家族の声
【調査会NEWS1258】(24.11.10)
昨日国連の人権理事会強制的失踪作業部会に出席しました。すでに日本でも報道されているようですが、飯塚さん、松木さん、そして天内さんの声を委員の皆さんも熱心に聞いて下さり、やはり家族の訴えは心に響くものがあるのだと感じました。
飯塚さんは陳述の中で去る7月に強制的失踪作業部会で陳述した藤田隆司さんのことにも触れました。天内さんももちろん藤田さんのことには触れ、私も藤田進さんと木村かほるさんが日本国内で同じ扱いであるとはお話ししましたが、作業部会に申立をしていない天内さんの陳述がどう受け取られるかという点は全く杞憂でした。それ以上に何十年も苦しみを続けてきた家族の言葉に重みがあったということです。
同席して説明された代表部の岡田次席大使は10年前支援室(現在の対策本部の前身)に外務省から派遣されて活躍された方で、つい先頃転勤でジュネーブにやってきたばかり、ここでお会いするとは思いませんでしたが、かつての思いもあるだけに非常に熱心に説明をして下さいました。特定失踪者も含めた家族の訴えと政府を代表する大使の説明が同時になされたことは委員にも強い印象を与えたようでした。
前にも書きましたが、北朝鮮の拉致問題はヨーロッパでは全くと言って良い程知られていない事件です。それだけに家族の声には逆にショックを感じた人もいたようで、シンポジウムでもEU、米国の代表部への訪問のときも目頭を熱くしている人がみられました。
私たちにとってみれば家族の訴えは情に訴えるために非常に効果がある反面、この問題の本質からずれて、単に「可哀想な人たち」というイメージだけが残るのではないかという懸念もあるのですが、やはり、どんな理屈よりも「情」の方が万国共通で伝わるのだなと考えた次第です。この点前に述べた広報の問題とあわせてもう一度考え直さなければ、と思っています。
作業部会の陳述の後、一行はジュネーブ大学に戻り、天内さんが何十年もかけて作ってきたたくさんの草木染めのハンカチ(かほるさんが帰国するときは映画「幸せの黄色いハンカチ」のように成田空港のロビーに広げて迎えるのだそうです)を会場にかけて「しおかぜ」の収録をしました。このもようは後日戦略情報研究所の映像配信「隼CHANNEL」で放送の予定です。
※写真はメールニュースでは流していませんが、会場にて。草木染めと天内さん、村尾専務理事
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