日本海
【調査会NEWS1228】(24.8.26)
現在1万キロ現地調査第10回の途中です。後日発表しますが昨日も色々なことが分かりました。今日はこれから親不知に向かい、その後柏崎に行きます。親不知を挟んで新潟側で昭和40年に藤田進さん、昭和43年に富山側で屋木しのぶさんと水島慎一さんが失踪しています。水上勉の小説『砂の紋章』にもここを舞台とした北朝鮮の工作活動が出てきますが、この小説は実際にあった話をもとに書かれたと言われており、藤田さんの失踪と関係があるのではないかとも言われています。
藤田進さんのお宅では92歳になるお母さんのフミさんの「しおかぜ」メッセージを収録しました。
「すすむ、かあちゃんはおまえのことを、思わない日はありません。
昭和40年3月26日、カレーを食べて出かけたよね。あの夜から忘れたことはありません。
この空の下、どこかでいきていると信じてかあちゃん頑張っています。
必ず、生きて会いたい!」
フミさんはきれいな字でこう書かれたメモを読んでおられました。お宅から関連地点へと移動する際、ご自宅の玄関で両手を合わせて私たちを拝んでおられた姿には申し訳ないというか、悔しいというか、何ともやりきれない思いでした。
ところで、今回はいわゆる「大町ルート」を通りました。松本から大糸線沿いに国道を北上し、山中を抜けて日本海が見えたとき、ふと「ここを通ってきた工作員は日本海を見て『ああ、これで祖国に帰れる』と思ったのではないか」と感じました。固定スパイでなければ人質である家族を北朝鮮に残してやってきたのでしょう。こっちは彼らに奪われた人を取り返す立場ですから変な感傷にひたっている場合ではないのですが。
何とか少しでも真実に肉薄していきたい、一日も早く取り返したいと思うばかりです。
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