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2013年5月29日

海上における拉致について

【調査会NEWS1348】(25.5.29)

 昨日産経新聞1面の記事で北朝鮮人民軍による海上での漁船乗組員の拉致をしたとする脱北者の証言は大きな波紋を呼んでいます。

 記事の中に出てくる実例には特定失踪者でそのまま該当する人はいませんが、似たような事例は何件もあります。これまでは陸上で狙われていた人が海上で拉致されたと思われる事例(矢倉富康さん、林田幸男さん・水居明さんなど)に注目し、それ以外に海上で拉致された場合は偶然に工作船と出会い、証拠隠滅のために拉致されたと考えてきたのですが、今回報道されたように意図的に船を狙った事例も可能性としてはあり得るとは思います。

 海上での失踪は現場検証がほとんど不可能であり、やはり北朝鮮からの生存情報などに力点を置かざるを得ません。難しい部分が多いのですが、あらためて個々のケースを洗い直していきたいと思います。

 ちなみに調査会の公開リストで海上での失踪者は下記の通りです(敬称略)。非公開の失踪者にも海上で失踪した方がおられます。

中野 政二 昭和30年9月24日 東シナ海

羽生 弘行 昭和31年10月23日 鹿児島県屋久島沖

紙谷慶五郎・圭剛・礼人・速水 昭和43年11月7日 北海道雄武町沖

金武川栄輝・牧志孝司・田島清光・儀間隆 昭和52年11月24日 沖縄近海

野田福美 昭和57年10月28日 北海道礼文島沖

松本重行 昭和58年10月17日 京都府舞鶴沖

林田幸男・水居明 昭和63年7月17日 宮崎沖

矢倉富康 昭和63年8月2日 鳥取県境港を出て

日高満男 平成元年2月23日 鹿児島県諏訪瀬島沖

仲桝忠吉 平成6年2月3日 フィリピン東方海域

小山修司 平成16年6月6日 新潟県聖籠町沖

(写真は失踪とは直接関係ありませんが、鳥取の現地調査の折境港港で写したもの。野田福美さんの船がこれとほぼ同じ大きさでした)

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