようとしているのは認定被害者だけであり、それ以外の被害者は「認定されれば」、というのが基本的な姿勢です。しかし、支援法制定以後6年あまりの間に認定されたのは田中実さんと松本京子さんの2人しかいません。警察的な証拠主義に基づく拉致認定がいかに難しいかは誰の目にも明らかです。また、証拠がいくらあっても寺越事件のように認定されないケースさえあるのです。

 帰国できた人の支援であればこの基準で問題ないでしょう。事実関係は明白なのですから。問題は北朝鮮にいて、大部分を北朝鮮当局が隠しており、またほとんどは現時点で政府が拉致認定をしていない拉致被害者を助け出すことにこの法律がかえって足かせになっていることにあります。そしてそれによって拉致の全体像が矮小化されているために、結果的には未認定の被害者だけでなく、認定された拉致被害者の救出にもマイナスになっているのです。

 昨日の平沼拉致議連会長宛の要請文書でも拉致認定基準の見直しをお願いしたところですが、この問題は国会議員で理解している人は少なく、お役所では理解していないか、理解していてあえて仕事を増やさないために放置しているのではないかと思います。帰国した被害者の支援のための法律が今もとらわれている被害者の救出の足かせとなっている現状は変えなければならないと思います。 皆様のご協力をよろしくお願いします。

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「海外事情」3月号

 所属する拓殖大学海外事情研究所の月刊誌「海外事情」3月号は朝鮮半島特集です。笠井信幸アジア経済文化研究所理事、築山英司東京新聞ソウル特派員、高ヨンチョル拓殖大学国際開発研究所客員研究員の論文とともに拙稿「朝鮮半島分断の再検証」が掲載されています。ご関心のある方は拓殖大学研究支援課(03-3947-7597)まで御連絡下さい。
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2009年3月12日

飯塚繁雄さん・耕一郎さんと金賢姫さんの面会について

※3月11日付調査会NEWS 758に書いた内容に加筆したものです。

 何よりも無事に終わってくれてよかったというのが正直なところです。

 飯塚代表・耕一郎さんにとって、そして金さんにとって、何とも長い道のりでした。盧武鉉政権時代に、ややもすれば大韓機事件自体が韓国政府のでっち上げにされるところであり、金賢姫さんの身柄もどうなるか分かりませんでした。北朝鮮体制に翻弄された人生という意味では飯塚さんも耕一郎さんも金賢姫さんも、そして田口八重子さんも大韓航空機に乗り合わせた乗員乗客の皆さんも同じです。その事件が歪曲されたり忘れ去られないためにも、この面会であらためて大韓航空機事件とは何だったのか、内外に知らせることができたという意味は大きいと思います。日韓両国の政府関係者のご尽力に敬意を表する次第です。

 私たちとしてはさらに金賢姫さんがこれまで明らかにできなかったことを明らかにしていってもらいたいと節に希望する次第です。特定失踪者のご家族でも今回の面会で新たな情報がでるのを期待された方が何人もおられましたが、ともかく両者が会えたことで今回は十分だったと思います。今後可能な時点で特定失踪者についても新たな情報がないか確認していきたいと思っています。

 記者会見で耕一郎さんが「認定されていない人も含めて」と言ってくれていました。通常であれば八重子さんのことだけで頭がいっぱいになっているのが普通だと思いますが、そういうときにこう言ってくれたのはとても嬉しく思いました。

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2009年3月 8日

脱北帰国者と不法入国の問題について

※3月8日付調査会NEWS757号に書いたものです。

 脱北帰国者の女性が自分の親族と偽って全く関係のない中国人を日本に入国させ、逮捕されたとの報道がありました。私たちにも関わりのある人であり、大変残念に思うと同時に、今後のため見解を申しあげておきたいと思います。

 この事件とは関係ありませんが、私自身情報収集の過程で、あるブローカーから中国人のビザを取って欲しいと言われたことがあります。事情に詳しい人に相談したところ、「間違いなく不法滞在を想定したものだから、手を付けない方が良い」と言われてやめました。

 確かにそのリストには中国の朝鮮族どころか福建省の漢族まで入っており、どう考えても日本への入国ビジネスに使われているとしか思えないケースでした。いくら中国で反日騒ぎをしても、中国人にとって日本というのは現実にはそれだけ魅力のある地だということなのでしょう。ちなみに幸か不幸か、このケースでは情報の方も極めて不確実なものでありました。

