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2013年3月 9日

特別指導班

【調査会NEWS1312】(25.3.9)

 報道によれば、警察庁は3月8日、拉致の可能性のある行方不明者の捜査・調査を強化するため、「特別指導班」を新設し、約10人を専従として都道府県警の捜査の把握・指導を従来以上にきめ細かく実施するとのことです。

 どのようなことであれ、前向きの話であれば歓迎です。その前提であえて書いておきますが、この話今一つしっくりきません。古屋圭司拉致問題担当大臣は1月に特定失踪者の家族と面会した際、個々のケースについて長時間かけて精査していると言っておられましたから、「特別指導班」はその延長線上の話だと思うのですが、正直なところ、どれだけ成果が挙げられるのだろうかという疑問も払拭できません。

 調べた結果、新しいことが出てくれば、「なぜ今まで分からなかったのか」「これまで隠していたのではないのか」と、結局警察の不作為を証明することになります。現場の人の思いはともかく警察官僚が自分からそんなことをするとはとても思えません。せいぜい、「県警の捜査が不十分だったので、警察庁が指導したところ拉致と断定できるケースがあった」と言って責任を下に押しつけて何人か認定する言い訳に使う程度でしょう。何だか北朝鮮に対して求めた「再調査」と同じような感じがしてきます。

 政府には現時点で何人も拉致認定できる人はいるはずであり、拉致問題の解決に本当に「認定」が必要なら(私は最近その点に非常に疑問を感じています)とにかく早くすべきです。また、「特別指導班」にはぜひ山本美保さんに関わるDNAデータ偽造事件についても調べてもらいたいものです。

 昨年の情報開示請求に対する868人という回答、8年経って家族に伝えた藤田進さんの写真の鑑定結果、そしてこの特別指導班と、これまでの警察の動きからすると違和感を感じることがいくつかあります(一説にはこの動きは昨年の6月頃から始まったとも聞いています)。まあ、私の性格がひねくれているのでそう感じるだけであれば良いのですが、ともかく目的は「拉致被害者を救出すること」であって認定は手段の一つにしか過ぎません。何をしなければならないかという根本的な問題だけは忘れないでいて欲しいと思います。

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