付近を航行していた船ではない
【調査会NEWS1329】(25.4.12)
昨年10月28日付のニュース1252号で流した鳥取現地調査の報告について矢倉富康さん(昭和63年8月2日、境港から漁船「一世丸」で出漁したまま失踪。後に船だけが漂流しているのが見つかった)に関する調査の中で
「当時、矢倉さんが使用していた船の写真を確認すると、『波よけ』の下部に他船と衝突したような跡が見られることから『矢倉さんの船よりも小型の船が衝突したのでは?』との意見が出された。塗料が日本の船のものと異なるので当時破片を東京に送った。海保の担当者の話では『直ぐにどこの船か分かる』ということだったが結局連絡はなかった。今後海保などに問合せを行うこととなった」
と書きました。少し時間が経ちましたが、去る4月3日の衆議院国土交通委員会で三宅博衆議院議員(維新・元調査会常務理事)がこれについて質問しました。北村隆志海上保安庁長官は次のように答弁しています。
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「お尋ねの事案についてでございます。
今先生おっしゃいましたように、発見されました一世丸の船体の状況から、ほかの船との衝突の可能性も視野に入れて全国的に手配を行いますとともに、一世丸の船体に付着していました塗料片を採取いたしまして、我々の海上保安試験研究センターの方で鑑定をいたしました。
鑑定します場合には、推定される操業海域を航行していた船舶の塗膜片と同一性があるかないかとか、そういうものも含めて鑑定をいたしました。
その結果、船舶の塗料は、日本の船の塗料とは異なるとは断定はできないということでございます。したがいまして、そのときに一世丸から採取しました塗膜片と、さらに付近を航行したと考えられる船舶の塗膜片が一致するか相違するか、そういうことも含めて鑑定をいたしましたが、相違することはわかってはおるんですが、どこのものかというのは、残念ながらはっきりはいたしません。
したがいまして、我々としましては、事件当時、当庁で可能な限り、失踪された、先ほど名前が挙がりました矢倉さんにつきましても、捜査だけではなくて可能な限りの捜索もやらせていただきましたけれども、残念ながら、それ以上の手がかりはございませんので、現時点においては新たな情報に接してはおりません。
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とりあえず思い当たる船はないとのことで、その分日本の船と衝突した可能性は低くなったということです。本件は残念ながらこれまで長らくご家族には伝えられていませんでした。海保に限りませんが、些細なことでも可能な限りご家族への説明はしてもらいたいと思います。
今後も現地調査で出た問題などについて、与野党含め委員会での質問・質問主意書で引き続き質してもらうよう拉致議連とも連携しながら進めていく予定です。
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