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2012年8月 1日

「個別具体的な問題」

【調査会NEWS1218】(24.7.28)

 「捜査に支障を来す恐れがあるので個別具体的な問題へのお答えは差し控えさせていただきます」

 拉致問題に関わり始めてからこの言葉を何度聞いたか分かりません。政府側(特に警察)が質問への回答を拒否するときの常套句がこれです。昨日行われた自民党拉致問題特命委員会では藤田進さんの弟さん、藤田隆司さんがジュネーブの国連人権委作業部会での陳述について説明しました。これについて増元照明家族会事務局長が政府側に対し「藤田さんは写真も出ているのに認定しないというなら何をもって拉致認定するのですか」と聞いたところ、このセリフがまたぞろ持ち出されていたそうです(多少言い方は違ったようですが)。

 たとえば山本美保さんに関わるDNAデータ偽造事件、先日の渡辺義彦衆議院議員の質問主意書で「当職(渡辺議員)は山本美保がA70のブラジャーを所持していなかったことを家族から確認しているが、警察庁としては山本美保がそれを所持していたことを確認しているのか」という質問の答えも「詳細を明らかにすることは、捜査機関の活動に支障が生じるおそれがあることから、差し控えたい」でした。

 こんなことは家族に聞けば良いだけのことなのですが、県警発表からでもすでに8年経過しているのに一度も聞いていません。支障が生じるのは捜査ではなく「捜査機関の立場」なのかも知れません。それならいっそ、「拉致問題が進展して様々なことが明らかになると警察庁の立場に支障を来す恐れがあるので…」とすれば良いのではないでしょうか。

 こんなことを放置しておくと、そのうち学校で生徒が先生に指されたときに、「学習に支障を来す恐れがあるので個別具体的な問題へのお答えは差し控えさせていただきます」とか答えるようになるかも知れません。 

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