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2012年12月14日

情報の収集に努める

【調査会NEWS1268】(24.12.14)

 今回のミサイル騒ぎでもそうですが、何かあるたびに政府首脳が発する言葉が「情報の収集に努める」です。

 ミサイル発射の兆候があれば「情報の収集に努める」、発射間近と言われれば「情報の収集に努める」。発射されれば「情報の収集に努める」。「で、どうするんだ?」と聞かれても「厳格に対処する」とか、「国際社会と連携して」とか、抽象的な言葉ばかり。情報を収集するというなら、日本の大部分を射程に収める弾道ミサイルはすでに実戦配備されており、その情報はもう十分に収集されているはずです。国民にとっては「で、どうするんだ?」の方が大事だと思いますが、どうするのでしょう。ミサイルが日本の国土に落ちても「情報の収集に努める」ではたまりません。

 ところで、今日金正恩の直筆でミサイル発射を命じた書類が公開されました。報道された金日成広場での集会でも金正恩が命じたことが強調されていましたが、何か不自然な気がします。しかもこの集会には金正恩自身は参加していません。

 遅らせると見せかけておいて意表を突いて発射したということで大騒ぎにはなっているのですが、本当に「見せかけ」たのでしょうか。「12月25日に発射する」という情報も流れていたようで、8日の「一連の事情が生じ」という延期を示唆したような宇宙空間技術委員会報道官の発表も単に国際社会を欺こうとしたものなのか。私には何らかの内部の葛藤があったとしか思えません。

 いずれにしても、本気でミサイルや核開発を止めようと思うなら、「情報の収集に努め」てばかりいないで、具体的に日本政府として何をするかを考えるべきでしょう。情報収集も明確な目的がなければただの「物知り」を増やすだけのことです。

 いざ何かをしなければならないというときになって憲法がどうの自衛隊法がどうのと言って逃げているのは許されません。北朝鮮の中に葛藤があるなら(ないはずはないので)、日本の主体的努力でそれを広げてこちらに有利に持ってくることがより大事だと思います。

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