茶番劇
【調査会NEWS1050】(23.6.3)
■茶番劇
荒木和博
昨日の菅直人総理の辞任表明(?)は、終わってみると続投表明だったという、文字通り「茶番劇」でした。まあ政治の世界では騙された方が悪いのかも知れませんが、あの生き残りの能力を震災の復興や拉致被害者の救出に使ってくれれば事態はどちらも一気に進展するように思います。
さて、もう一つの「茶番劇」の話。
前のニュースで流したように、一昨日私は山下滋夫調査会理事及び「山本美保さんの家族を支援する会」の皆さんと共に山梨県警本部を訪れ、バンコクの日本大使館にいる丸山潤・元県警警備1課長に出した質問に関する回答を聞きました。バンコクへの質問が甲府で返ってくるというのをグローバル化というのかどうか分かりませんが、その割に県庁の中をやたら歩かされて着いたところは最初の集合場所の直ぐ近くの会議室。バンコクから甲府より甲府の県庁の中の方が長かったような気がします。そこで警備部長を初め数人の方から話を聞きました。
結論からいうと説明の内容は全く話にならないものでした。山形県遊佐町の身元不明遺体とのDNAの照合について、家族は全く聞いていないのになぜ4回も説明したのかという質問には、当時の担当者の作成した文書にそう書いてあるからと言うだけしかも書いた本人には会わせられないの一点張りでした。こちらはその場にいた(もちろん、そんな話は聞いていない)山下理事本人がいるのですが。
また、2回目の鑑定を行っている途中になってから初めて遺留品の写真を見せたのはなぜかとの質問には、「家族を気遣って見せなかった」という答えでした。そんなら何で山形の遺体と照合していると伝えた(ことになっている)のかと聞くと、「言葉で聞くのと写真を見るのは違うから」とのこと。家族を気遣ったなら特定の遺体と照合しているなどと言うとは思えないのですが。ちなみに警察が家族に見せた写真は遺体の写真ではなく遺留品の写真です。
それどころか今度はもう一つ、酒田で発見された別の漂着遺体についても調べたなどと、この7年間で初めて聞く話が出てきました。もっと言えば警備部長の口からは「警察が事前に情報を漏らすことはない」(マスコミにリークすることはない)とか、県警が警察庁の指示で動くことはないとか、それこそ開いた口の塞がらないような発言が連発されました(警察担当の記者さん、どう思うでしょうか)。なにしろ警察庁の某幹部は私に電話で「山梨県警から説明させる」と言ったのですが。
長くなりますので続きは次回。ともかく国内で中心になって拉致問題に取り組んでいるはずの警察が拉致問題を隠蔽していては問題が解決するとは思えません。政治があの状況である以上、これを変えるのは民間の力しかないと思います。ご協力をよろしくお願いします。
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