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2011年4月12日

北陸現地調査/リスク

【調査会NEWS1037】(23.4.12)

■北陸地方現地調査

 当初3月12日から14日の日程で計画し、東日本大震災の影響で延期になっていた北陸3県の現地調査は次の日程で行うこととなりました。

6月10日(金)富山
6月11日(土)石川
6月12日(日)福井

 詳細についてはまたご連絡します。関係各位にはご対応方よろしくお願い申し上げます。

■リスク
     荒木和博

 福島の原発被災で、突然に専門用語やマイクロシーベルト、ミリシーベルトなどのそれまで聞いたこともなかったような単位が飛び交っています。全く門外漢の自分には何がどうなっているのかよく分かりませんが、想像するのは、例えば大体大丈夫だろうと思える地域でも、絶対に大丈夫だとは言えないために中途半端な発表になり、「それなら可能性があるということか」→「危険ということだな」と話が大きくなって不安を拡大しているのではないかということです(あるいは逆もあるかも知れませんが)。

 安全に絶対などということはあり得ませんし、こんな状況では保証もできないと思いますが、子供ならともかく、私たちみたいな50過ぎの人間では関係ないようなことも少なくないのではないかと思います。誰かが決断してリスクを負ってでも事態を収束させなければならない。それができないことが現在の混乱の一因であるようにも思えるのです。

 なぜこんなことを書いたかと言うと、この発想が拉致認定のことと良く似ているからです。警察はたびたび「もし認定した人が拉致でなかったら北朝鮮から反撃される」と言って拉致認定しない理由にします。しかし、現在のわが国の拉致問題解決(というより、政府によれば「被害者の帰国」)の手段からすれば認定しない限り「帰国」の対象にはならず捨て置かれるだけです。

 しかし、日本政府が認定するかどうかなど、北朝鮮に拉致されている人とは何の関係もありません。「北朝鮮の反撃」というのは、例えば拉致自体を北朝鮮が全面否定していたときならまだしも、既に拉致自体を認めてしまった今となっては全く気にする必要はないはずです。例え100人認定してそのうち10人違っていたとしても、拉致被害者の救出が進むならその方が遥かに正しい選択ではないでしょうか。僅かなリスクを恐れて本来の目的に目をつぶることはあってはなりません。

 救出するという本来あるべき目的をあえて隠して、帰国させるなどという言葉で誤魔化すのはかつて占領軍を「進駐軍」と言い換えて精神の安定を得たのと同じ発想です。警察がリスクを負わないならその上の政府の決断によって別次元の行動をすべきだと思います。福島の原発への政府の対処を考えるとき、その思いはさらに強くなっています。

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