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2011年7月 3日

「河嶋功一さんは認定直前」県警本部長が語っていたことが明らかに

【調査会NEWS1058】(23.7.3)
■「河嶋功一さんは認定直前」県警本部長が語っていたことが明らかに

 昨日2日、浜松市で東海ブロックの特定失踪者家族懇談会が開催されましたが、その場で平成16(2004)年12月21日、当時の高石和夫静岡県警本部長が特定失踪者河嶋功一さんの御家族らに「河嶋さんの名前を9・17小泉訪朝で北朝鮮に行く前から知っていた」「(功一さんは)どこで拉致されどこから国外に連れ出されたかさえ分かれば認定になる」と語っていたことが分かりました。

 高石氏は県警本部長を退任した後、警視庁副総監などを務め平成20(2008)年12月に亡くなっていますが、このときは功一さんのお母さんである河嶋愛子さんら御家族・支援者の方々が本部長と面会した席でオフレコの話として伝えられたものです。その後既に7年が経過して政府の対応に進展もないため昨日内容を確認し、明らかにする次第です。

 小泉訪朝の前から河嶋さんの名前を知っていたというのが事実なら、当然知っていた名前は河嶋さんだけでなかったはずで、多くの拉致の疑われる案件を政府は隠し続けてきたことになります。また、「どこで拉致されどこから国外に連れ出されたか」というのは拉致認定の三要件のうち警察が最も得意とするはずの日本国内での捜査に関わる部分で、それがまったく結果を出してこなかったとも言えます。あるいは現場では結果を出したのに上で押さえられたのかもしれません。

 河嶋功一さんについては「労働新聞に写真が載った」「北朝鮮のここにいる」「お母さんを連れてくれば会わせる」などこれまでも様々な情報が北朝鮮から寄せられてきました。そのどれについても100%の確度はないものの、状況から考えて拉致されたことは間違いないと思われます。北朝鮮側からすでに日本政府に名前が提示されている可能性もあります。

 「命がけでやっている」はずの政府が、事実上拉致であるとの確信を持っていた事件について救出はおろか7年間何の進展もさせられなかったということは、極めて重い意味を持っています。あらためて拉致問題全体への対応の見直しが必要でしょう。

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