 今回のことも脱北者の置かれた状況と日本への入国ビジネスの問題が関係しているのでしょう。私自身、例えば中国人の不法入国を手助けしたら本当に日本人拉致被害者を取り返せるという確証があるなら、それに手を付けてしまうかも知れません。いわんや命がけで脱出する人が、その途中で様々な手段を使うことは一種の緊急避難でもあり、ある程度までは仕方のないことではないかと思います。

 日本国内での法律違反については司法の場で裁かれるべきことですし、問題をすりかえるつもりはありませんが、根本的には北朝鮮から脱出せざるを得ない人間がいることと、本来自由に往来できるはずの日本人妻や、家族がほとんど戻って来られないこと、つまり北朝鮮の体制にかかわる問題だと思います。

 今後脱北帰国者受け入れのみならず、拉致被害者救出の直接の活動の中でも様々に複雑なことが起きる可能性はあります。DNA鑑定等も含め現地領事館で姻戚関係の証明ができるようにしていかなければなりませんが、一方で北朝鮮の中にいたときの状況から、自分自身が日本縁故者、あるいはその家族であることを証明しようのないケースもあり、あまり入口を閉めてしまうと、今度は救える人も救えなくなります(この点は今の拉致認定制度を考えていただければ分かると思います)。直接関わっているNGOの皆さんも私たちも、外務省の担当者の皆さんも、色々な意味で試行錯誤が続くでしょう。

 今回のことで他の脱北帰国者の皆さんが同じように見られることのないように、また、今後へのマイナスにならないように、切に期待する次第です。

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2009年3月 2日

海外事情2月号

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ちょっと時間が前後しますが私の所属する拓殖大学海外事情研究所の「海外事情」2月号(特集 オバマ政権の外交・安全保障政策の展望)に「米国と朝鮮半島」と題し書きました。ご関心のある方はご一読いただければ幸いです(お問い合せ、ご注文は拓殖大学研究支援課 03-3947-7597までお願いします)。

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小沢発言について

※3月2日付調査会ニュース755号に書いたものです。

 今日の産経新聞に小沢一郎・民主党代表の発言が載っていました。
「拉致問題は北朝鮮に何を言っても解決しない。 カネをいっぱい持っていき、『何人かください』って言うしかないだろ」

 記事には箝口令が敷かれたと書かれていますので、事実関係の確認はできないかもしれませんが、この際民主党は拉致問題にどう取り組むのか、明確にしていただきたいと思います。

 民主党の議員さんの中には自民党より拉致問題、北朝鮮人権問題に熱心な方も多く、調査会としてもこれまでいろいろな側面で協力をしていただいています。個人的には私の古巣の民社党から行った人も多く、知己も多いので何かと無理を聞いてもらってもいます。

 自民党の支持率低迷もあり、次期総選挙での政権交代の可能性も高まっています。私たちとしても、政権交代によって今政府が拉致問題について隠していることの一部でも国民の前に明らかにできるのではないかという期待も持っています。 しかし、そこでどうしてもひっかかるのが「今の民主党で本当に大丈夫なのか」という、おそらく多くの国民が持っているであろう疑問です。特に、これまでほとんど拉致問題への言及を聞いたことのない小沢代表が、今回のような発言をしたとなると、いくら熱心な議員さんがおられても不安が高まることは否定できません。

 この際、不安を払拭するためにも小沢代表自ら「民主党政権になったら今のような『帰国を求める』ではなく、責任をもって救出を実現する」と宣言し、具体策を提示していただけないでしょうか。そうすれば国民は民主党政権を安心して迎えられるでしょう。逆に自民党が今までの方針を転換して「拉致された国民を救出する」と明確に打ち出し、広報活動ではない、具体的な救出作業を進めていけば支持率は今からでも回復できると思うのですが。

 先週土曜、名古屋で田母神俊雄・前航空幕僚長、増元照明・家族会事務局長と講演会でご一緒しました。田母神さんは「自衛隊を動かしてでも、ぶん殴るぞという姿勢見せなければ拉致問題は解決しない。何もしないと分かっていたら相手は言うことを聞くはずがない」と語られましたが、シビリアンコントロールを守ろうとするなら、この姿勢を最も見せるべきは政治家です。拉致被害者の救出にあたっては「救出する」という決意をまず政治が行わなければなりません。交渉はそのための手段のひとつであって目的ではありません。

 「何人かください」とか「帰国を求める」などと、この国を動かしている人たちが言っているようであれば、政権交代以前に政治への不信はさらに高まるでしょう。 
 

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2009年3月 1日

「正論」4月号

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「正論」4月号に「予備自衛官になって分かったっ専守防衛という虚構」と題して書きました。予備一等陸曹の肩書きです。いつ防衛省から怒られるかと思っているのですが、いまのところ何も言われていません。

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