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2012年10月31日

隼CHANNEL

 戦略情報研究所の映像配信「隼CHANNEL」の最新版がアップロードされました。

http://www.netlive.ne.jp/archive/SII/

 さる8月25日、26日に行われた調査会1万キロ現地調査(甲府→松本→糸魚川→柏崎)の報告です。調査会の活動の合間にやっていますので最新の現地調査の報告とはいきませんが、ぜひご覧下さい。映像からさらに問題の深刻さが明らかになるはずです。

 なお、この配信は(株)NetLiveのご協力で実施しています。

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2012年10月30日

守る会パンフレット

 守る会(北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会・山田文明代表)では「朝鮮学校の秘められた目的・知られざる実態」と題したパンフレットを作成しました。本書の中には上の映像も紹介されていますが、朝鮮学校の本質が簡潔に書かれています。朝鮮学校の無償化問題や補助金問題が、民族差別などではなく、日本にとっては安全保障の問題であり、在日朝鮮人にとっては逆の人権侵害にもなっているという実態をぜひご理解いただければ幸いです。お問い合わせ、お申し込みは守る会関西支部(TEL/FAX 072-990-2887 kalmegi@gmail.com)までお願いします。

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2012年10月28日

1万キロ現地調査第12回(鳥取)報告

【調査会NEWS1252】(24.10.28)

■1万キロ現地調査第12回(鳥取)報告

 遅くなりましたが去る10月20日、21日に行われた特定失踪者問題調査会1万キロ現地調査 第12回「鳥取地区」調査結果の概要についてお知らせします。

1.現地調査の目的
(1)現地調査により個々の事件及び北朝鮮による拉致・工作活動への認識を深める。
(2)広報啓発活動を通し今後の工作活動を抑止する。
(3)現地で特定失踪者家族から北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」のメッセージを収録する。

2.参加者
(1)調査会役員
 代表荒木、副代表岡田、専務理事村尾、常務理事妹原・杉野・曽田・武藤
(2)御家族
 古都資朗さん(古都瑞子さん弟)、上田淳則さん(上田英司さん兄)、矢倉三夫さん(矢倉富康さん父)、野田京子さん(野田福美さん妻)、松本孟さん(松本京子さん兄)

3.日程

10月20日(土)09:15 JR米子駅前スタート
 ○大山寺
 広田公一さんの最終失踪関連地点、大山寺駐車場から阿弥陀堂まで調査。
 〇皆生温泉
 古都瑞子さん、非公開女性Aさんの最終失踪関連地点、日野川及び堀川河口、温泉街海岸一帯調査。
 古都資朗さんからの説明聴取。しおかぜ収録。
 〇米子市内非公開男性・Nさんの最終失踪関連地点。
 〇米子ワシントンホテルプラザ
 上田淳則さんからの説明聴取・しおかぜ収録

10月21日(日)09:00 JR米子駅前スタート
 ○矢倉富康さん宅
 矢倉三夫さんからの説明聴取・しおかぜ収録
 〇野田福美さん宅
 野田京子さんからの説明聴取・しおかぜ収録
 〇境港市内
 矢倉富康さん最終失踪関連地点・北朝鮮への不正輸出で摘発された会社等調査。
 〇米子市和田町
 松本京子さん拉致現場〜自宅周辺〜海岸の調査。松本孟さんからの説明聴取・しおかぜ収録。

3.調査対象者

□氏名:非公開(女性)
生年月日:昭和22(1947)年
本籍:岡山県倉敷市
当時住所:岡山県倉敷市
当時身分:浪人生
失踪日:昭和42(1967)年12月(当時20歳)
最終失踪関連地点:鳥取県米子市東福原の海岸
特記事項:岡山県倉敷市の自宅から失踪、5日後に鳥取県米子市の福原海岸で本人のコートと靴が発見される。

□氏名:広田 公一(ひろた こういち)
生年月日:昭和29(1954)年1月21日
本籍:兵庫県尼崎市
当時住所:兵庫県尼崎市
当時身分:JAF職員
失踪日:昭和59(1984)年 7月21日(当時30歳)
最終失踪関連地点:鳥取県 国立公園大山
特記事項:鳥取県大山登山に1人で出かけた。車は大山登山口南光川原駐車場に止めたままで、午後6時20分到着のメモを残す。

□氏名:古都 瑞子(ふるいち みずこ)
生年月日:昭和5(1930)年4月8日
本籍:鳥取県米子市
当時住所:鳥取県米子市東福原
当時身分:皆生温泉仲居・仲介業
失踪日:昭和52(1977)年11月14日(当時47歳)
最終失踪関連地点:鳥取県米子市皆生温泉街または周辺地域
特記事項:脱北者・金聖愛氏が平成2(1990)年、「清津の外貨食堂で会った」「2002(平成14)年2月頃にも姑の自宅前に住んでいた」と証言している。

□氏名:非公開(男性)
生年月日:1980(昭和55)年
本籍:鳥取県米子市
当時住所:京都府京都市
当時身分:大学3年生
失踪日:2001(平成13)年12月(当時21歳)
最終失踪関連地点:鳥取県米子市内
特記事項:京都から米子市内の実家に帰り失踪している。

□氏名:矢倉 富康(やくら とみやす)
生年月日:昭和26(1951)年11月23日
本籍:鳥取県米子市大崎
当時住所:鳥取県米子市大崎
当時身分:漁師
失踪日:昭和63(1988)年8月2日(当時36歳)
最終失踪関連地点:鳥取県・美保関と隠岐島の中間地点で漁を予定
特記事項:8月2日午後6時に「一世丸(5t)」に乗船して1人で出港し、翌3日の午前6時に帰港する予定だったが帰港せず海上を捜索の結果、船だけが竹島沖南南東25キロで発見される。漁師になる前は優秀なエンジニアであった。

□氏名:野田 福美(のだ ふくみ)
生年月日:昭和9(1934)年11月5日
本籍:島根県八束郡美保関町(現在松江市美保関町)
当時住所:島根県八束郡美保関町
当時身分:漁師
失踪日:昭和57(1982)年10月28日(当時47歳)
最終失踪関連地点:北海道礼文島沖
特記事項:イカ漁の最中失踪。当日海は穏やかで無線にて僚船と10時半頃まで交信のあと消息不明。後に船だけが操業状態のまま発見される。海保のヘリや、礼文島住民、僚船が丸一日捜索して見つからず捜索が打ち切られた。

