聞きっぱなしはやめよう
※7月21日付「調査会NEWS」944号に書いたものです。
本日軽井沢での飯塚耕一郎さんの記者会見で、金賢姫が田口八重子さんや横田めぐみさん以外に見たことがあるような気のする人物がいるという趣旨の(正確な言葉は分かりませんが)話をしていたと伝えられました。「詳細は警察当局に言っている」と金賢姫は語ったそうです。
「警察当局に言っ」たのはもちろん今回ではなく、昨年飯塚繁雄さんと耕一郎さんが訪韓して金賢姫に会った前後のことです。つまりそれから1年間、情報があっても事態は何も動いていなかったということになります。警察は、そして政府はこの間いったい何をしていたのでしょう。まさか「確認ができない」とか言って隠蔽してきたわけではないと思いますが。
これまでもそうですが、いくら情報を収拾してもそのままでは何の意味もありません。隠すなら具体的な救出の手はずを進めるか、それができないなら家族はもちろん、国民にも知らせるべきです。せっかく厖大な労力をかけて情報収集のために彼女を呼んできたのなら、明確な成果を出さなければ意味がありません。最も優先されるべきは「救出」であり、そのための情報収集です。そのことを忘れてはいけません。
ご参考まで、前に流した田原総一郎氏の裁判における陳述書をもう一度引用しておきます。再びこうならないことを望むのみです。
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私(田原氏)は、(北朝鮮から)帰国後の平成19年11月8日、外務省にて、外務省幹部4人と拉致問題について話し合いました。(中略)私が、ソン・イルホ大使が「8人以外に複数の日本人が生存している」と話したことを伝えたところ、外務省幹部は「同じ話を聞いているが、8人以外の複数の日本人が帰国しても、北朝鮮に対する世論が好転することはないと判断したため、その話はなかったことにした。」などと話しました。
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