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2012年4月 6日

配慮

【調査会NEWS1171】(24.4.6)

一昨日4日、神奈川の現地調査を終えました。報告は次のニュースあたりで流しますが、今回は神奈川の失踪に「軍」というキーワードが関わっていることがあらためて認識された次第です。

 その報告はともかく、これまで7回現地調査をやってきて、ふと思ったことがあります。

 この現地調査にはほとんどの日程にそれぞれの県警・所轄署の担当者が同行しています。色々教えてくれる場合もあれば、聞けば答える、という人もいたり、場合によっては遠巻きにして見ている(監視している?)だけというときもあり、その違いを見ているだけでも結構面白いものです。

 ところで、現地調査ではご家族と地元の支援者、調査会役員や報道等関係者がぞろぞろ行って失踪に関連した現場でご家族に話を聞きながら議論します。このやり方に警察の人は違和感を覚えるようで、直接は言われなくても何度かそんな感じを持ったことがありました。

 確かに警察が被害者やその家族に同行してもらって現場検証などをする場合はかなり神経を使います。もちろん事情聴取なども他人のいないところで行いますから、現場での「しおかぜ」収録も含め、私たちの現地調査に違和感を感じるのは当然だと思います。そう感じる現場の方々を批判するつもりは毛頭ありません。

 しかし、特定失踪者というのは多くの場合が国家から捨て置かれたと行っても過言ではない存在です。政府が何もしない、場合によっては隠蔽しようとすらしていることが根本的な問題です。そんな状態だから所轄の人がご家族をときどき訪れて「何かありませんか?」と聞くだけということになってしまうのです。多くのご家族が「何かないかと聞きたいのはこっちですよ」と言っていますが当然でしょう。だからこそ、多少パフォーマンスに見えてもご家族を入れて議論する現地調査の意味もあると言えます。もちろん、そうすべきでないと思われるご家族の配慮はしているつもりで、調査はこのような形でやって皆で関心を持つことに意味があると思われるところに限定して行っています。

 現場が善意を持っていても上の方針が駄目であればどうしようもありません。どうしても根本的なものを変えていかなければならないと思います。

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