□氏名:松本 京子(まつもと きょうこ)
生年月日:昭和23(1948)年9月7日
本籍:鳥取県米子市
当時住所:鳥取県米子市和田町
当時身分:縫製会社・社員
失踪日:昭和52(1977)年10月21日(当時29歳)
最終失踪関連地点:鳥取県米子市和田町(自宅近く)
特記事項:平成18(2006)年11月20日「拉致認定」

4.調査結果の概要

(1) 広田公一さん

○大山寺の南光河原駐車場(広田公一さんの車両発見現場)から登山道途中の阿弥陀堂(当時の捜索時、警察犬が臭いを辿った場所)までの現地確認と大山寺関係者に聞き込みを行った。

 当時を知る関係者からは「当時は観光客と登山者でごった返していたが、登山者は大体が午前中に山に入るため、午後からは観光客ぐらいしかいなかったように思う。夕方(広田公一さんの車内からは『午後6時20分着』のメモが発見されている)に南光河原駐車場に着いたのなら、まだ明るい状態なので翌日の登山のために阿弥陀堂位までは道の様子を見る為に上がってきたのかもしれない」とのことだった。

 また、以前に調査会役員が現地(大山寺地区)で聞き込みを行った際には捜索に加わった方から「地元(大山寺地区の登山道から獣道まで知っている)の人間があれだけ探して見つからないのは不思議だ」との声も聞かれたことが報告された。

○広田公一さんの当日の行動については、岡山県内に立寄ったとされ、この際に「女性が同伴していた」との情報もあるが、車内からは女性の存在を伺わせる遺留品は見つかっておらず、女性が実際に同伴していたのか、別人と間違えた目撃証言なのか謎が残っている。

(2) 古都瑞子さん

○皆生温泉地区の現地確認と地元の方から当時の皆生温泉の状況等について聞き込みを行ったほか、弟の古都資朗さんに当時捜索が行われた日野川河口や堀川河口付近の案内をして頂きながらお当時の状況について説明を受けた。

○また、堀川河口にある米子市漁業漁民センターで漁師の方に話を聞いたところ「当時は漁業無線に朝鮮語のような外国語で話す電波がしょっちゅう飛んでいた。陸上のタクシー無線にも電波が入っていると聞いていた」と当時、漁船やタクシー無線で頻繁に怪電波が傍受されていたことが明らかになった。

〇温泉街の理髪店の店主にお話しを聞く。古都さんよりも別の失踪者(未登録の男性Sさん)について記憶していた。

 Sさんは店主の弟さんと同級生。重量挙げの選手で三宅(父)がオリンピックに出たときの補欠候補だった。両親は苦労して早稲田に送った。酔うと暴れることがあり、当時は横浜に住んでいたのでトラブルで海に落とされたのではないかなどとも言われた。地元での関心は低かったとのこと。

(3)非公開女性Aさん

 古都瑞子さんの失踪より10年前の1967(昭和42)年暮れに岡山県倉敷市から失踪し、5日後にコートと靴が皆生温泉の海岸であったことから、現地の状況などを確認したが、この際に調査会理事から新たな情報として皆生温泉の海岸では市内の男性が車を残したまま失踪しており、不可解な失踪が続いていたことが新たに情報提供された。
○特定失踪者で海岸に不自然な遺留品があったケースは1984(昭和59)年6月に山梨県甲府市で失踪し、4日後に新潟県柏崎市の海岸でセカンドバッグが発見された山本美保さん。翌1985(昭和60)年暮れに隣の兵庫県で失踪し翌日同じ県内の竹野町竹野弁天浜で同様バッグが発見された秋田美輪さんなどの例がある。

(4)非公開男性Nさん

○自宅を出た後、数百メートル先の地点で歩く姿を目撃されているがどちらに向かっていたかは不明。
ご家族の話では「失踪後、無言電話などは一切なし」とのこと。

(5) 野田福美さん

○地元は美保関だが、北海道礼文島沖の沖合いで漁をするため、失踪の約5年前から季節になると北海道まで出かけていたという。7月に美保関を出て岩内で1か月程操業してから北上した。毎年11月頃戻っていた。

〇船は昭和53年に新造したもの。

○失踪時は野田さんがリーダーとなり、他の船も含めて10隻ほどで北海道に入っているが野田さんの船には本人一人しか乗船しておらず、また僚船からも少し離れていたため、野田さんの船に何が起きたのか、目撃した僚船は無かった。

〇美保関でイタヤガイの養殖を始めていた。9月には貝の様子を見に飛行機で帰っていた。

○京子さんは「大型船に乗船していた時期、船が時化に遭遇した際にシーアンカーを海に投入して船を安定させていたが、アンカーのロープがスクリューに絡んでしまい、若い漁師が海に入ってロープを切ろうとしたが切れなかった。そんな時、主人が替わって海に入り、ロープを切って窮地を脱したことがあった。そんな人がおぼれるとは思えない」と話されている。

(6)矢倉富康さん

○父・三夫さんからお話しを聞き、また、漁師になる前の『日本精機』跡を確認する。日本精機時代には何度か出張で共産圏にも出張していたことから、新たに関連性について調査の必要性が浮き彫りとなった。

〇失踪当時は夜間操業で朝港に戻る予定だったが戻らないので漁協から自宅に連絡があった。規定で全組合員が船を出しての捜索は3日で打ち切られたが、以後は海保が捜索を行った。

○当時、矢倉さんが使用していた船の写真を確認すると、『波よけ』の下部に他船と衝突したような跡が見られることから「矢倉さんの船よりも小型の船が衝突したのでは?」との意見が出された。塗料が日本の船のものと異なるので当時破片を東京に送った。海保の担当者の話では「直ぐにどこの船か分かる」ということだったが結局連絡はなかった。今後海保などに問合せを行うこととなった。
〇漁師になったのは日本精機の倒産後、友人(氏名不明)に誘われて。三夫さんは反対した。その友人から船と漁業権を譲り受けている。

(7)松本京子さん

○京子さんの兄・松本孟さんに現場等を案内して頂きながら現地を確認した。京子さんが拉致された現場は自宅前の道路から2本目の道路で、海岸が見通せる一直線の道路上で襲われている。道路幅は狭いところでは3m以下で狭い道路である。

