ゲーム
【調査会NEWS1194】(24.5.26)
先日、政府機関にいる友人からメールが届きました。「これ相当笑えます」とあって指示されたアドレスをクリックすると、北朝鮮系のサイトで、真ん中に李明博・韓国大統領の顔があり、クリックすると手が出てパンチを食らわすというゲームでした。変なところが凝っていて、殴り続けると顔が腫れて血が出てきて、最後はノックダウンというもの。
なかば呆れて、「確かに。しかし南の保守派もやりそうな…」と返信したら、また彼から返信が届きました。「なんと、ありました」とのことで、確かに同じようなゲームで殴られるのが金正日と金正恩になっていました。韓国の方は少し芸が細かく(?)なっており、アイテムをゲンコツと蹴りと棍棒から選べて、マウスで照準してスペースキーを押すと一発、というものです。一発ごとに点数が加わります。顔が腫れ上がり出血して、最後はノックダウンというのは同じ。
まあ、韓国の方は別に韓国政府がやったというわけでもないでしょうが、こういうメンタリティーは程度の差で、基本的には南北共通です。北朝鮮の最近の李明博糾弾の大集会も、韓国保守系の金正日の人形を燃やしたりするのもこの延長線上にあります。その意味ではこのゲームは南北関係の象徴なのかも知れません。
かつて映画「シルミド」で有名になった1968年の大統領官邸襲撃未遂事件について調べていて、ふと疑問に思ったことがあります。精鋭のゲリラを送って韓国の大統領を暗殺しようという作戦なのに、それが成功したらどうするという計画が見当たらないのです。混乱に乗じて野戦軍を一気に南下させ、統一を実現するといったことは全く想定していませんでした。このことを韓国の情報機関にいた人に聞いてみたら「ヤクザの出入りと同じようなものですよ。相手の親分のタマを取りに行くというような」と言っていました。
70年近くにわたって南北の多くの人が命を失い、家族が引き裂かれてきた分断とは何だったのか、その余波で日本が同胞を拉致され、主権侵害を受け続けてきたのはどういうことだったのか。朝鮮半島研究を30年以上やってきて今頃こんなことを言うのも情けない話ですが、ふとしたことから色々考えている次第です。ひょっとしたら拉致のことも含めて、解決の方法は意外と近くにあるのかも知れません。
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