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2012年12月25日

「労働新聞」投書欄(続き)

 12月10日に労働新聞の投書欄について書いたところ、前にも「読者の手紙」欄があったという御指摘をいただきました。2008年に「一つの大家庭」と題して价川市前津洞70人民班の崔ゲハクさんの投書が掲載されたそうです。

 翻訳をいただいたものによれば、崔さんは機動芸術扇動隊員、つまり農村や作業場で音楽を奏でて士気を鼓舞するあの人たちの一人でした。お母さんが難病で寝たきりになり心配のあまり仕事もできなくなったのですが工場の同僚たちが皆で助けてくれてお母さんも治り、自分も仕事ができるようになったということでした。

 最後に「今日も私は、国中をこうした仲の良い大家庭、同志的な愛の美しい花園に咲かせて下さり、育てて下さる敬愛する将軍に対する尽きることのない感謝の気持ちを抱いて声の限りに歌います。幸福なわが国は一つの大家庭と!」で終わっています。自分自身は記憶になかったので見落としたのでしょうが、どうしてこういう欄がときどき出てくるのか、ちょっと気になります。もしどなたかお気づきの点がありましたらご教示いただけると幸いです。

 ところで、脱北者の人がよく言いますが、北朝鮮の厳しい状況でも助け合ったり分かち合ったりということはあるそうです。その部分では日本に来ても(おそらく韓国でも同様でしょうが)社会が冷たく感じられるとのこと。

 人を密告したり裏切ったりしなければ生きていけない世の中でも、人間の本性としての情は消えないのだと思います。私たちは拉致や収容所をはじめとする人権侵害、主権侵害への怒りは足りず、一方で北朝鮮の民衆も一切合切悪人であるかのように決めつけてしまいがちです。運動に関わっているものとして自分自身が自らを戒めなければならないと思っています。

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