○近所の男性が現場を通りかかった際、京子さんと思われる女性が道路に面した民家の裏庭にうずくまり、その横に男2名が隠れるようにしていたため「何をしている」と声を掛けたところ殴られ、男2名は京子さんをつれて海岸方向に走って逃げたとのことであった。
○この状況から、京子さんは襲われた直後でまだ袋も被せられていなかった。近所の方を殴った後、直ぐに逃走しているため、京子さんを剥き出しのまま担いで逃走したと思われること等が理事からの意見で出たが、果たして海岸まで(現場から海岸まで約450mの距離)一直線に行ったのかは疑問の残るところとなった。

〇いずれにしても、本件は拉致途中で目撃されている特殊なケースであり、目撃されたことによって工作員がどのように行動したのかについては今後も分析が必要である。

5 走行距離 146km  (累計3,127km)

以上


■調査会役員の参加する講演会等の予定(一般公開の拉致問題に関するイベントのみ)

★11月4日(日) 13:30 拉致問題講演会(庄内ブルーリボンの会主催)
●酒田市ひらたタウンセンター(酒田市飛鳥契約場35 0234-52-3910)
●代表荒木が参加
●問合せ:佐藤忠智代表(090-7327-1346)

★11月8日(木)18:45(現地時間)北朝鮮による拉致問題の国際社会への理解促進シンポジウム(拉致問題対策本部主催)
●ジュネーブ大学UNI-MAIL校舎
●代表荒木・専務理事村尾が参加
●問合せ:(株)オーエムシー内「北朝鮮拉致問題」事務局(03-5362-0120)

★11月14日(水)19:00 北朝鮮による拉致問題の特別講演会(日本航空学園主催)
●学校法人 日本航空学園 山梨キャンパス J-Shipホール(中央本線塩崎駅徒歩10分)
●代表荒木が参加
●問合せ:

★11月23日(金)14:00 拉致・特定失踪者問題の解決を願う集会(嶺南地区特定失踪者の真相究明を願う会主催)
●敦賀市福祉総合センター「あいあいプラザ」(JR敦賀駅徒歩5分 0770-22-1700)
●代表荒木・理事北條が参加

★11月27日(火)映画「めぐみ―引き裂かれた家族の30年」上映会(神奈川県主催)
●海老名市文化会館小ホール(海老名市上郷476-2)
●常務理事杉野が参加
●問合せ:神奈川県県央地域県政総合センター企画調整課
     046-224-1111(代表)※要事前申込み

★12月8日(土)13:25「北朝鮮による拉致問題を考える県民の集い」(拉致問題対策本部・秋田県・救う会秋田主催)
●秋田キャッスルホテル(秋田駅徒歩10分 018-834-1141)
●代表荒木が参加
●問合せ:秋田県学術国際局国際課:018-860-1219

★12月9日(日)堺集会
●代表荒木が参加

★12月15日(土)伊万里集会
●代表荒木が参加

★12月16日(日)14:00 北朝鮮拉致問題解決に向けた講演会(熊本県・県教委主催)
●熊本県庁地下大会議室(096-383-1111)
●代表荒木が参加
●問合せ:熊本県庁国際課:096-333-2159

平成24年1月27日(日)川口集会
●代表荒木が参加
◎戦略情報研究所「Sセミナー」

 戦略情報研究所では第3回Sセミナー(講演会)を次のように行います。奮ってご参加下さい。
日時:11月16日(金) 19:00〜20:00
会場 UIゼンセン会館2階会議室(東京都千代田区九段南4-8-16 Tel03-3288-3549)
 ※JR・地下鉄市ケ谷駅下車3分 日本棋院斜向い
講師 三浦小太郎氏(評論家・アジア自由民主連帯協議会会員)
参加費 1000円(戦略情報研究所会員は無料)
※事前の参加申し込みは不要です。
※(株)NetLiveのご厚意でインターネット中継を行います。
http://www.netlive.ne.jp
__________________________________________
特定失踪者問題調査会ニュース
---------------------------------------------------------
〒112-0004東京都文京区後楽2-3-8第6松屋ビル301
Tel03-5684-5058Fax03-5684-5059
email:chosakai@circus.ocn.ne.jp
調査会ホームぺージ:http://www.chosa-kai.jp
発行責任 者荒木和博(送信を希望されない方、宛先の変更は
kumoha351@nifty.com宛メールをお送り下さい)
●カンパのご協力をくお願いします。
郵便振替口座00160-9-583587口座名義:特定失踪者問題調査会
銀行口座 みずほ銀行 飯田橋支店 普通預金 2520933 名義 特定失踪者問題調査会
(銀行口座をご利用で領収書のご入用な場合はメールないしFAXにてご連絡願います)
______________________________________________________

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2012年10月25日

原罪/参考情報(アジア人権人道学会講演会)

【調査会NEWS1251】(24.10.24)

■原罪
        荒木和博

 先日、蓮池薫さんの著書、『拉致と決断』(新潮社)を読みました。

 彼は北朝鮮でのことをまだほとんど話しておらず、何度か手紙を書いても「話せない」という返事すらもらったことはありません。それについては正直なところ色々言いたいこともあるのですが、本書を読んで思ったのは、「ともかく私は彼らを助けに行かなかった」ということでした。

 この本には北朝鮮における彼の精神的な苦闘についてはかなり率直に書かれています。そしてその間、つまり囚われた状態で彼らが苦しんでいた24年の大部分、私は平和な日本で人生を楽しんでいたわけです。これは憲法がどうとか、体制がどうとか言い訳しても何の意味もありません。彼らを24年間救い出せなかったという現実だけがそこには存在します。これは私自身にとっても、日本国にとっても原罪のようなものでしょう。

 それは同時に、今も北朝鮮に囚われている多数の拉致被害者について罪を重ねているということでもあります。蓮池さんたちにとっての24年を取り返すことができない以上に、今まだ帰っていない被害者はその歳月が積み重なっている。この事実にもう一度向き合う必要があるのではないかと思いました。

