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2011年6月 5日

ペテン師

【調査会NEWS1051】(23.6.5)

■ペテン師
        荒木和博

 鳩山前総理が菅総理を「ペテン師」と言いました。「ペテン師」とは辞書によれば「人をだますのが巧みな人。詐欺師」となっています。二人で会ったときに総理が「トラスト・ミー」と言ったかどうかは別にして、騙したことは間違いない。これをめぐる民主党内の右往左往も含めて永田町が国民を幻滅させるには十分でした。

 さて、もう一つの「ペテン」の話。前号の続きです。

 今回、山本美保さんのお母さん、文子さんの日記の昭和59年7月19日のところに次のように書かれていることが分かりました。6月4日の失踪からひと月半後のことです。

「P3:20たった今お父さんから電話が入ってね。身元不明の名簿6~7月まで調べた結果、なし。ほっとしました。お父さんも調べるのに恐かったって言ってたよ。悪い結果も考えると勇気がなくては出来ないことだもの。そして、二人で話したことは、美保はどこかで働いている。そう信じる。6月8日に柏崎の海岸に落ちていたバックの事がいつも頭から離れないけど」

 当時お父さんは甲府署防犯課勤務で警部補でした。当然6月21日に山形県遊佐町の海岸に漂着した身元不明遺体のことも確認しているはずです。つまりこの時点ですでに山形の遺体が別人であると、プロの警察官であるお父さんは確信を持っていたということです。そしてそれは1日に山梨県警警備部長が私たちに延々と話したこと、先月国会拉致特委で警察庁警備局長が答弁したことすべてが「ペテン」だったことの証明とも言えます。

 何十年も拉致問題全体が解決してこなかった最大の理由がここに象徴されているのでしょう。他の特定失踪者、のみならず政府認定者についても様々な形で「ペテン」が行われてきたのではないか。前総理の言葉を借りれば「はじめから騙す気だったとすれば許し難い」ということになるでしょう。

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