3条件
【調査会NEWS1303】(25.2.6)
1月28日、有田芳生参議院議員は二つの質問主意書を院に提出しました。(1)「警察庁が開示した文書に関する質問主意書」(救う会徳島陶久代表の行った行政文書開示請求に関するもの)、(2)「北朝鮮による拉致の可能性を排除できない質問主意書」(川口で失踪した藤田進さんに関するもの)です。このたびこれに対する政府の答弁書が有田議員宛送られました。
質問主意書の答弁書は内容にかかわらず木で鼻をくくったようなものが多く、この答弁書も典型的な官僚の文書ではありますが、いくつか気になったところはあります。その一つが拉致認定の3条件(3要件)についてです。
(1)の中には7項目目に「政府は平成24年3月30日開催の拉致問題認定文化階第1回会合で認定3条件(1、北朝鮮による国家的意志が推認される形で、2、本人の意志に反して、3、北朝鮮に連れて行かれたもの)を挙げています。現在政府が認定している17名はすべてこの3条件を満たしていると理解していいですか」という質問があります。これに対する答弁は、認定基準の見直しをする意志はあるかという次の8項目目と合わせてのもので、次のように書かれています。
「現在、政府が拉致被害者として認定している17名については、関係機関の捜査・調査の積み上げの結果、北朝鮮による拉致行為があったという確認に基づき認定されたものであるところ、それ以外の北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者についても、今後、捜査・調査の結果、北朝鮮による拉致行為があったと確認された場合には、速やかに拉致被害者として認定することとしている。また、認定の在り方については、不断の検討が必要であると認識している」
つまり、現在の政府認定者は必ずしも3条件に合致しているとは言えないということ、また、今後も拉致が明らかになれば3条件に必ずしもこだわらないということです。
もちろん、だから直ぐにそうすると言うわけでもないでしょうし、もともとこの3条件というのは漆間巌警察庁長官当時に、要は拉致認定しないための障壁として作っただけですから、そう簡単に崩れるとも思えません。
しかし、本質的なことで言えばそもそも「拉致認定」という制度自体が必要なのかも疑問に感じられます。ご家族からすれば国が認めるかどうかですから、重大な問題ではあるのですが、北朝鮮が認めるならともかく、日本政府が認めても帰ってくるわけではありません。この点調査会内部でも色々議論を行っていますが、構造全体の見直しが必要ではないかと思う次第です。
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