■参考情報・アジア人権人道学会講演会

---インサイダーが見る金正恩体制の内情・海外派遣労働の奴隷的実態---

アジア人権人道学会では10月27日(土)午後2時から明治大学(御茶ノ水・駿河台)アカデミーコモン2階A2,A3にて下記の講演会を開催します。奮ってご参加下さい。

第一部

発題:姜哲煥(カン・チョルファン) 北韓戦略センター代表
   『なぜ北朝鮮の海外派遣労働に注意を喚起したいのか』

報告:崔スンミ コリア政策研究所研究員/高麗大学北韓学科博士課程
   『北朝鮮の労働者海外派遣の実態』

証言:林一(リム・イル) 元北朝鮮海外派遣労働者-中東(96〜97年クウェート)
   池ヨンソン 元北朝鮮海外派遣労働者-ロシア(2006〜サハリン)

報告:金成哲(キム・ソンチョル:仮名)元中央機関勤務(〜2011年) 昨年末韓国入り
   『金正日死去当時の状況から金正恩体制の今後の展望』

第二部 ディスカッション

※報道各位 金成哲氏については関係者への影響を考慮し、報道に際しては素顔が露出しないよう顔のモザイク処理ならびに声の変調処理をお願いいたします。

※ご参加各位 金成哲氏の写真撮影はお避け下さい。

■調査会役員の参加する講演会等の予定(一般公開の拉致問題に関するイベントのみ)

★11月4日(日) 13:30 拉致問題講演会(庄内ブルーリボンの会主催)
●酒田市ひらたタウンセンター(酒田市飛鳥契約場35 0234-52-3910)
●代表荒木が参加
●問合せ:佐藤忠智代表(090-7327-1346)

★11月8日(木)18:45(現地時間)北朝鮮による拉致問題の国際社会への理解促進シンポジウム(拉致問題対策本部主催)
●ジュネーブ大学UNI-MAIL校舎
●代表荒木・専務理事村尾が参加
●問合せ:(株)オーエムシー内「北朝鮮拉致問題」事務局(03-5362-0120)

★11月14日(水)19:00 北朝鮮による拉致問題の特別講演会(日本航空学園主催)
●学校法人 日本航空学園 山梨キャンパス J-Shipホール(中央本線塩崎駅徒歩10分)
●代表荒木が参加
●問合せ:

★11月23日(金)14:00 拉致・特定失踪者問題の解決を願う集会(嶺南地区特定失踪者の真相究明を願う会主催)
●敦賀市福祉総合センター「あいあいプラザ」(JR敦賀駅徒歩5分 0770-22-1700)
●代表荒木・理事北條が参加

★11月27日(火)映画「めぐみ―引き裂かれた家族の30年」上映会(神奈川県主催)
●海老名市文化会館小ホール(海老名市上郷476-2)
●常務理事杉野が参加
●問合せ:神奈川県県央地域県政総合センター企画調整課
     046-224-1111(代表)※要事前申込み

★12月8日(土)秋田集会(救う会秋田主催)
●代表荒木が参加

★12月9日(日)堺集会
●代表荒木が参加

★12月15日(土)伊万里集会
●代表荒木が参加

★12月16日(日)熊本集会(熊本県主催)
●代表荒木が参加

平成24年1月27日(日)川口集会
●代表荒木が参加
◎戦略情報研究所「Sセミナー」

 戦略情報研究所では第3回Sセミナー(講演会)を次のように行います。奮ってご参加下さい。
日時:11月16日(金) 19:00〜20:00
会場 UIゼンセン会館2階会議室(東京都千代田区九段南4-8-16 Tel03-3288-3549)
 ※JR・地下鉄市ケ谷駅下車3分 日本棋院斜向い
講師 三浦小太郎氏(評論家・アジア自由民主連帯協議会会員)
参加費 1000円(戦略情報研究所会員は無料)
※事前の参加申し込みは不要です。
※(株)NetLiveのご厚意でインターネット中継を行います。
http://www.netlive.ne.jp
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特定失踪者問題調査会ニュース
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〒112-0004東京都文京区後楽2-3-8第6松屋ビル301
Tel03-5684-5058Fax03-5684-5059
email:chosakai@circus.ocn.ne.jp
調査会ホームぺージ:http://www.chosa-kai.jp
発行責任 者荒木和博(送信を希望されない方、宛先の変更は
kumoha351@nifty.com宛メールをお送り下さい)
●カンパのご協力をくお願いします。
郵便振替口座00160-9-583587口座名義:特定失踪者問題調査会
銀行口座 みずほ銀行 飯田橋支店 普通預金 2520933 名義 特定失踪者問題調査会
(銀行口座をご利用で領収書のご入用な場合はメールないしFAXにてご連絡願います)
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2012年10月23日

英文ポスター作成中/参考情報

【調査会NEWS1250】(24.10.23)

■英文ポスター作成中

 11月8日〜10日にジュネーブ大学で行われる政府拉致問題対策本部主催の国際啓発行事にあわせ、調査会では特定失踪者・拉致被害者ポスターの英語版を作成中です。完成は未定(もちろん出発前)ですが、その後もイベント等でご利用いただけるように一定枚数を印刷する予定です。詳細は後日お知らせしますが、ぜひご活用下さい。

■参考情報・戦略情報研究所「Sセミナー(三浦小太郎氏)」

 戦略情報研究所では第3回Sセミナー(講演会)を次のように行います。奮ってご参加下さい。
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  三浦小太郎氏講演「東トルキスタンと南モンゴル-失われた独立と分断国家の悲劇-」

 第3回の戦略情報研究所「Sセミナー」は評論家・アジア自由民主連帯協議会会員の三浦小太郎さんをお招きし、東トルキスタンと南モンゴルの問題についてお話しいただきます。

 第2次世界大戦が民主主義対ファシズムの戦いだったという歴史観は、戦後もスターリンの収容所体制が継続し中国でも戦争の結果として中国共産党独裁政権が確立し、多数の民衆が虐殺されたことからも、偽の神話であることがわかります。

 そしてこの第2次世界大戦の最中花開いた東トルキスタン、モンゴルの独立の夢は戦後、中ソ両国によって踏みにじられて行きます。今回は、この悲劇の歴史を通じて、現代まで続く中国政府の民族弾圧の現状と、今後の日本がなすべき支援の在り方についても考えたいと思います。

日時:11月16日(金) 19:00〜20:00

会場 UIゼンセン会館2階会議室
(東京都千代田区九段南4-8-16 Tel03-3288-3549)
 ※JR・地下鉄市ケ谷駅下車3分 日本棋院斜向い

講師 三浦小太郎氏(昭和35年東京生まれ 前北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会代表。著書に『収容所での覚醒 民主主義の堕落』『嘘の人権 偽の平和』(共に高木書房)『諸君』『正論』『月刊日本』などに精力的に執筆。

