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2012年5月 6日

刑事訴訟法47条

【調査会NEWS1184】(24.5.6)

 前にも書きましたが、山本美保さんに関わるDNAデータ偽造事件について、古屋圭司・拉致議連幹事長は警察の幹部にDNA鑑定書の開示を求めています。

 警察はこれまで「捜査中」を理由にDNAデータの開示を拒んできました。去る4月2日の拉致議連総会では牛嶋正人警察庁外事課長が「山本さんの事件につきましては、DNAの鑑定から漂着した遺体と一致したということでございますが、私共これをもってこの事件が解決したなどとは思っておりません。DNAが一致した上で、事件の可能性もあります。あるいは拉致の可能性も否定できるものではありません」と発言しています。これが警察の公式見解で、山本美保さんと山形の身元不明遺体は同一人物であると断定する一方で、その根拠であるDNA鑑定書については「捜査中」を理由に公開しないという、極めて姑息なやり方です。

 しかし、その根拠である刑事訴訟法47条には「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない」とあります。文字通りこれこそが「公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合」であることは明らかです。

 「可能である」というだけで実際にそうだったという理由を示せないのですから、もし警察に自信があるなら唯一の証拠とも言えるDNA鑑定書を公開するのは当然でしょう。それとも公開できない理由があるのでしょうか。

 警察の幹部は古屋幹事長には「検討します」と答えたそうですが、一刻も早く公開して様々な専門家による検討ができるようになることを期待しています。もちろんそれが理屈に合っているからと言ってそれ以外の矛盾を打ち消すことはできないはずですが。

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