【調査会NEWS1252】(24.10.28)
■1万キロ現地調査第12回(鳥取)報告
遅くなりましたが去る10月20日、21日に行われた特定失踪者問題調査会1万キロ現地調査 第12回「鳥取地区」調査結果の概要についてお知らせします。
1.現地調査の目的
(1)現地調査により個々の事件及び北朝鮮による拉致・工作活動への認識を深める。
(2)広報啓発活動を通し今後の工作活動を抑止する。
(3)現地で特定失踪者家族から北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」のメッセージを収録する。
2.参加者
(1)調査会役員
代表荒木、副代表岡田、専務理事村尾、常務理事妹原・杉野・曽田・武藤
(2)御家族
古都資朗さん(古都瑞子さん弟)、上田淳則さん(上田英司さん兄)、矢倉三夫さん(矢倉富康さん父)、野田京子さん(野田福美さん妻)、松本孟さん(松本京子さん兄)
3.日程
10月20日(土)09:15 JR米子駅前スタート
○大山寺
広田公一さんの最終失踪関連地点、大山寺駐車場から阿弥陀堂まで調査。
〇皆生温泉
古都瑞子さん、非公開女性Aさんの最終失踪関連地点、日野川及び堀川河口、温泉街海岸一帯調査。
古都資朗さんからの説明聴取。しおかぜ収録。
〇米子市内非公開男性・Nさんの最終失踪関連地点。
〇米子ワシントンホテルプラザ
上田淳則さんからの説明聴取・しおかぜ収録
10月21日(日)09:00 JR米子駅前スタート
○矢倉富康さん宅
矢倉三夫さんからの説明聴取・しおかぜ収録
〇野田福美さん宅
野田京子さんからの説明聴取・しおかぜ収録
〇境港市内
矢倉富康さん最終失踪関連地点・北朝鮮への不正輸出で摘発された会社等調査。
〇米子市和田町
松本京子さん拉致現場〜自宅周辺〜海岸の調査。松本孟さんからの説明聴取・しおかぜ収録。
3.調査対象者
□氏名:非公開(女性)
生年月日:昭和22(1947)年
本籍:岡山県倉敷市
当時住所:岡山県倉敷市
当時身分:浪人生
失踪日:昭和42(1967)年12月(当時20歳)
最終失踪関連地点:鳥取県米子市東福原の海岸
特記事項:岡山県倉敷市の自宅から失踪、5日後に鳥取県米子市の福原海岸で本人のコートと靴が発見される。
□氏名:広田 公一(ひろた こういち)
生年月日:昭和29(1954)年1月21日
本籍:兵庫県尼崎市
当時住所:兵庫県尼崎市
当時身分:JAF職員
失踪日:昭和59(1984)年 7月21日(当時30歳)
最終失踪関連地点:鳥取県 国立公園大山
特記事項:鳥取県大山登山に1人で出かけた。車は大山登山口南光川原駐車場に止めたままで、午後6時20分到着のメモを残す。
□氏名:古都 瑞子(ふるいち みずこ)
生年月日:昭和5(1930)年4月8日
本籍:鳥取県米子市
当時住所:鳥取県米子市東福原
当時身分:皆生温泉仲居・仲介業
失踪日:昭和52(1977)年11月14日(当時47歳)
最終失踪関連地点:鳥取県米子市皆生温泉街または周辺地域
特記事項:脱北者・金聖愛氏が平成2(1990)年、「清津の外貨食堂で会った」「2002(平成14)年2月頃にも姑の自宅前に住んでいた」と証言している。
□氏名:非公開(男性)
生年月日:1980(昭和55)年
本籍:鳥取県米子市
当時住所:京都府京都市
当時身分:大学3年生
失踪日:2001(平成13)年12月(当時21歳)
最終失踪関連地点:鳥取県米子市内
特記事項:京都から米子市内の実家に帰り失踪している。
□氏名:矢倉 富康(やくら とみやす)
生年月日:昭和26(1951)年11月23日
本籍:鳥取県米子市大崎
当時住所:鳥取県米子市大崎
当時身分:漁師
失踪日:昭和63(1988)年8月2日(当時36歳)
最終失踪関連地点:鳥取県・美保関と隠岐島の中間地点で漁を予定
特記事項:8月2日午後6時に「一世丸(5t)」に乗船して1人で出港し、翌3日の午前6時に帰港する予定だったが帰港せず海上を捜索の結果、船だけが竹島沖南南東25キロで発見される。漁師になる前は優秀なエンジニアであった。
□氏名:野田 福美(のだ ふくみ)
生年月日:昭和9(1934)年11月5日
本籍:島根県八束郡美保関町(現在松江市美保関町)
当時住所:島根県八束郡美保関町
当時身分:漁師
失踪日:昭和57(1982)年10月28日(当時47歳)
最終失踪関連地点:北海道礼文島沖
特記事項:イカ漁の最中失踪。当日海は穏やかで無線にて僚船と10時半頃まで交信のあと消息不明。後に船だけが操業状態のまま発見される。海保のヘリや、礼文島住民、僚船が丸一日捜索して見つからず捜索が打ち切られた。
□氏名:松本 京子(まつもと きょうこ)
生年月日:昭和23(1948)年9月7日
本籍:鳥取県米子市
当時住所:鳥取県米子市和田町
当時身分:縫製会社・社員