参加費 1000円(戦略情報研究所会員は無料)
※事前の参加申し込みは不要です。※(株)NetLiveのご厚意でインターネット中継を行います。
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◎三浦小太郎さん・朝子さんのご結婚を祝う会

 今回の講師・三浦小太郎さんは去る8月、依藤朝子さん(北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会会員)と結婚されました。少々遅きに失した感はありますが、今回の講演終了後ささやかながら懇親会を兼ねた祝う会を行いたいと思います。「祝う会」だけでも結構ですのでお二人にご縁のある方はぜひご参加下さい。
 日時 11月16日(金) 20:30〜22:00
 場所 素材屋 市ヶ谷店(市ヶ谷駅徒歩1分 上の地図黒丸 050-5796-0511)
 会費 4000円

 参加される方は戦略情報研究所代表荒木までメールにてお名前と連絡先電話番号をお知らせ下さい。(kumoha351@nifty.com)

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2012年10月21日

矢倉富康さんのお父さん

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 1万キロ現地調査第12回は無事に終わりました。後日報告を流しますが、これは今日矢倉富康さん(昭和63年失踪)のお宅でお父さんの三夫さん(91歳)の「しおかぜ」収録をしたとき。三夫さんは「富康、すまない」と言って号泣し、しばらく言葉が続きませんでした。
 矢倉富康さんは当時漁師で、漁に出かけたまま失踪し、後に船だけが漂流しているのが見つかりました。実は漁師になる前は工作機械の優秀な技術者で、テポドン発射のときに、会社で同僚だった人たちは「あれは矢倉が作ったんじゃないか」と言っていたそうです。

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工作銀座

【調査会NEWS1249】(24.10.20)

 昨日から1万キロ現地調査の第12回として鳥取県西部の調査を行っています。昨日は大山登山口及び皆生温泉周辺などについての調査を行いました。今日は米子から境港、島根半島東部を回ります。それにしても失踪、違法輸出、工作員上陸から、ともかく北朝鮮がらみの事件が非常に多い地域です。

 ところで私たちが把握している範囲ではこの両側、つまり鳥取県西部や島根県東部ではこの種の事件は少ないのです。そしてその先、兵庫県の日本海側や島根県西部(県岩見地方)から山口県にはまた様々な事件が起きています。これまで、なぜそうなのかという疑問が解けませんでした。

 今回調査しながら議論して気付いたのですが、この米子・境港周辺は言ってみれば「工作銀座」とでも言えるような、彼らにとって非常に使い勝手の良い地域なのではないか、だからこの辺りで何かやるときは米子・境港に集中したのではないかということです。土台人や日本人協力者も多数おり、最近でも例えば一昨年5月に北朝鮮への不法輸出で摘発され、この種事件としては初の実刑判決を受けた「ファースト商会」などもあります。北朝鮮に近い国会議員・地方議員もいると言われており、様々な基盤が整っていたということではないかと思います。

 境港はゲゲゲの鬼太郎の作者水木しげるさんの出身地で、それがこの地域の観光資源になっていますが、妖怪よりも怪しい人間が相当いるようです。いっそこれも観光資源にして「工作員に会える街」とか言って売り出したらどうかとも思いました。

 冗談はともかく、あらためて根の深さを実感しています。今日はその根っこの辺りを見てきます。

 写真はメールニュースには載っていませんが、20日皆生温泉東の日野川河口でのしおかぜ収録の模様です。写っているのは昭和52年11月14日、つまり横田めぐみさんが拉致される前の日に皆生温泉で失踪した古都瑞子(ふるいち・みずこ・当時47歳)さんの弟さん、古都資朗さん。

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2012年10月19日

鳥取現地調査ご家族「しおかぜ」収録

【調査会NEWS1248】(24.10.19)

 20日21日の1万キロ現地調査第12回(鳥取)について、ご家族の「しおかぜ」メッセージ収録予定がほぼ決まりましたのでお知らせします。

 日程は当日の状況により変更される可能性がありますのでご了承下さい。
お問い合わせは事務局(常務理事曽田090-4937-2595・専務理事村尾090-2140-3411)
ないし常務理事妹原(090-4697-6197)までお願いします

10月20日(土)

 0915 JR米子駅北口集合 大山寺へ(広田公一さん)
南光河原駐車場→経堂付近
(昼食)
 1300 皆生温泉(古都瑞子さん)
※1300 日野川河口で古都さんご家族のしおかぜ収録
日野川河口付近から温泉街の海岸を調査→古都さんが最後に勤めた旅館跡
※1700 米子ワシントンホテルプラザで上田英司さんご家族のしおかぜ収録

 ※参加者宿泊は米子ワシントンホテルプラザ(19日前泊も)

10月21日(日) 

 0900 米子駅前スタート
※0900 米子駅前ないし1300和田町自宅近くで松本京子さんご家族しおかぜ収録
※0900過ぎ 矢倉富康さんのご自宅(米子市大崎)近くでご家族のしおかぜ収録
境港市明治企業→ファースト商会→ 北朝鮮船接岸場所(5万トン付近)
→矢倉さんの船の出発地→島根半島怱津(対岸は片江、野田福美さんの実家)
※1100 野田さん宅でしおかぜ収録
(昼食)
 1300 和田町(松本京子さん)
「ふる里ギャラリー」駐車場→松本さん宅→事件現場→編み物教室→海岸
終了後東京からの参加者は米子空港に(米子空港1605発)

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国益

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 これは10年前の小泉訪朝で9月17日朝に日本側に渡された文書です。北朝鮮赤十字から日赤にあてたもので、1枚目が正本、2枚目と3枚目が副本。副本には当時の政府認定拉致被害者及び曽我ひとみさんについて、「生存」「死亡」に分けて生年月日と「死亡」とされた人については「死亡」の日付が書かれています。久米裕さんについては北朝鮮に入っていないという書き方です。

 「死亡」の日付は例えば市川修一さんなら1979年9月4日となっており、その遥か後に安明進が金正日政治軍事大学で会っていることと矛盾します。それが分かったからこそ当時の小泉政権は死亡の日付を隠したのでしょう。ここで北朝鮮が嘘をついていることが家族や国民に知れたらどんなことになるか分からない。だから隠そうとしたということです。少なくとも結果的には北朝鮮の嘘を擁護したことになります。言うまでもなく、こんなことを一部の政治家、役人が勝手にできるはずはなく、総理に知らされていたのは明らかです。

