強制的失踪作業部会
【調査会NEWS1173】(24.4.7)
お知らせした通り、一昨日ICNK(北朝鮮における『人道に対する罪』を止める国際NGO連合)の記者会見が行われ、藤田進さん(昭和51年埼玉県川口市で失踪)について、弟の藤田隆司さんがジュネーブの国連人権委の強制的失踪作業部会に申立を行うことが発表されました。
藤田進さんについては写真や目撃証言など証拠となるものが多く説明しやすい上に、申立人の隆司さんは各種の北朝鮮人権問題に関わる活動にも参加していることから、ICNKの日本のメンバーが書類作成や英訳などの協力をし、特定失踪者の代表という形での申立になりました。私はほとんどお手伝いせず、偉そうな顔をして記者会見に出ただけですが、隆司さんはもちろん、ご苦労頂いた皆さんに御礼申し上げます。
強制的失踪部会には国連自体がそうであるように、立ち入り調査などの権限がなく、具体的な成果は期待しにくいのですが、これを機会にICNKに所属する世界中の北朝鮮関連人権団体が日本人拉致問題をより理解してくれるようになれば少なくとも北朝鮮への圧力にはなり、藤田さんをはじめとした未認定の拉致被害者の安全を確保することにも寄与するでしょう。
ところで、記録を見直してみたところ、11年前の今日、増元照明さん(当時家族会事務局次長)と私(当時救う会事務局長)はパリ経由でジュネーブに向かっていました。パリで当時韓国の拉北者家族協議会の会長だった崔祐英さんと合流し、まだ拉致「疑惑」と言われていた日本人拉致被害者9人(当時家族会関連の全拉致被害者)と韓国人拉致被害者5人について、ジュネーブの国連人権委員会に今回の藤田さんのものと同様の申立をしてきました。
あれからもう11年経ったのに、まだ外国に頼まなければならないのかと思うとため息が出ます。日本人拉致被害者は自力で取り返し、韓国人の拉致被害者をはじめとする他国の拉致被害者まで日本だけで取り返しておつりが来るくらいでなければならないはずですし、日本にはその力が間違いなくあります。少なくとも何十年の間拉致問題について不作為やミスの隠蔽に使ってきたエネルギーを解決の方に振り向ければそれだけでかなりの人が帰ってくるはずです。最近北朝鮮内部の状況を見ていると、民間でもかなりのことができるのではないかと思い始めています。やはり「自分でやるしかない」と腹をくくれるかどうかでしょう。
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