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2011年3月 9日

山梨県警に科捜研があった!

【調査会NEWS1018】(23.3.9)

■山梨県警に科捜研があった!
                            荒木和博

  まあ、科捜研はどこの県警にもあるのですから当たり前と言えば当たり前です。

 コロンブスの卵みたいな話ですが、山梨県警にも科学捜査研究所があり、平成7(1995)年からDNA鑑定ができたそうです。つまり「山本美保さんに関わるDNAデータ偽造疑惑事件」では山梨県警は自分のところを使わずに警察庁の附属機関である科学警察研究所に鑑定を依頼し、それでも分からずに名古屋大学に鑑定に出したということになります。

 昨日(8日)、山梨県議会総務委員会で内田健県議がこの点を質問すると、答弁した県警の担当者は「平成7年より技術的には可能でしたが、この試料は微量であったため慎重に進めるために科警研に出しました」と答えたそうです。山形の遺体の遺留品を家族に見せたのは名古屋大に鑑定を依頼した後です。遺留品の照会もしていない遺体のDNA検査を県警から「うちではできませんのでお願いします」と言われ、科警研は「よっしゃ、分かった」と請け負ったんでしょうか。

 もちろん、こんな話は一切家族には伝えられていません。「山形の身元不明遺体が失踪した双子のお姉さんかもしれないのでDNA鑑定をやりたい」と警察から言われ、そう言われたことを忘れる家族がいるかどうかは常識で考えても分かります。最近はやりの刑事物のドラマでこんなシナリオを書いたら当然ボツでしょう。

 また、担当者は「(DNA鑑定の)同意書に美砂さんの署名捺印をいただいております。鑑定に関しては美砂さんのご理解をしっかり得ているものと承知しております」と答弁したそうです。家族が署名して山形の遺体のことを覚えていないというなら、それはつまり山形の遺体について話さずに署名させたということの証拠のようなものです(刑事ドラマならこちらのシナリオの方が使えるでしょう)。

 このDNA鑑定の責任者である、当時の県警警備1課長丸山潤氏は今はバンコクの日本大使館に勤務していますが、その前は警察庁の外事情報部外事課課長補佐で、一昨年韓国に赴いて金賢姫からの聞き取りをした担当者の一人だそうです。ほとんどブラックジョークのような話です。あるいは金賢姫のDNA鑑定でもやったのでしょうか。

 それにしても、恥ずかしながら私自身山梨県警の科捜研でDNA鑑定が出来たことを知ったのは最近のことです。ちょっと遅きに失した感はありますが、また一つ裏付けができました。

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