 好意的に解釈すれば、小泉総理は北朝鮮の共犯者になっても国交正常化することが国益だと思ったのかもしれません。国交正常化によって安定した日朝の関係ができることがさらに被害者の帰国につながるし、北東アジアの平和にもつながると考えたと考えればある意味筋は通っています。

 私は状況によって国益を個々の国民の利益に優先することを否定するものではありません。しかし、このときの判断は誤りだったと思います。「国益」とは今生きている国民だけの利益ではありません。これまで日本の基礎を作ってきてくれた先人、そして将来この国に生まれてくる次の世代の利益まで含まれているはずです。当時の判断は極めて重いものだったでしょうから、軽々な批判は避けるべきなのかもしれませんが、あえてその前提で、この中身をそのまま家族にも国民にも伝えるべきだったと思います。

 飯倉公館事件のときには家族の軟禁、情報の遮断とリークという、明らかな隠蔽工作がありましたから、やっていたことははるかにたちが悪いのですが(パターンは山本美保さんにかかわるDNAデータ偽造事件と全く同じです)、この3枚の文書をそのまま明らかにしていれば状況は全く変わったと思います。

 この文書のことは意外とご存じない方が多いので、できるだけ多くの方に広げていただけると幸いです。

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2012年10月18日

現地調査最新日程

【調査会NEWS1247】(24.10.18)

 20日21日の1万キロ現地調査第12回(鳥取)について、前にお知らせしたものより少し日程が詳細になりましたのでお知らせします。途中の移動時間は変動しますので、取材等される方はご注意下さい。

 なお、1万キロ現地調査は第11回までで2981キロになりましたので、今回で3000キロを越えます。第13回以降は12回が終了後この結果を踏まえ再検討した上で来年から再開する予定です。

10月20日(土)

0915 JR米子駅北口集合 大山寺へ(広田公一さん)
南光河原駐車場→経堂付近→(昼食)

1300 皆生温泉(古都瑞子さん)
日野川河口付近から温泉街の海岸を調査→古都さんが最後に勤めた旅館跡
 
 ※宿泊は米子ワシントンホテルプラザ

10月21日(日) 

0900 米子駅前からスタート

境港市明治企業→ファースト商会→ 北朝鮮船接岸場所(5万トン付近)
→矢倉さんの船の出発地→島根半島怱津(対岸は片江、野田福美さんの実家)→
(昼食)

1300 和田町(松本京子さん)
「ふる里ギャラリー」駐車場→松本さん宅→事件現場→編み物教室→海岸
終了後東京からの参加者は米子空港に

※行程中参加ご家族の「しおかぜ」収録の予定です

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2012年10月17日

10年前

【調査会NEWS1246】(24.10.17)

 10年前の今日は帰国した5人がそれぞれの故郷に帰った日です。5人は都内で2泊してそれぞれの故郷に帰りました。救う会では当時副会長だった西岡さんが地村夫妻とともに小浜へ、事務局長だった私が蓮池夫妻とともに柏崎に行きました。柏崎に着いて、市役所の広場での歓迎行事、あの熱気は今も忘れられません。

 私はこの日蓮池さんの実家で1泊させてもらい、翌日一段落するのを見届けて帰京しました。あれから10年経ったと思うと月日の経つ早さに驚きます。なにしろ救出運動が始まってから9・17まで5年、それから今日まですでにその倍の時間が経過してしまっているのです。

 ところで、9月17日の「飯倉公館事件」はこれまでもあちこちに書いていますが、飯倉公館で福田官房長官・植竹外務副大臣から説明を受けたときはマスコミもシャットアウト、拉致議連役員でも同席できたのは自民党議員だけでした。したがって中にいた私たちと外にいた人たちには完全な情報ギャップができていました。官邸の術策にはまっていたのですが、当時はそんなことは全く考えている余裕がありませんでした。何しろ豪華な外務省のゲストハウスで官房長官や外務副大臣から「亡くなっておられます」と言われたのですから、信じたくなくてもその言葉は重くのしかかっていました。

 議員会館から帰ってきて、涙の記者会見の後、泊まっていた三田会館で家族会の人たちと今後のことを話し合いました。「本当かどうか分からないから最後まで頑張ろう」とは言ったものの、皆が「もうだめだ」という雰囲気だったと記憶しています。終わった後で有本嘉代子さんが「私たちは本当に確認できるまでがんばるから」と言っておられたのがせめてもの救いでした。

 翌朝、平壌から帰った安倍官房副長官、拉致議連の西村幹事長、平沢事務局長が三田会館に駆けつけてくれました。「ともかく総理から直接話を聞きたい」と要請したものの、会えると言われたのは1週間以上後でした。もうだめかという思いで記者会見を開き、それぞれのご家族は帰途につきました。

 「これから一体どうしたら良いのだろう」という思いで泊まっていた部屋の荷物を片付けていると平沢事務局長から電話がかかってきました。「平壌に行っていた梅本駐英公使(前の北東アジア課長で支援のために参加していました)が東京に帰っている。明日ロンドンに戻るが今日中なら会えるかも知れない」とのことでした。

 ぜひお願いしますと言って夕刻会ったのは私と横田めぐみさんのご両親、弟の拓也さんと哲也さん、蓮池薫さんのご両親と兄の透さん(当時家族会事務局長)でした。それ以外の方は連絡が間に合いませんでした。外務省に入っていく前、横田早紀江さんが「死刑宣告を受けに行くみたいね」と言っていたのを今でも覚えています。

 聞きたくないと思いながら、証拠のような話を伝えられるのだろうと思っていた私たちは梅本氏から「確認していない。平壌で北朝鮮側から聞いた話を東京に伝えただけ」と聞き、思わず耳を疑いました。

 問い詰めているうちに梅本氏は席を外して戻って来なくなりました。私たちは急遽外務省のロビーで記者会見を行い、説明しましたが、マスコミの意識は「8人死亡」で固まってしまっており、この矛盾についてほとんど報道されることはありませんでした。未だに救う会の皆さんが「拉致被害者は生きている」と言わなければならないのはまさにあのときのことが原因です。当時「北朝鮮はこう言っている、しかし何も確認できていない」と政府が発表していれば、その後の状況は全く異なったでしょう。