失踪日:昭和52(1977)年10月21日(当時29歳)
最終失踪関連地点:鳥取県米子市和田町(自宅近く)
特記事項:平成18(2006)年11月20日「拉致認定」
4.調査結果の概要
(1) 広田公一さん
○大山寺の南光河原駐車場(広田公一さんの車両発見現場)から登山道途中の阿弥陀堂(当時の捜索時、警察犬が臭いを辿った場所)までの現地確認と大山寺関係者に聞き込みを行った。
当時を知る関係者からは「当時は観光客と登山者でごった返していたが、登山者は大体が午前中に山に入るため、午後からは観光客ぐらいしかいなかったように思う。夕方(広田公一さんの車内からは『午後6時20分着』のメモが発見されている)に南光河原駐車場に着いたのなら、まだ明るい状態なので翌日の登山のために阿弥陀堂位までは道の様子を見る為に上がってきたのかもしれない」とのことだった。
また、以前に調査会役員が現地(大山寺地区)で聞き込みを行った際には捜索に加わった方から「地元(大山寺地区の登山道から獣道まで知っている)の人間があれだけ探して見つからないのは不思議だ」との声も聞かれたことが報告された。
○広田公一さんの当日の行動については、岡山県内に立寄ったとされ、この際に「女性が同伴していた」との情報もあるが、車内からは女性の存在を伺わせる遺留品は見つかっておらず、女性が実際に同伴していたのか、別人と間違えた目撃証言なのか謎が残っている。
(2) 古都瑞子さん
○皆生温泉地区の現地確認と地元の方から当時の皆生温泉の状況等について聞き込みを行ったほか、弟の古都資朗さんに当時捜索が行われた日野川河口や堀川河口付近の案内をして頂きながらお当時の状況について説明を受けた。
○また、堀川河口にある米子市漁業漁民センターで漁師の方に話を聞いたところ「当時は漁業無線に朝鮮語のような外国語で話す電波がしょっちゅう飛んでいた。陸上のタクシー無線にも電波が入っていると聞いていた」と当時、漁船やタクシー無線で頻繁に怪電波が傍受されていたことが明らかになった。
〇温泉街の理髪店の店主にお話しを聞く。古都さんよりも別の失踪者(未登録の男性Sさん)について記憶していた。
Sさんは店主の弟さんと同級生。重量挙げの選手で三宅(父)がオリンピックに出たときの補欠候補だった。両親は苦労して早稲田に送った。酔うと暴れることがあり、当時は横浜に住んでいたのでトラブルで海に落とされたのではないかなどとも言われた。地元での関心は低かったとのこと。
(3)非公開女性Aさん
古都瑞子さんの失踪より10年前の1967(昭和42)年暮れに岡山県倉敷市から失踪し、5日後にコートと靴が皆生温泉の海岸であったことから、現地の状況などを確認したが、この際に調査会理事から新たな情報として皆生温泉の海岸では市内の男性が車を残したまま失踪しており、不可解な失踪が続いていたことが新たに情報提供された。
○特定失踪者で海岸に不自然な遺留品があったケースは1984(昭和59)年6月に山梨県甲府市で失踪し、4日後に新潟県柏崎市の海岸でセカンドバッグが発見された山本美保さん。翌1985(昭和60)年暮れに隣の兵庫県で失踪し翌日同じ県内の竹野町竹野弁天浜で同様バッグが発見された秋田美輪さんなどの例がある。
(4)非公開男性Nさん
○自宅を出た後、数百メートル先の地点で歩く姿を目撃されているがどちらに向かっていたかは不明。
ご家族の話では「失踪後、無言電話などは一切なし」とのこと。
(5) 野田福美さん
○地元は美保関だが、北海道礼文島沖の沖合いで漁をするため、失踪の約5年前から季節になると北海道まで出かけていたという。7月に美保関を出て岩内で1か月程操業してから北上した。毎年11月頃戻っていた。
〇船は昭和53年に新造したもの。
○失踪時は野田さんがリーダーとなり、他の船も含めて10隻ほどで北海道に入っているが野田さんの船には本人一人しか乗船しておらず、また僚船からも少し離れていたため、野田さんの船に何が起きたのか、目撃した僚船は無かった。
〇美保関でイタヤガイの養殖を始めていた。9月には貝の様子を見に飛行機で帰っていた。
○京子さんは「大型船に乗船していた時期、船が時化に遭遇した際にシーアンカーを海に投入して船を安定させていたが、アンカーのロープがスクリューに絡んでしまい、若い漁師が海に入ってロープを切ろうとしたが切れなかった。そんな時、主人が替わって海に入り、ロープを切って窮地を脱したことがあった。そんな人がおぼれるとは思えない」と話されている。
(6)矢倉富康さん
○父・三夫さんからお話しを聞き、また、漁師になる前の『日本精機』跡を確認する。日本精機時代には何度か出張で共産圏にも出張していたことから、新たに関連性について調査の必要性が浮き彫りとなった。
