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2010年8月18日

政局

※8月18日発信の調査会NEWS954号に書いたものです。

 秋の民主党大会を控え、「菅おろし」だ「小沢つぶし」だと色々騒がれています。国民の関心は盛り上がらないものの、政治部の記者さんからすればこれくらいしかネタがないというのが正直なところでしょうか。

 総理が代わるといつも「○○政権で拉致はどうなりますか」と聞かれます。救出運動がスタートしたのは13年前、橋本政権のときでしたから、橋本さんから菅さんまで9人の総理がこれに関わったことになります。これだけ代わると個別に期待しても仕方ないというか、誰が総理になっても動かざるを得ないようにしていくしかありません。

 幸い本心はともかく、もう何党が政権についても「拉致を棚上げして国交正常化を実現します」とは言わないでしょう。かつては自民党の外交部会で当時の槇田邦彦外務省アジア局長が「(拉致された)たった10人のことで日朝国交正常化が止まっていいのか」というなど、国交正常化を主権侵害や拉致被害者の人権侵害問題に優先させようという官僚がいました。それが少なくとも表立って言えなくなったのは国民の声によるものだと思います。ならばあと一押しで、誰の政権になっても「この政権こそあらゆる手段を使って拉致被害者を全員救出します」と言わせられるはずです。

 それにしても、島国のせいか、政治家のみならず私たちも政治の関心が国内のことばかりに集中しているように思えてなりません。戦国時代の「天下統一」も結局は日本国内だけのことでした。これだけ交通・通信が発達しても日本人の発想は戦国時代なみなのでしょうか。

 この際もう少し幅を広げて「金正日おろし」とか「張成沢つぶし」とか、国際的な政局で頑張ってみるのはどうでしょう。そうすれば拉致問題ももう少し別の段階に至れると思うのですが。

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