 私にとっては国家権力というものの恐ろしさに直面したときでした。この事件と特定失踪者問題調査会ができてからの政府の特定失踪者に対するさまざまな対応、とりわけ山本美保さんに関わるDNAデータ偽造事件などを経て、「国家を護ることと権力を守ることは別なのだ」と悟ることになりました。

 以上、10年という月日は重く、放っておけば自分の記憶も風化してしまうのではないかと考え、もう一度あのときのことを知って頂きたいと思った次第です。

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2012年10月12日

1万キロ現地調査(鳥取)の日程

【調査会NEWS1245】(24.10.12)

■1万キロ現地調査第12回(鳥取)

 まだ変更はあると思いますが、概略の日程です。米子周辺は失踪者も多く、また隣の境港はかつて万景峰号の寄港地であるなど北朝鮮との関係も非常に強いところです。国会議員でも関わりの噂される人物もいるなど、注目される地域であり、何とか成果を挙げたいと思います。関係各位のご協力をよろしくお願い申しあげます。

●目的
(1) 現地調査により個々の事件及び北朝鮮による拉致・工作活動への認識を深める。
(2) 広報啓発活動を通し今後の工作活動を抑止する。
(3) 現地で特定失踪者家族・政府認定者家族他関係者から北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」のメッセージを収録する。

●参加予定者
 調査会:荒木・岡田・村尾・杉野・曽田・武藤
 家族・支援者 他

●日程(変更の可能性がありますのでご了承下さい。お問い合わせは事務局までお願いします)
※調査会常務理事曽田090-4937-2595ないし専務理事村尾090-2140-3411

10月20日(土)
 0915 JR米子駅北口集合
 午前 大山寺周辺(広田公一さん、駐車場から経堂まで)
 午後 皆生温泉(古都瑞子さん、非公開失踪者、日野川河口から温泉街海岸)
 ※宿泊は米子ワシントンホテルプラザ

10月21日(日) 
 0900 米子駅前からスタート
 午前 島根半島(矢倉富康さん関連地点他)
 午後 和田町(松本京子さんさん・自宅周辺から海岸)

※行程中参加ご家族の「しおかぜ」収録の予定です

■調査会役員の参加する講演会等の予定(一般公開の拉致問題に関するイベントのみ)

★11月4日(日) 拉致問題講演会(庄内ブルーリボンの会主催)
●酒田市ひらたタウンセンター(酒田市飛鳥契約場35 0234-52-3910)
●代表荒木が参加
●問合せ:佐藤忠智代表(090-7327-1346)

★11月23日(金)14:00 拉致・特定失踪者問題の解決を願う集会(嶺南地区特定失踪者の真相究明を願う会主催)
●敦賀市福祉総合センター「あいあいプラザ」(JR敦賀駅徒歩5分 0770-22-1700)
●代表荒木・理事北條が参加

★11月27日(火)映画「めぐみ―引き裂かれた家族の30年」上映会(神奈川県主催)
●海老名市文化会館小ホール(海老名市上郷476-2)
●常務理事杉野が参加
●問合せ:神奈川県県央地域県政総合センター企画調整課
     046-224-1111(代表)※要事前申込み

★12月8日(土)秋田集会(救う会秋田主催)
●代表荒木が参加

★12月9日(日)堺集会

★12月16日(土)熊本集会(熊本県主催)

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特定失踪者問題調査会ニュース
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〒112-0004東京都文京区後楽2-3-8第6松屋ビル301
Tel03-5684-5058Fax03-5684-5059
email:chosakai@circus.ocn.ne.jp
調査会ホームぺージ:http://www.chosa-kai.jp
発行責任 者荒木和博(送信を希望されない方、宛先の変更は
kumoha351@nifty.com宛メールをお送り下さい)
●カンパのご協力をくお願いします。
郵便振替口座00160-9-583587口座名義:特定失踪者問題調査会
銀行口座 みずほ銀行 飯田橋支店 普通預金 2520933 名義 特定失踪者問題調査会
(銀行口座をご利用で領収書のご入用な場合はメールないしFAXにてご連絡願います)
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2012年10月 6日

良いリークと悪いリーク

【調査会NEWS1244】(24.10.6)

 8月末の日朝協議のときに、並行して松原拉致問題担当大臣(当時)が拉致問題対策本部のスタッフらを北京に派遣し、北朝鮮側との接触を行わせていたという報道がされています。朝日新聞は「北朝鮮に誤ったメッセージが伝わった可能性がある」ということで批判的な論調でした。

 私が聞いた話を総合すると若干事実と異なり、わざとこのようなことをやったわけではないようですが、報道の内容から逆算すれば、外務省が自分たち以外のルートで北朝鮮側に接触することを嫌ってマスコミにリークしたとしか考えられない記事です。外務省としては松原さんから日朝協議に対策本部のスタッフを同席させて欲しいと言われたため、自分の縄張りを荒らされるという思いが強かったのかも知れません。

 もちろん、縄張り意識もプロ意識としての前向きのものであれば構わないのですが、それなら外務省に任せておけば拉致被害者は無事に帰ってくるのかという、根本的な問題にはどう答えるのでしょう。

 拉致が始まってからならすでに半世紀以上、5人が帰国してからでさえ10年。調査会の武藤常務理事がよく「民間企業で10年間成績を出せなかった人間が『一所懸命やっています』と弁解しても通用するわけがない」と言っていますが、何もできていないのですから、被害者救出という目的を達するためには外務省の面子などどうでも良いことで、可能なルートをすべて動員するのは当然です。これは警察についても同様のことが言えます。

 もしアジア局長あたりが、「拉致被害者の救出を実現するまでは私の家族を無人島に住まわせて一切誰にも会えないようにする。救出できたら家族を連れて帰る」と言って実行すれば、国民も「それなら外務省に任せようか」と思うでしょう。北朝鮮も今よりは話し合いに応じるかも知れません。しかし、順送りで2年くらいいて、その間「一所懸命やっています」と言いながら、結果を出せずに次の部署に行くというのなら相応の扱いになって当然です。

