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2013年5月 4日

米国での行事が終了

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【調査会NEWS1339】(25.5.4)

 現地時間で3日午後6時15分(日本時間の4日午前5時15分)、ニューヨークでのシンポジウムが終了しました。日本でも報道されたようですが、小林七郎さんのスピーチもご家族の思いを切々と語る素晴らしいものでした。基調講演のスピーカーの一人、シェリフ国連人権高等弁務官ニューヨーク事務所副代表(正確な日本語訳はこれではないと思いますが)のスピーチは日本人拉致についてご本人が詳しく理解していることが分かるもので、強制失踪作業部会に申立をしている藤田進さんのことにも触れていました。

 小林さん、そして家族会の飯塚さん・増元さんと3人の家族からの訴えはとりわけ聴衆に強い印象を与えたようです。昨年のジュネーブのときもそうですが、「はじめて聞いた」という人も多く、家族の生の声は百の説明より効果があります。

 ところで、前にも書きましたが、国際的な啓発活動はどれだけやってもあくまで外堀を埋める作業です。それは無駄ということではなく、外堀を埋めてこそ本丸に攻め込めるわけで、役割を明確に考えるべきだと思います。

 もう少し話を広げて言えば、拉致被害者全員の最終的救出には北朝鮮の体制変更が必要不可欠であり、外交交渉で出来ることはその一部でしかありません。しかしこれまた外交交渉が無駄というのではなく、救出の手段の「一つとして」重要だということです。

 いったいどうすれば全ての拉致被害者を取り返せるかということから考えて戦略を練らないと、目的の達成はできません。戦略の過ちを戦術でカバーすることはできません。「オールジャパン」という意味では、少なくとも戦略的な目標だけはもう一度一致させておく必要があると、あらためて思いました。

 今までそれが不十分なまま外交交渉をやったり捜査をしたりしていることが、解決につながっていないことを再認識すべきだと思います。北朝鮮との国交正常化が目的になれば拉致被害者の救出は後回しになりますし、警察の捜査を基軸にして拉致問題に取り組もうとしても救出の前提に拉致認定という壁が立ちはだかる(つまり事実上救出が後回しになる)ということです。

 時差ボケしてはいますが、私自身はこういうことを改めて頭の中で整理できたのも収穫の一つだったように思います。
(写真はニューヨークでのシンポジウム・小林七郎さんのスピーチ)


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