平田信
※当初平田信の名前を「誠」としていました。修正しました。
【調査会NEWS1117】(24.1.4)
■平田信
荒木和博
別にオウムと北朝鮮の関係についての話ではありません。
平田信が出頭しようとしてオウム真理教の情報を求めるフリーダイヤルに何度電話してもつながらず、直接行っても警官に相手にされずたらい回しにされたという話は、「踊る大捜査線」あたりのネタになりそうですが、拉致問題に関わっている目で見ても「まさか」ではなく「そうだろうなあ」と思わずにはいられません。
現場の警察官はそれなりに職務を忠実にこなしているのでしょうが、おそらく入ってくる情報はガセネタやイタズラ、あるいは攪乱情報のようなものばかりであるはずです。それに慣らされた結果が本物を見落としてしまうということだったのでしょう。上の方もルーチンワークになって、とりあえずやっておけば良いということだったのだろうと思います。
今後マスコミに叩かれ、国会でつっつかれたりすれば、やることは言い訳を探すのと現場に対して無理な要求を押しつけるだけでしょう。ドラマの「相棒」で上司が部下に「何かあったら俺は知らなかったことにする」というセリフがありましたが、笑い話では済まされません。
本当にこの間の警察の方針が平田をはじめとするオウムの逃亡幹部を見つけようとするものだったのか、あるいは「捕まえると後が面倒なので、出てこないままでいてくれた方がありがたい」というものだったのか、検証の必要があります。もちろん現場で大変な苦労をしたであろう、私たちの目に触れない捜査員の方々には敬意を表した上でのことですが。
拉致問題に置き換えれば、被害者を救出し、国内の実行犯を検挙してスパイ組織を壊滅させ拉致問題を解決しようとするのではなく、警察が拉致問題で長年積み重ねてきた不作為を隠そうとしてきたのではないかということです。外事畑のことは刑事事件と異なり警察庁直轄ですからそれをしてきたのは現場ではなく、警察庁警備局の歴代幹部の責任でしょう。ちなみに歴代幹部の中には過激派との関係を噂されている人物もいるのだそうです。
そしてさらに言えばそのような構造を(警察だけではなく、また拉致以外の問題も含めて)何十年もの間許してきた政治の問題でもあると思います。そうなるとその民主主義の中でその政治を許してきた国民の責任に最後はかえってしまうのですが。
ひょっとしたら元工作員や、場合によっては現役の工作員などから様々な情報がこの間上がってきていたのかも知れません。今からでももう一度、情報の収集や精査の仕方の見直しが必要だと思います。私たちも今年は、これまでやってきたことをもう一度見直そうと思っている次第です。
| 固定リンク