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2009年3月18日

拉致認定の問題について

※本日(3月18日)付調査会NEWS 762号に書いたものです。

 昨日の拉致議連総会、そしてその後参加ご家族と調査会役員で行った懇談の場でもいろいろ議論があったのですが、現在の拉致被害者認定において問題を複雑化させている理由のひとつに、認定が支援法によって行われていることがあります。

 もう6年以上経っているので経過をご存じない方の方が多いと思いますが、9.17小泉訪朝のひと月後に5人の拉致被害者が帰国したさらにふた月後の平成14(2002)年12月10日、「北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律」(通称支援法)が制定されました。条文は官邸のホームページから見ることができます。

http://www.rachi.go.jp/jp/shisei/hourei.html

 この法律は帰国した被害者を支援することを目的とした法律です。帰国した被害者の支援は当然のことであり、あのときのどたばたの中で関係者の皆さんはかなり苦労をして作られたのでしょう(議連総会でも当時官房副長官として支援法制定に努力された安倍元総理が当時のことを語っておられました)。しかし、問題は帰国した被害者を支援するための法律による「認定」が、まだ北朝鮮にとらわれている拉致被害者の救出の基準になっていることにあります。

 現在政府が北朝鮮から帰国(救出ではない)させようとしているのは認定被害者だけであり、それ以外の被害者は「認定されれば」、というのが基本的な姿勢です。しかし、支援法制定以後6年あまりの間に認定されたのは田中実さんと松本京子さんの2人しかいません。警察的な証拠主義に基づく拉致認定がいかに難しいかは誰の目にも明らかです。また、証拠がいくらあっても寺越事件のように認定されないケースさえあるのです。

 帰国できた人の支援であればこの基準で問題ないでしょう。事実関係は明白なのですから。問題は北朝鮮にいて、大部分を北朝鮮当局が隠しており、またほとんどは現時点で政府が拉致認定をしていない拉致被害者を助け出すことにこの法律がかえって足かせになっていることにあります。そしてそれによって拉致の全体像が矮小化されているために、結果的には未認定の被害者だけでなく、認定された拉致被害者の救出にもマイナスになっているのです。

 昨日の平沼拉致議連会長宛の要請文書でも拉致認定基準の見直しをお願いしたところですが、この問題は国会議員で理解している人は少なく、お役所では理解していないか、理解していてあえて仕事を増やさないために放置しているのではないかと思います。帰国した被害者の支援のための法律が今もとらわれている被害者の救出の足かせとなっている現状は変えなければならないと思います。 皆様のご協力をよろしくお願いします。

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