〇失踪当時は夜間操業で朝港に戻る予定だったが戻らないので漁協から自宅に連絡があった。規定で全組合員が船を出しての捜索は3日で打ち切られたが、以後は海保が捜索を行った。
○当時、矢倉さんが使用していた船の写真を確認すると、『波よけ』の下部に他船と衝突したような跡が見られることから「矢倉さんの船よりも小型の船が衝突したのでは?」との意見が出された。塗料が日本の船のものと異なるので当時破片を東京に送った。海保の担当者の話では「直ぐにどこの船か分かる」ということだったが結局連絡はなかった。今後海保などに問合せを行うこととなった。
〇漁師になったのは日本精機の倒産後、友人(氏名不明)に誘われて。三夫さんは反対した。その友人から船と漁業権を譲り受けている。
(7)松本京子さん
○京子さんの兄・松本孟さんに現場等を案内して頂きながら現地を確認した。京子さんが拉致された現場は自宅前の道路から2本目の道路で、海岸が見通せる一直線の道路上で襲われている。道路幅は狭いところでは3m以下で狭い道路である。
○近所の男性が現場を通りかかった際、京子さんと思われる女性が道路に面した民家の裏庭にうずくまり、その横に男2名が隠れるようにしていたため「何をしている」と声を掛けたところ殴られ、男2名は京子さんをつれて海岸方向に走って逃げたとのことであった。
○この状況から、京子さんは襲われた直後でまだ袋も被せられていなかった。近所の方を殴った後、直ぐに逃走しているため、京子さんを剥き出しのまま担いで逃走したと思われること等が理事からの意見で出たが、果たして海岸まで(現場から海岸まで約450mの距離)一直線に行ったのかは疑問の残るところとなった。
〇いずれにしても、本件は拉致途中で目撃されている特殊なケースであり、目撃されたことによって工作員がどのように行動したのかについては今後も分析が必要である。
5 走行距離 146km (累計3,127km)
以上
■調査会役員の参加する講演会等の予定(一般公開の拉致問題に関するイベントのみ)
★11月4日(日) 13:30 拉致問題講演会(庄内ブルーリボンの会主催)
●酒田市ひらたタウンセンター(酒田市飛鳥契約場35 0234-52-3910)
●代表荒木が参加
●問合せ:佐藤忠智代表(090-7327-1346)
★11月8日(木)18:45(現地時間)北朝鮮による拉致問題の国際社会への理解促進シンポジウム(拉致問題対策本部主催)
●ジュネーブ大学UNI-MAIL校舎
●代表荒木・専務理事村尾が参加
●問合せ:(株)オーエムシー内「北朝鮮拉致問題」事務局(03-5362-0120)
★11月14日(水)19:00 北朝鮮による拉致問題の特別講演会(日本航空学園主催)
●学校法人 日本航空学園 山梨キャンパス J-Shipホール(中央本線塩崎駅徒歩10分)
●代表荒木が参加
●問合せ:
★11月23日(金)14:00 拉致・特定失踪者問題の解決を願う集会(嶺南地区特定失踪者の真相究明を願う会主催)
●敦賀市福祉総合センター「あいあいプラザ」(JR敦賀駅徒歩5分 0770-22-1700)
●代表荒木・理事北條が参加
★11月27日(火)映画「めぐみ―引き裂かれた家族の30年」上映会(神奈川県主催)
●海老名市文化会館小ホール(海老名市上郷476-2)
●常務理事杉野が参加
●問合せ:神奈川県県央地域県政総合センター企画調整課
046-224-1111(代表)※要事前申込み
★12月8日(土)13:25「北朝鮮による拉致問題を考える県民の集い」(拉致問題対策本部・秋田県・救う会秋田主催)
●秋田キャッスルホテル(秋田駅徒歩10分 018-834-1141)
●代表荒木が参加
●問合せ:秋田県学術国際局国際課:018-860-1219
★12月9日(日)堺集会
●代表荒木が参加
★12月15日(土)伊万里集会
●代表荒木が参加
★12月16日(日)14:00 北朝鮮拉致問題解決に向けた講演会(熊本県・県教委主催)
●熊本県庁地下大会議室(096-383-1111)
●代表荒木が参加
●問合せ:熊本県庁国際課:096-333-2159
平成24年1月27日(日)川口集会
●代表荒木が参加
◎戦略情報研究所「Sセミナー」
戦略情報研究所では第3回Sセミナー(講演会)を次のように行います。奮ってご参加下さい。
日時:11月16日(金) 19:00〜20:00
会場 UIゼンセン会館2階会議室(東京都千代田区九段南4-8-16 Tel03-3288-3549)
※JR・地下鉄市ケ谷駅下車3分 日本棋院斜向い
講師 三浦小太郎氏(評論家・アジア自由民主連帯協議会会員)
参加費 1000円(戦略情報研究所会員は無料)
※事前の参加申し込みは不要です。
※(株)NetLiveのご厚意でインターネット中継を行います。
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