ジュネーブ(2)
【調査会NEWS1257】(24.11.9)
22時過ぎ、日本時間で言うと午前6時過ぎに拉致問題対策本部主催のシンポジウムを終えて宿舎に戻ってきました。この原稿を書いているのは現地時間午前1時ですが、対策本部のスタッフは部屋で報告等を書いていることと思います。こういうときには日本の官僚は大したものだといつも思います。上の目標がしっかりしていれば、世界征服(?)もできるのではないかと。
それはともかく、私がジュネーブに来たのは2回目で、1回目は11年前、増元照明・現家族会事務局長とでした。ジュネーブで当時の拉致被害者家族協議会代表崔祐英さんと合流し、国連や国際赤十字に行ってきました。
あのとき私は救う会の事務局長でしたが、日本代表部も多少協力はしてくれたものの、ほとんど自分でやらざるを得ませんでした。もちろん運動としてはそれが当然でしょうが、今回対策本部の主催行事で、しかも特定失踪者家族である天内みどりさんも飯塚繁雄さんや松木信宏さんと一緒に参加している様子を見て隔世の感を禁じ得ませんでした。EU代表部や米国代表部でもちゃんと対応してくれたのはやはり日本の国力だなと思った次第です。
もちろん新たな課題も生まれています。今回のことで拉致問題が当地では全く知られてないということが浮き彫りになりました。プレゼンテーションの良し悪し以前にこの問題自体が何も知られておらず、聞いた人は皆さん大変驚いていました。シンポジウムはそれほど大きな教室ではありませんが、立ち見も出る盛況で、開催したジュネーブ大学の学生に加えて各国代表部や在ジュネーブの日本人など様々な人が参加して下さいました。これを機会にこちらでも理解が深まってくれることを期待しています。
天内さんは10年来の支援者である秋田の姉弟から送ってもらった折り紙などを代表部やシンポジウム参加者に配りました。社交辞令もあるのでしょうが、やはり日本の伝統的なものは西洋人には喜ばれるようです。また、対策本部の配布している「めぐみ」のアニメや漫画も日本のソフトパワーというべきか、好評でした。
シンポジウムで私は特定失踪者の概況をお話しし。藤田進さんの話、木村かほるさんの話とともに12年前スイスで失踪した佐藤順子さんの話をしました。藤田さんについては私や救う会の西岡会長と同じ年であり、大学生の時に拉致され、同じ年の私の髪の毛が真っ白になっている、それほど時間が経っているということですとお話ししました。1人でも理解してくれた人がいれば何よりです。
日本時間の9日20時(現地時間12時)には7月に藤田進さんの弟、隆司さんが陳述した国連強制的失踪作業部会に行ってきます。
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