オフレコ
【調査会NEWS1059】(23.7.4)
■オフレコ
荒木和博
松本龍・復興担当大臣が村井嘉浩・宮城県知事に言った暴言(少なくともテレビを見る限りそうとしか見えない)が問題になっています。九州出身だからとかB型だからと言われては九州出身のB型の人は立つ瀬がありません。また地方分権を目指すはずの民主党が、県民から選ばれた知事に命令口調で話すのも党内でもっと問題になってしかるべきです。さらに、あのテレビの音声で、大臣の発言の直後に「これはオフレコですから。いいですか。書いたらその社は終わりだから」と言った人間がいました。これまた大臣の発言と同様大失言だと思います。そういった人間も大臣も「終わり」でもおかしくないはずです。
それはともかく前号ニュースの河嶋さんの件ですが、「河嶋さんの名前を9・17小泉訪朝で北朝鮮に行く前から知っていた」「(功一さんは)どこで拉致されどこから国外に連れ出されたかさえ分かれば認定になる」との高石静岡県警本部長(当時)発言は「オフレコ」だったそうです。
しかし、「オフレコ」と言いながら、その場には御家族のみならず支援者である「河嶋功一君を捜す会」の方々もおられたとのこと。皆さん真面目なので「オフレコ」と言われたのを守っておられたようです。そのためにこの間報道もほとんどされてきませんでした。当時周囲の県警関係者が本部長の発言を聞いて慌てていたと言いますし、他で県警本部長がこんな話をしたのは聞いたことがありません。高石氏としては自分の判断で話したのではないか。これはご本人が亡くなられているので確認のすべもありませんが。
さらに、このときの「オフレコ」は建前で、実際は発言が広がることを期待したのかも知れません(世の中「ここだけの話だが」というのが一番人に伝わりますから)。私は高石氏には警察庁の外事課長当時に会ったことがあるだけでどんな人かよく存じませんが、警察の中にも国民に本当のことを知らせるべきだと思っている人がいるということでしょうか。
いずれにしても、このことは極めて重要な問題です。遙か前から河嶋さんのような、「ほぼ認定」と言える人が多数いるということを政府・警察が認識していた可能性も出てくるからです。誰か警察の関係者で私たちや家族、報道関係者に「オフレコ」で話してくれる人はいないでしょうか。
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