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2009年4月 4日

ミサイル

※本日4月4日付で発信した調査会NEWS 768号に書いたものです。

 午前10時ごろ「衛星打ち上げの準備が完了した。間もなく打ち上げる」と報じたとの朝鮮中央通信の報道(新華社が伝えたもの)を聞いたとき「何でそんな発表をするんだろうか」と思ったのですが、結局今日は発射しませんでした。別に予告などする必要はないのにわざわざ断るのは、内部に何かあるということでしょう。少なくとも天気のせいではないはずです。天気のせいなら撃たなかった理由を直ぐに発表するでしょうから。あるいは国際的な圧力を懸念して発射に反対している勢力があるのかも知れませんし、見えないところで中国あたりが圧力をかけたのかも知れません。

 いずれにしても、準備をしている以上こちらも対応はしなければなりませんが、今回のことは撃たなくても、演習だと思えば十分に意味はあります。北朝鮮のミサイルで日本に本当に脅威になるのはすでに実戦配備されているノドンであり、北朝鮮以外でも中国のミサイルは日本も標的になっているのですから、いずれにしてもミサイルに備えておく価値はあります。多少でも対応ができることを示すことで抑止効果も生まれます。

 ミサイル防衛は政府高官もつい本音を語ってしまったように、当たる確率はかなり低いと思います。こちらは「専守防衛」、野球なら延々と守りの側を続けているのと同じですから、どんなに守備が上手くても守り続ければかならずボロが出るでしょう。ミサイル防衛だけでミサイルから国土を守るのは不可能ですが、今回のように備えをしていけば、何が足らず、どうすべきか分かってくるはずです。

 先々週収録した 「しおかぜ」の朝鮮語放送では「撃つなら撃ちなさい、それが金正日政権崩壊のきっかけになるのだから」という趣旨のことを言いました。FAXでもそんなことを書いて送りました。自制を求めた日本政府とは反対にこちらは挑発したのですが、それが効いたかどうかは別にして、北朝鮮相手には「専守防衛」よりは「恫喝」の方が効果があるように思います。本当に政府に国民を守る気があるならば、ですが。

次の収録は月曜なので、何と言おうかなと考えています。

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