 拉致被害者の救出にはカネで解決する方法から正規ルートの交渉、さらには被害者を脱出させる、あるいは強制的に取り返すなど、様々な方法があります。誤解を恐れず言うなら私は親朝派や詐欺師まがいの人間であっても解決につながると思うなら使って構わないと思っています。政府、特に総理が「絶対に拉致被害者を救出する」という意志を明確に持っていればそれほど大きな間違いは起きないはずです(それが一番不安かも知れませんが)。

 ところで10年前の小泉訪朝のとき、死亡と北朝鮮が言ってきた横田めぐみさんら8人について、政府が「死亡の日付は聞いていない」というのを嘘だと明らかにしたのは朝日新聞の記事でした。おそらくこれも外務省の誰かがリークしたのだと思います。良いリーク(?)ならどんどんやってもらいたいものです。

■調査会役員の参加する講演会等の予定(一般公開の拉致問題に関するイベントのみ)

★10月7日(日)13:00 「10・7 頑張れ日本・救う会奈良ジョイント大会」(救う会奈良主催・頑張れ日本全国行動委員会奈良本部主催)
●奈良県文化会館(近鉄奈良駅徒歩3分。県庁西隣 0742-23-8921)
●代表荒木・常務理事三宅が参加

★10月8日(月)14:00「第26回拉致被害者と家族の人権を考える市民集会」(救う会神奈川主催)
●藤沢産業センター情報ラウンジ(JR藤沢駅北口徒歩5分・藤沢郵便局となり)
参加費:500円(学生300円)
●常務理事杉野が参加
●問合せ:(090-9816-2187)またはsukukaikanagawa@hotmail.com

★11月4日(日) 拉致問題講演会(庄内ブルーリボンの会主催)
●酒田市ひらたタウンセンター(酒田市飛鳥契約場35 0234-52-3910)
●代表荒木が参加
●問合せ:佐藤忠智代表(090-7327-1346)

★11月23日(金)14:00 拉致・特定失踪者問題の解決を願う集会(嶺南地区特定失踪者の真相究明を願う会主催)
●敦賀市福祉総合センター「あいあいプラザ」(JR敦賀駅徒歩5分 0770-22-1700)
●代表荒木が参加

★11月27日(火)映画「めぐみ―引き裂かれた家族の30年」上映会(神奈川県主催)
●海老名市文化会館小ホール(海老名市上郷476-2)
●常務理事杉野が参加
●問合せ:神奈川県県央地域県政総合センター企画調整課
     046-224-1111(代表)※要事前申込み

★12月8日(土)秋田集会(救う会秋田主催)
●代表荒木が参加

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特定失踪者問題調査会ニュース
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〒112-0004東京都文京区後楽2-3-8第6松屋ビル301
Tel03-5684-5058Fax03-5684-5059
email:chosakai@circus.ocn.ne.jp
調査会ホームぺージ:http://www.chosa-kai.jp
発行責任 者荒木和博(送信を希望されない方、宛先の変更は
kumoha351@nifty.com宛メールをお送り下さい)
●カンパのご協力をくお願いします。
郵便振替口座00160-9-583587口座名義:特定失踪者問題調査会
銀行口座 みずほ銀行 飯田橋支店 普通預金 2520933 名義 特定失踪者問題調査会
(銀行口座をご利用で領収書のご入用な場合はメールないしFAXにてご連絡願います)
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2012年10月 4日

能代事件の水中スクーター

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 秋田県の地方紙「北羽新報」昭和38年4月4日付。能代事件のときの記事です。能代事件については救う会秋田のホームページに説明がありますのでそちらをご覧下さい。

http://www.sukuukai-akita.net/tokutei/index.html

 問題は右下のベタ記事です。
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 三日、南秋田郡琴浜村野石の海岸に、黒い魚雷みたいなのがうちあげられているのを近くの人がみつけ、男鹿警察署に届けでた。
 男鹿署で調べたところこの黒い魚雷のようなものは長さ約二メートル、直径約三十センチくらいで、中に機械類が入っていることから、浅内海岸に打ち上げられた水死体者に関係があるのではないかとみて、県警本部で調べている。
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 長さ約2メートルというのは魚雷にしては短すぎるため、工作員上陸用の水中スクーターであることはほぼ間違いないでしょう。これまで公表されている北朝鮮の水中スクーターは
(1)平成2年10月に福井県美浜町の海岸で発見されたもの、
(2)平成13年3月に富山県黒部川河口で発見されたもの、
(3)平成13年の12月に奄美沖でのいわゆる「九州南西海域における工作船事件」で沈没した工作船に搭載されていたものです。いずれも平成になってからですが、実は昭和30年代から使われていたということになります。

 しかし、救う会秋田のホームページには水中スクーターの写真はありません。掲載されている資料や写真は警察からの提供を受けたものですが、能代事件の記録から水中スクーターは消されてしまったということです。このベタ記事は昨年9月の調査会1万キロ現地調査の折、救う会秋田能代地区の方々が当時の地元紙を調べて下さって分かったことですが、同様に埋もれた事件が日本中にあるのだろうと思います。

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2012年10月 2日

人事が万事

【調査会NEWS1243】(24.10.2)

 「人事が万事」これは金泳三・元韓国大統領のよく使っていた言葉です。金泳三という人は頭の良くない割に人事の勘は鋭く、それによってリーダーシップを振るっていました。嫌いな人ですが、一理はあります。

 さてそうだとすると今回の拉致問題担当相人事はどうでしょう。田中慶秋大臣は私個人にとっては同じ旧民社党の人であり、初当選の頃から知っていますから親しみはありますが、拉致問題にはあまり関わったことはありません。松原前大臣は第1次拉致議連当時からのメンバーであり様々なことを熟知していましたから、話は早かったのですが、また振り出しに戻るという感じです。まあ前任の前任よりはましだと思いますが、さていざ何か動かすとなるとなかなかしんどいものがあります。

 もっとも、担当大臣だけで拉致問題が解決できるわけでもありません。この問題の根の深さからするとおそらく本気になった総理大臣が1人か2人、政治生命ないし物理的生命を失う位の覚悟でなければ解決できないと思います。しかしそれをしてくれる政治家の出現を期待するのは無理であり、逆に私たち民間が突破口を開いて流れを造り、あとは天が誰かそこに政治家を当てはめてくれるということではないかと思います。私たちは今後も「建設的緊張関係」で政府と向き合って参ります。

 それにしても「人事が万事」ということからすれば、これが野田政権の姿勢なのでしょうが、「万事休す」にだけはならないようにしてもらいたいものです。

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